男根期への固着
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/16 17:23 UTC 版)
男根期に何らかのリビドー固着が生じると個人の性格に影響すると言われる。 例えば、男児は母親もしくは母親的な存在に強く魅かれるようになる。もしくは母性への逸脱した思慕や、年齢の極端に離れた女性への興味に固着する。いわゆるマザーコンプレックスである。これはエディプスコンプレックス時に生じていた母親を獲得したいという思いと同じものであり、神経症よる退行の原因となることもある。 男根期とエディプスコンプレックスは強く関わっている。あまりに父親から「ペニスを切り落とすぞ」というような威喝が強かった場合、そのような経験は去勢不安として残る事になる。その恐怖は恐怖症や権威への恐れなど、様々な不安へと転換される。これも神経症の素地を作る。 女児においては男児と全く正反対で、男根期に固着すると、父親や父親に似た存在に強く惹かれるようになる。これはいわゆるファーザーコンプレックスである。 また女児はペニスを持ち続けていると勘違いする事があり、これはエディプスコンプレックスの未解決に由来すると言われている。つまり男根に固着しているという事であり、こうなると女性は男性的な性格を身に付けたり、自分は男性であると考えるようになる。またその正反対にペニスが常に去勢されるという不安に怯えていると、自分は力のない女性であると考えるようになる。 以上の男根期への固着は精神分析におけるエディプスコンプレックスの理論と強く関係している。
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