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部下の女性検事に性的暴行を加えたとして準強制性交罪に問われた元大阪地検検事正の北川健太郎被告(65)の弁護人が10日、大阪市内で記者会見し、今後の公判で、被告が一転して無罪を主張していくことを明らかにした。10月25日の初公判では起訴事実を認め、謝罪の言葉を述べていたが、10日に開かれた裁判官、検察官との協議で、主張の変更を伝えたという。
起訴状などでは、北川被告は検事正在任中の2018年9月、同僚らとの懇親会後、酒に酔って抵抗できない状態だった女性を大阪市内の官舎に連れて行き、性的暴行を加えたとしている。女性はその後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、休職した。
この日の記者会見で、主任弁護人の中村和洋弁護士は「北川さんには、女性が抵抗できない状態だったとの認識はなく、同意があったと思っていた」と説明。初公判で起訴事実を認めた理由について「北川さんは事件の関係者や検察庁にこれ以上迷惑をかけたくない思いがあった」と述べた。
しかし、初公判後に検察組織が批判されていることから、「北川さんは起訴事実を争わない方針が間違っていたのではないかと悩み、自身の記憶に従って主張することにした」と語った。
初公判では、北川被告は起訴事実を認めた上で、「被害者に深刻な被害を与えたことを深く反省し、謝罪したい」と述べた。第2回公判は12月10日の予定だったが、取り消されていた。初公判後に弁護人が辞任し、中村弁護士が新たに選任されたという。
被害を受けたとされる女性検事は初公判後に記者会見し、性的暴行の詳細のほか、被害後に北川被告から「被害を表沙汰にすれば、検察が組織として立ちゆかなくなる」と口止めされたと語った。また、職場で
中村弁護士の記者会見を受け、女性は「被告が被害者の苦しみを想像せず、罪を償おうと思わなかったことは、悲しく情けない」とのコメントを出した。