作品観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/26 17:59 UTC 版)
「ガブリエッロ・キアブレーラ」の記事における「作品観」の解説
ストロペーとアンティストロペーの入念な華やかさをもった頌詩の作り手、新しく複雑なリズムの師、大がかりな言葉と混成した形容辞の考案者、大胆な置き換えや倒置の使用者、そして詩の言い回しの新たな系統の発明者として、キアブレーラがロンサールと比較されるのは驚くべきことではない。両者ともその栄光と同じように大きく、突然の失墜を被る運命であった。ロンサールはマレルブ(英語版)やフランス文学(と呼ばれるもの)に継承された。一方キアブレーラは偉大なイタリア人の最後のものであり、彼の後、イタリア文学はマンゾーニによる2度目の文芸復興までの間、衰退していた。しかしながらキアブレーラは、ただの革新者のそれは別として、優秀な人物であった。叙事詩や戯曲を別にすると、キアブレーラの作品の多くは現在も見て楽しむことが可能である。彼の壮大なピンダロス詩が愚鈍なものであることは事実だが、彼のカンツォネットは、ロンサールのアナクレオン的要素と同じように、非常に優雅なものである。彼の自伝的短編も非常に興味深いものである。ギリシャへの崇敬、旅と観光に対する喜び、親友や同輩と文学的会話をすることへの嫌悪、虚栄心と復讐心、教皇や王子たちによって彼に授けられた寵愛の記憶への誇り、ウェルギリウスの詩作と隠喩に関する「果てしない驚異(infinita maraviglia)」、男性韻と無韻詩への溺愛、ひそかなキリスト教精神—そういったものをもった純粋な古い詩人は、彼自身が発見と征服によって思い描いた芸術の「新世界」においてなされているよりも、より研究される価値のある人物である。
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