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「308 GTハイブリッド」と「3008 GTハイブリッド4」の特性の違いを明らかにする

地球上に2台だけ 2024.12.19 プジョーのPHEVはひと味違う<AD> 今尾 直樹 プジョーの中核モデル「308」と「3008」では、どちらもプラグインハイブリッドモデル(PHEV)が選べる。電気の力は生活の幅を広げてくれるばかりか、プジョー伝統の走りのよさも一段上のステージに上げてくれるのだ。スポーツカーにもサルーンにもなる。それがプジョーのPHEVである。

PHEVがかなえる静かで快適な日常生活

プジョーのPHEVはひと味違う。「3008 GTハイブリッド4」と「308 GTハイブリッド」、2台のPHEVで箱根の大観山を駆け抜けた筆者はこう思った。

1台3役! ひと粒で3度おいしい!

3008と308は、どちらもステランティスの「EMP2」というCセグメント以上向けのプラットフォームを用いている。PHEVのシステムはどちらもガソリンエンジンの1.6リッター直4 DOHCターボと8段ATに組み込まれた電気モーター、それに外部充電可能なリチウムイオン電池という3つの主要コンポーネントで構成され、モーター単体、もしくはエンジンとモーターの併用で前輪を駆動する。ただし、プジョー初のプラグインハイブリッド4WDという栄誉が与えられた3008 GTハイブリッド4はリアに独立したモーターを備える電動式4WDで、内燃機関のチューンと電池容量も異なる。

とはいえ、基本は同じで、いわゆるドライブモードには「エレクトリック」「ハイブリッド」「スポーツ」の3つがある。エレクトリックモードを選ぶと、バッテリーにエネルギーがある限り、EV走行する。WLTCモードの計測では308は71km、3008は64kmも走れ、どちらも最高速135km/hまでモーターが駆動する。多くのニッポン人のマイカーの使用距離は一日30km未満とされているから、誠に静かで、快適な日常生活を送ることができる。もちろん、何事にも例外はあるとしても。

→「プジョー308 GTハイブリッド」のより詳しい情報はこちら

シャシーはどちらも低重心・高剛性が自慢の「EMP2」。フラッグシップの「508」「5008」にも使われるぜいたくなプラットフォームだ。
シャシーはどちらも低重心・高剛性が自慢の「EMP2」。フラッグシップの「508」「5008」にも使われるぜいたくなプラットフォームだ。拡大
「308 GTハイブリッド」は最高出力180PSの1.6リッターターボエンジンと110PSのモーターで前輪を駆動。システム出力は225PSを誇る。
「308 GTハイブリッド」は最高出力180PSの1.6リッターターボエンジンと110PSのモーターで前輪を駆動。システム出力は225PSを誇る。拡大
「3008 GTハイブリッド4」はエンジンの最高出力が200PSに強化されるほか、リアにも112PSのモーターを搭載。システム出力が300PSに達する4WDモデルだ。
「3008 GTハイブリッド4」はエンジンの最高出力が200PSに強化されるほか、リアにも112PSのモーターを搭載。システム出力が300PSに達する4WDモデルだ。拡大
ユーザーメリットを最優先し、純内燃機関モデルと電動化モデルをバランスよくラインナップするプジョー。今回の2台はもちろん、「208」「408」「508」などでも両方を選べるようにしている。
ユーザーメリットを最優先し、純内燃機関モデルと電動化モデルをバランスよくラインナップするプジョー。今回の2台はもちろん、「208」「408」「508」などでも両方を選べるようにしている。拡大

エンジンもモーターもどちらも楽しい

PHEVの利点は100%電気自動車ではないところにある。バッテリーのエネルギーがゼロになると、内燃機関が自動的に始動して、ハイブリッドモードに転ずるから、不安なく長距離ドライブに出かけられるのだ。3008 GTハイブリッド4の場合、デフォルトはこのハイブリッドモードで、それというのもSUVで4WDの3008にとってはパッケージング上、それが最もエネルギー効率に優れているからだ。

プジョー独自のPHEVの最大の特徴にして、最大の美点はスポーツモードである。「ダイナミックな走行のためにエンジン主体で駆動する」モードで、ATのシフトアップのタイミングを遅らせ、スロットルに対する反応を鋭くして、ドライバーを楽しませる。この1.6リッターのガソリンエンジンが誠に小気味よい。高回転までストレスなくまわり、トルクの出方にドラマがある。308 GTハイブリッドの場合、エンジン音が劇的に大きくなって乗員のハートを揺さぶる。エンジン音が増幅されてスピーカーから流れてくるからだ。静かな環境をお望みの場合は、オフにすることもできる。

21世紀的なのは、1台3役、ひと粒で3度おいしい、というその3役の役割の違い、おいしさの味の違いがスパッと切り替わるところにある。エレクトリックの場合は、繰り返しになるけれど、電気モーターならではの力強いトルクと静粛性、そしてなめらかなフィールが印象的で、ごく平たく申し上げるとEVなのである。

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「308 GTハイブリッド」は容量12.4kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載。WLTCモードのEV走行換算距離は71kmだ。
「308 GTハイブリッド」は容量12.4kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載。WLTCモードのEV走行換算距離は71kmだ。拡大
「308 GTハイブリッド」は最新世代の「プジョーi-Cockpit」を採用。高い位置に据えた「デジタルヘッドアップインストゥルメントパネル」(メーター)により、未来的で包み込まれるような空間体験ができる。
「308 GTハイブリッド」は最新世代の「プジョーi-Cockpit」を採用。高い位置に据えた「デジタルヘッドアップインストゥルメントパネル」(メーター)により、未来的で包み込まれるような空間体験ができる。拡大
シート表皮はテップレザーを基本に中央部にはアルカンターラを使用。フォームがみっちりと詰まっており、コーナリング中でも体をしっかりと支えてくれる
シート表皮はテップレザーを基本に中央部にはアルカンターラを使用。フォームがみっちりと詰まっており、コーナリング中でも体をしっかりと支えてくれる拡大
インフォテインメントシステム用に10インチの大型タッチスクリーンを装備。好みの機能をショートカット登録できる「i-toggle」(写真下部)も便利だ。
インフォテインメントシステム用に10インチの大型タッチスクリーンを装備。好みの機能をショートカット登録できる「i-toggle」(写真下部)も便利だ。拡大

味わいの違いが際立っている

ハイブリッドモードは高級サルーンを思わせる。エンジンはモーターと助け合うことで、どちらが主役ということもなく、どちらも裏方に徹して主張しない。動力源が奥ゆかしく振る舞う。

スポーツモードにすると一転、エンジン主体となり、3008も308もGTというモデル名にふさわしいスポーティネスを表現する。

3008 GTハイブリッド4には雨や雪、ぬかるみなど、荒れた路面や滑りやすい路面で心強い4WDモードも備わっている。ちなみに3008でデフォルトのハイブリッドモードでは、発進時はリアのモーターによる後輪駆動になる。そのほうがエネルギー効率がよいからだ。

いずれにせよ、エレクトリックとハイブリッド、そしてスポーツと、2台に共通するこれら3つのモードの味がきっぱり異なるところにこのシステムの際立った特徴がある。電気自動車から高級サルーン、高級サルーンからスポーツGTの1台3役、3008 GTハイブリッド4の場合は4WDにもなる1台4役! しかも、それぞれの味がよい。エレクトリックモードがミルク味、ハイブリッドモードは炭酸水、スポーツモードはサクサクとクリスピーなコーヒー味、というように。すなわち、ひと粒で3度おいしい。

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「3008 GTハイブリッド4」は容量13.2kWhの駆動用バッテリーを搭載。EV走行換算距離は64kmで、175mmを確保した最低地上高によってさまざまなレジャーで活躍しそうだ。
「3008 GTハイブリッド4」は容量13.2kWhの駆動用バッテリーを搭載。EV走行換算距離は64kmで、175mmを確保した最低地上高によってさまざまなレジャーで活躍しそうだ。拡大
「3008 GTハイブリッド4」もプジョー独自の「i-Cockpit」を採用。ダッシュボードやドアパネルにあしらわれたグレーのアルカンターラがおしゃれだ。
「3008 GTハイブリッド4」もプジョー独自の「i-Cockpit」を採用。ダッシュボードやドアパネルにあしらわれたグレーのアルカンターラがおしゃれだ。拡大
シートはテップレザーとザラリとした風合いのファブリックの組み合わせ。スポーティーなポジションの「308」か、よりゆったり座れる「3008」か、悩むところだ。
シートはテップレザーとザラリとした風合いのファブリックの組み合わせ。スポーティーなポジションの「308」か、よりゆったり座れる「3008」か、悩むところだ。拡大
「3008 GTハイブリッド4」はオフロードの下り坂などでアクセル操作なしで一定速走行ができるヒルディセントコントロールを搭載。ドライブモードにも「4WD」が設定されている。
「3008 GTハイブリッド4」はオフロードの下り坂などでアクセル操作なしで一定速走行ができるヒルディセントコントロールを搭載。ドライブモードにも「4WD」が設定されている。拡大

日常に華を添えてくれる

それぞれの感想を記しておく。308 GTハイブリッドはストローク感たっぷりなのにロールは穏やかで、よく曲がり、ピュア内燃機関のホットハッチ同様のファントゥドライブが楽しめる。とりわけうねった路面では、サスペンションの動きが実にスムーズで、そのスムーズな気持ちよさに感心する。Cセグメントとしては大柄なボディーゆえ、室内の居住空間と荷室空間にはゆとりがある。

SUVの3008 GTハイブリッド4は、最低地上高が高めに設定してあるおかげで見晴らしがよく、よりAピラーの立ったスクエアなデザインにより、Cセグメントとは思えぬほど室内は広く、後席を倒せば広大な荷室が出現する。重心の高さに応じてサスペンションが巧妙にセッティングされ、乗り心地は308よりややファームだけれど、ロールはごく穏やか。リアにマルチリンクの功徳か、ピッチング方向の動きも抑えられており、フラットな安定感が安心感につながっている。

どちらも実用的なのに、運転して楽しい。日常に華を添えてくれる。おまけに、社会的に正しいゼロエミッション走行もできる! プジョーのようなPHEVは、ありそうでない。というより、Cセグメントには地球上に存在しない。

(文=今尾直樹/写真=郡大二郎)

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箱根のワインディングロードを2台で。どちらもプジョーの中核モデルにふさわしい乗り味が備わっていながら、それぞれの個性をしっかりと楽しめる。
箱根のワインディングロードを2台で。どちらもプジョーの中核モデルにふさわしい乗り味が備わっていながら、それぞれの個性をしっかりと楽しめる。拡大
「308 GTハイブリッド」の荷室容量は412リッター。もっと積みたいという方にはわざわざロングホイールベースに仕立てたステーションワゴンの「308SW GTハイブリッド」という選択肢もある。
「308 GTハイブリッド」の荷室容量は412リッター。もっと積みたいという方にはわざわざロングホイールベースに仕立てたステーションワゴンの「308SW GTハイブリッド」という選択肢もある。拡大
「3008 GTハイブリッド4」の荷室容量は520リッター。後席のバックレストを荷室側からでも倒せるレバーが備わっている。
「3008 GTハイブリッド4」の荷室容量は520リッター。後席のバックレストを荷室側からでも倒せるレバーが備わっている。拡大
実用的なのに運転が楽しく、さらに相当な距離のゼロエミッション走行もできる。「308 GTハイブリッド」と「3008 GTハイブリッド4」はCセグメントのハッチバック&SUVとして唯一無二の存在だ。
実用的なのに運転が楽しく、さらに相当な距離のゼロエミッション走行もできる。「308 GTハイブリッド」と「3008 GTハイブリッド4」はCセグメントのハッチバック&SUVとして唯一無二の存在だ。拡大
プジョー308 GTハイブリッド
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車両データ

プジョー308 GTハイブリッド

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4420×1850×1475mm
ホイールベース:2680mm
車重:1660kg
駆動方式:FF
エンジン:1.6リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
モーター:交流同期電動機
トランスミッション:8段AT
エンジン最高出力:180PS(132kW)/6000rpm
エンジン最大トルク:250N・m(25.5kgf・m)/1750rpm
モーター最高出力:110PS(81kW)/2500rpm
モーター最大トルク:320N・m(32.6kgf・m)/500-2500rpm
システム最高出力:225PS
システム最大トルク:360N・m
タイヤ:(前)225/40R18 92Y XL/(後)225/40R18 92Y XL(ミシュラン・プライマシー4)
ハイブリッド燃料消費率:17.3km/リッター(WLTCモード)
EV走行換算距離:71km(WLTCモード)
充電電力使用時走行距離:76km(WLTCモード)
交流電力量消費率:184Wh/km(WLTCモード)
価格:572万7000円

プジョー3008 GTハイブリッド4
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プジョー3008 GTハイブリッド4

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4450×1840×1630mm
ホイールベース:2675mm
車重:1880kg
駆動方式:4WD
エンジン:1.6リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
フロントモーター:交流同期電動機
リアモーター:交流同期電動機
トランスミッション:8段AT
エンジン最高出力:200PS(147kW)/6000rpm
エンジン最大トルク:300N・m(30.6kgf・m)/3000rpm
フロントモーター最高出力:110PS(81kW)/2500rpm
フロントモーター最大トルク:320N・m(32.6kgf・m)/500-2500rpm
リアモーター最高出力:112PS(83kW)/1万4000rpm
リアモーター最大トルク:166N・m(16.9kgf・m)/0-4760rpm
システム最高出力:300PS(221kW)
システム最大トルク:520N・m(53.0kgf・m)
タイヤ:(前)225/55R18 102V XL/(後)225/55R18 102V XL(ミシュランeプライマシー)
ハイブリッド燃料消費率:15.3km/リッター(WLTCモード)
EV走行換算距離:64km(WLTCモード)
充電電力使用時走行距離:64km(WLTCモード)
交流電力量消費率:183Wh/km(WLTCモード)
価格:710万5000円