ヒトが作る獣道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/03 03:59 UTC 版)
人がつくる道路のルーツをたどれば、それが「けもの道」だといわれる。つまり、自然発生的に出来た、ヒトが踏み固めることでできるルートがヒトの作った「けもの道」であり、それに手を加えられて歩きやすく幅広く作られて路(みち)となり、さらに改良されて道路となった。太古の人間は、動物が作った獣道をたどれば、歩きやすくて獲物となる動物を見つけやすいと考え、獣道をたどって歩くようになり、やがて人間が歩くための道路が作られていったとも考えられている。これとは反対に、かつては整備された交通の往来が活発な道路(街道)が、別ルートの開拓や集落の廃村化によって人がほとんど通らなくなり、結果的に獣道化する古道や里道も存在する。 例えば、熊野古道や高野山の古道など、人が歩くために山塊を越えて形成された道の場合、道はほぼ尾根筋をたどり、特に高いピークは山腹に回って向こう側の尾根に抜ける。これに対して自動車道をつくる場合、より低い山腹をゆっくりと上り下りするコースを取るから、両者は全く異なるコースとなる。共通するのは、尾根を越える場合にその低くなったところを通るくらいなので、そういうところで古道を車道が分断することになる。 人間が歩くためだけに使う獣道は、なだらかで滑らかな場合もあるが、傾斜地では階段を区切る場合もある。なお、人間が通ることでできた獣道は、他の動物にとっても道となり得る。
※この「ヒトが作る獣道」の解説は、「けもの道」の解説の一部です。
「ヒトが作る獣道」を含む「けもの道」の記事については、「けもの道」の概要を参照ください。
- ヒトが作る獣道のページへのリンク