火山の冬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/06 01:27 UTC 版)
火山の冬(かざんのふゆ、英: volcanic winter)とは、火山の爆発的な噴火によって、火山灰や霧状の硫酸が太陽光を遮り、地球のアルベドを上昇させることによって温度が低下する現象のことである。長期間に及ぶ冷却効果は主に、大気上層部に構成されるエアロゾル中の硫黄化合物の増加が原因である。
- ^ C. Oppenheimer, 2002, Limited global change due to the largest known Quaternary eruption, Toba 〜〜 74 Kyr BP, Quaternary Science Reviews, 21, 1593 - 1609
- ^ Oppenheimer(2002)
- ^ B.G. Mason, D.M. Pyle, and C. Oppenheimer, 2004, The size and frequency of the largest explosive eruptions on Earth, The Bulletin of Volcanology, 66(8), 735-748.
- ^ Isozaki,Y.,2009."Integrated"plume winter"scenario for the double-phased extinction during the Paleozoic-Mesozoic transition:The G-LB and P-TB events from a Panthalassan Perspective."Journal of Asian Earth Sciences(in press).
- ^ Norman F. Cantor, In the Wake of the Plague: The Black Death and the World it Made 2001:74.
- ^ I.A. Nairn, P.R. Shane , J.W. Cole, G.J. Leonard, S. Self and N. Pearson 2004. "Rhyolite magma processes of the 〜AD 1315 Kaharoa eruption episode, Tarawera volcano, New Zealand", Journal of Volcanology and Geothermal Research, 131: 265-294; K. A. Hodgson, I. A. Nairn, "The c. AD 1315 syn-eruption and AD 1904 post-eruption breakout floods from Lake Tarawera, Haroharo caldera, North Island, New Zealand" New Zealand Journal of Geology and Geophysics '48.3(September 2005) 491.
- ^ University of California - Davis(2008, April 25). Volcanic Eruption Of 1600 Caused Global Disruption. ScienceDaily. Retrieved April 25, 2008
- ^ Brohan, P., J.J. Kennedy, I. Haris, S.F.B. Tett and P.D. Jones (2006). “Uncertainty estimates in regional and global observed temperature changes: a new dataset from 1850”. J. Geophysical Research 111: D12106. doi:10.1029/2005JD006548.
火山の冬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 01:37 UTC 版)
21世紀現在までに核戦争は実際に発生していないが、考古学・地質学による地球各地の化石・地質調査や生物学による人類や他の動植物のDNA解析によって、過去において大規模な火山噴火に伴う「火山の冬」が何度も発生している事が確認されている。 例えば、トバ・カタストロフ理論によれば、7万-7万5000年前にインドネシアのスマトラ島にあるトバ火山が大噴火を起こして気候の寒冷化を引き起こし、当時の人類の人口が1万人にまで減少したとされる。 また有史以降、1816年の「夏のない年」として知られる事例では、1815年にインドネシア中南部、スンバワ島に位置するタンボラ山で発生した過去1600年間で最大規模の噴火の影響でヨーロッパやアジア(中国、日本)に影響を及ぼした記録がある。 他にも、メキシコのエルチチョンが1982年に、フィリピンのピナトゥボ山が1991年に噴火した事例が知られる。 空中の塵による日光遮蔽とそれに伴う危機というほぼ同様の事態として、約6600万年前にメキシコのユカタン半島付近に直径約10kmの巨大隕石(チクシュルーブ衝突体)が落下したことが知られている。この隕石落下が、地球上の全生物の大量絶滅の引き金になったと推定されている「K-Pg境界説(約6500万年前の恐竜をはじめとした大量絶滅シナリオ)」が挙げられる(隕石の冬)。しかし、この隕石によってもたらされた爆発の威力は核兵器による爆発のエネルギーのおおよそ1万倍である。
※この「火山の冬」の解説は、「核の冬」の解説の一部です。
「火山の冬」を含む「核の冬」の記事については、「核の冬」の概要を参照ください。
- 火山の冬のページへのリンク