ガーシー(東谷義和)が逮捕されてから1年の節目となる4日、都内で幻冬舎編集者の箕輪厚介氏とトークイベントを開催した。3月に懲役3年、執行猶予5年の判決が出てから初となる表舞台で飛び出したのは、仰天の落語家への転身だった。

 ガーシーは2年前に芸能界の裏側をユーチューブで暴露し、一躍ダークヒーローとしてもてはやされ、参院選で当選まで果たした。しかし、俳優の綾野剛らから刑事告訴され、昨年6月に滞在先のドバイから事実上の強制帰国となったところで、逮捕。裁判では「二度とSNSはやりたくない」と猛省し、かつての面影は完全になくなっていた。

 執行猶予の身となり、海外に拠点を置く希望はあるもののパスポートの発給は止められたまま。国内でセカンドキャリアをどう構築するかで思案の日々を送ってきた中、5月にSNSの復活を表明すれば、オンラインサロンの開設も予告し、〝ガルー〟といわれるガーシーのファンは大喜びしたが、それらはあくまで〝副業〟にすぎなかった。

トークイベントを開催したガーシー(右)と箕輪厚介氏
トークイベントを開催したガーシー(右)と箕輪厚介氏

 この日のイベントでガーシーは新たに挑戦しようとしている〝本業〟について明かした。「最もリスペクトしている人から今後をどう生きていくか」(ガーシー)と相談した際、得意の話術を生かしての落語家への道をアドバイスされた。

「もう暴露はやらない。SNSも仕事の一手段で、(落語家と聞いた時に)オレにしかできひんちゃうか、向いているなって。名前も『東笑亭(とうしょうてい)ガーシー』。東西南北は『東』から始まる、プラス名前の一文字が入っている。『笑』で笑いと幸福。新しい太陽が昇るように笑いを持って、人に幸福を与えられるようになれたらいいねという意味合いでつけた」と高座名も決まった。

 通常は師匠に弟子入りし、修行するところだが、ガーシーは「(ある落語家から)もう東さんぐらいの知名度があったら人の看板はいらない。自分で看板をあげてください。創作落語をやったら絶対いけます。寄席とかも呼ばれますよ」と太鼓判を押されたという。現在は10月のデビューへ向け、日々ネタの作成や勉強に追われており、英語や中国語も取り入れての世界を股にかける落語家を目指すとした。

 これには箕輪氏も「話を聞いた時にそれしかないって思った。ガーシーさんの強みと日本の伝統文化に入れば、もう芸の人ってなる」とうなるばかりで、会場からも拍手喝さいとなった。ガーシーは「ガチでやっているから茶化すつもりはない。本気で笑いを取りにいこうと思っているし、一回ちょっと見てほしい」と真剣そのものだ。

 アテンダーから暴露系ユーチューバー、参院議員から除名、逮捕…と波乱万丈の人生を歩んできた中、一筋の光明として差し込んだ落語家への道。果たして天職となるのか――。