サブスク「契約は容易なのに解約は困難」…解約方法の分かりやすい表示、努力義務に
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政府は、商品やサービスを一定期間、定額で利用できる「サブスクリプション(サブスク)」型の契約で頻発する消費者トラブルの対策に新たに乗り出す。ホームページ上に解約方法を分かりやすく表示するなど、消費者への情報提供に関する努力義務を新たに盛り込んだ消費者契約法改正案を今国会に提出する方針だ。
サブスクは、スマートフォンの普及や新型コロナウイルス禍の影響で利便性などが注目され、市場規模が拡大した。近年、動画や音楽の配信のほか、飲食や車などにも広がる。一方で「解約手続きが分かりづらい」「解約したいと思ったが、電話番号が分からない」などの相談が、国民生活センターに寄せられているという。
現行の消費者契約法は、契約締結時について、解約料金や契約期間など契約内容の情報提供を事業者の努力義務としているが、解約に関する規定はない。消費者庁は、解約したい消費者に対する「必要な情報提供」も、事業者の努力義務とする規定を同法に盛り込むことにした。
具体的には、ホームページ上に解約方法を分かりやすく表示することや、解約の手続きに進むオンライン上のリンクを明確に示すことなどが想定される。解約の意思がある消費者の手続きをスムーズに進める狙いがある。
昨年8月に消費者庁が発表したサブスクに関する意識調査では「現在、利用している」が全体の33・7%。一方で「問題だと思うところ」(複数回答)を聞くと、「プランの変更や解約のための手続きが煩わしい」が27・1%で、トップの「思っていたよりも利用頻度が低い」(40・9%)に次いで2番目に多かった。
同庁の有識者検討会が昨年9月にまとめた報告書は、ネット上の契約解除に関して「ホームページの表記が分かりにくい」「契約締結の容易さに比べ、解約手続きが困難に設定されている」など問題点を指摘していた。