
SEOとは?SEO対策で上位表示するための具体施策と事例を解説
SEO対策
2025.03.03
Googleをはじめとする検索エンジンでは年に数回アルゴリズムのアップデートを実施しており、ユーザーファーストのコンテンツが上位表示される仕様に変化しています。
そんな中、Googleが特に注意しているのが「YMYL(ワイ・エム・ワイ・エル)」と呼ばれる領域のコンテンツです。YMYLとは、金融や住宅・医療などの、読んだ人の人生を大きく左右する可能性が高い領域のことで、Googleはこの領域のコンテンツをより厳しく評価します。
この記事では、初めてYMYLという言葉を聞いた方や聞いたことはあるけど詳しくはわからないという方に向けて、YMYLの基本知識からYMYL分野のSEOで成果を出すためにはどうすればいいのかを解説します。
※編集部注:この記事は、2018年3月に公開された記事を加筆・修正したものです。
YMYLは「Your Money or Your Life」の略で、人々の健康や経済、安全などに影響を与えるトピックのことを指します。これはGoogleの検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)の項目に含まれており、SEOに取り組む上では絶対に押さえておきたい項目です。
※検索品質評価ガイドラインとは…Googleが検索結果の品質を保つために、その評価方法を外部の品質評価者に提示している資料。
例えばあなたが不動産について検索しているとき、間違った情報や信ぴょう性の薄い情報を扱ったコンテンツが上位表示されていたら、その情報を信じて購入した結果、大きな損失に繋がってしまうかもしれません。このようなことを防ぐために、GoogleはYMYL領域のコンテンツをより厳しい基準で評価しています。
検索品質評価ガイドラインでは、YMYLについて以下のように記述されています。
Pages on the World Wide Web are about a vast variety of topics. Some topics have a high risk of harm because content about these topics could significantly impact the health, financial stability, or safety of people, or the welfare or well-being
of society. We call these topics “Your Money or Your Life” or YMYL.【日本語訳】
ワールド・ワイド・ウェブ上のページには、実にさまざまなトピックがあり、その中には危害の危険性が高いものもあります。これらのトピックに関するコンテンツは、人々の健康、経済的安定、安全、または社会の福祉や幸福に重大な影響を与える可能性があるためです。私たちはこれらのトピックを「Your Money or Your Life」またはYMYLと呼んでいます。
自社サイトはYMYLに該当するのかな?と不安になった方もいらっしゃると思います。検索品質評価ガイドラインでは、YMYLに該当するジャンルを「人々の健康、経済的安定、安全、または社会の福祉に大きな影響を与える可能性のあるトピック」としています。例えば、以下のようなトピックです。
ジャンル | 例えば |
ショッピング、または金銭取引 |
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金融に関するトピック |
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医療に関するトピック |
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法律に関するトピック |
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ニュース記事や国民に対する公式の情報 |
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グループ化された人々、集団に関するトピック |
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上記に当てはまるユーザーの人生を大きく左右するようなコンテンツは、内容の信ぴょう性・正確性がより重要となるため、その他のジャンルと比べてより厳格に評価が行われます。
さらに理解を深めたい方は、検索品質ガイドラインで示されている以下のトピック例もご参考ください。こちらでは、各トピックについて、明確にYMYLに該当するもの/可能性があるもの/可能性が低いもの の例が示されています。
【日本語訳】
トピックの種類 明確なYMYLトピック YMYLトピックの可能性がある YMYLトピックではない、または可能性が低い 情報 津波の避難経路 天気予報 音楽賞の受賞者 説明: 避難経路に関する不正確な情報は、人々に重大な危害を及ぼす可能性があります。 説明: ほとんどの場合、天気予報に関するわずかに不正確な情報でも、危害を引き起こすことはありません。人々はよく家族に「今日の天気は?」と尋ねます。 説明: このトピックは危害を引き起こす可能性が低い。 アドバイス 緊急時に病院に行くべきタイミング 歯ブラシの交換頻度 ジーンズの洗濯頻度 説明: 緊急時にいつ病院に行くべきかについての悪いアドバイスは、重大な危害を引き起こす可能性があります。 説明: これは、人々が友人や家族とよく話し合うカジュアルな健康トピックです。わずかに不完全な提案でも、健康や安全に大きな影響を与える可能性は低いです。 説明: このトピックは危害を引き起こす可能性が低いです。 個人的な意見 特定の人種グループが劣っている理由についての個人的な意見 運動が劣っている理由についての個人的な意見 ロックバンドが劣っている理由についての個人的な意見 説明: このトピックに関するページは、特定の人々に対する暴力を正当化したり、扇動したりするために使用されてきました。 説明: ジョギングと水泳などについての議論のほとんどは個人の好みに関わるものですが、運動が極端または危険な場合は健康上の懸念があるかもしれません。 説明: このトピックは危害を引き起こす可能性は低いですが、意見の相違があるかもしれません! 最新ニュース 現在進行中の暴力に関するニュース 自動車事故に関するニュース 地元の高校のバスケットボールの試合に関するニュース 説明: 人々は安全を保つために正確な情報を必要としています。市民と政府が公民的決定を下すため、社会は進行中の暴力に関する情報によっても影響を受ける可能性があります。 説明: 事故自体は有害だったかもしれませんが、事件に関する報道の小さな不正確さから将来の危害のリスクはほとんどないでしょう。 説明: このトピックは危害を引き起こす可能性が低いです。 社会的な共有 タイドポッドチャレンジの投稿 激辛ソースチャレンジ ミュージックビデオ 説明: この有害なソーシャルメディアチャレンジは、死者を出しました。 説明: いくつかの人は様々な激辛ソースを味わうことで不快感を覚えるかもしれませんが、そのようなチャレンジについて共有することで重大な危害を引き起こす可能性は低いでしょう。 説明: この種の内容は一般的に危害のリスクがほとんどありません。 オンラインコマースと製品レビュー 処方薬の購入 自動車の種類に関するレビュー 鉛筆の購入 説明: 処方薬は危害を引き起こす可能性があり、認可された薬局からの購入が必要です。 説明: 自動車は高価な買い物ですが、多くの人が友人や家族に自動車について尋ねます。 説明: 鉛筆やその他の日用品は危害を引き起こす可能性が低いです。 引用:2.3 Your Money or Your Life (YMYL) Topics|General Guidelines
YMYLがガイドラインに追加された背景の1つとして、「WELQ」問題があります。WELQとは大手企業が運営していた、医療情報を拡散するキュレーションサイトです。
WELQには医療や健康に関する多くのコンテンツが掲載されていましたが、その内容は医師の監修がされておらず、例えば「守護霊がいることが肩こりの原因だ」などの信ぴょう性のない情報ばかりでした。しかし、Googleは、このサイトを優良医療サイトだと判断してしまったのです。
このような信ぴょう性のない情報が上位表示されれば、それを読んだユーザーの健康や生活に悪い影響を与える可能性があります。
その後「記事の内容に信ぴょう性がない」などの指摘が相次いでWELQは閉鎖されましたが、この事件から、同じ問題を繰り返さないためにGoogleは大規模なアップデートをし、YMYLがより重要視されるようになりました。
日本で行われたYMYLに関連する大きなアップデートは2017年にあり、主に以下の変更がされています。
参考:医療や健康に関連する検索結果の改善について|Google検索セントラル
💡YMYLジャンルは、コアアップデートの影響を受けやすい?
Googleは信ぴょう性の高い情報を有するサイトの検索順位を上げ、信ぴょう性の低いサイトの検索順位を下げるアップデートを定期的に行ってきました。年におよそ3~4回の頻度でアップデートが起こっており、特にYMYLのジャンルはそのタイミングで顕著に検索順位が変動する傾向にあります。
Googleは常にユーザー第一を求め続けているため、今後も定期的なアルゴリズムの変化やアップデートによって大きな順位変動が起こることも大いにあり得ます。いずれにしても、ガイドラインに沿って適切に対策をしていくことが求められます。
YMYLのジャンル情報を発信する上で、具体的にどのような要素が重要視されるのでしょうか? Googleは検索品質ガイドライン(General Guidelines)にて、良いコンテンツの指標としてE-E-A-Tという指標を掲げています。
ここからはYMYL領域で特に重要視されているこのE-E-A-Tについて、注意点とあわせてみていきましょう。
出典:検索品質評価ガイドライン
E-E-A-Tとはサイト品質において重要な4項目の頭文字から名付けられたもので、それぞれE-Experience(経験)、E-Expertise(専門性)、A-Authoritativeness(権威性)、T-Trust(信頼性)を指します。
Googleの検索品質評価ガイドラインにおいて「ページ品質評価の最重要項目」と定義されており、SEO対策をするにあたって最も重要視するべき評価基準といえます。
E-E-A-Tについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
YMYL領域では、特に「信頼性」を強く求められます。ユーザーニーズを捉えた質の高いコンテンツを提供しなければならないことはもちろん、下記のような項目でその信頼性がはかられます。
例えば、そのコンテンツの執筆者がそのトピックについて語れるほどの専門性や知識があるのか、また専門性や知識があることを明記しておりユーザーが安心して読み進められるようになっているかなどの視点を持ちましょう。
サイトを上位表示させるには、E-E-A-Tが重視される意図や求められることを正しく理解し、ユーザーが信頼して受け取れる情報を届けることが重要です。実際のコンテンツの執筆方法については以下の記事をご覧ください。
SEO担当者や記事コンテンツを書く方が知っておくべきYMYLにおけるSEOの対策ポイントを、サイト全体・コンテンツ・外部対策に分けてご紹介します。
SSLとはインターネット上で通信を暗号化する仕組みで、URLが「https」で始まるものは通信が暗号化されている(=SSL化)ため、ユーザーが安心してサイトを利用することができます。
特にショッピングサイトや金融情報を扱うサイトでは金銭のやり取りが行われることが多いため、SSL化は不可欠です。
SSL化について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
コンテンツを書いた人だけでなく、どの会社が運営しているWebサイトなのかも記載しましょう。ユーザーが安心して情報を受け取るためには、情報の発信元である運営者や運営会社の信用度も重要です。
運営している会社名や責任者、電話番号などの情報を充実させ、ユーザーが安全に情報を受け取れるようにしましょう。
YMYLに関連するサイトは、専門家以外が見ると難易度の高い内容が多く含まれています。すぐにユーザーが質問や問い合わせができるよう、カスタマーサービス(問い合わせフォームやチャット等)を設けると良いでしょう。
YMYL分野で記事を作成する際は、そのジャンルに詳しい人間が書いている内容であることを明確にしましょう。
著者のプロフィールやポートフォリオ、関連資格や実績など具体的な専門家を提示することで、信頼のおけるコンテンツであることをユーザーや検索エンジン側に示すことができます。
YMYLジャンルの情報はユーザーの行動を大きく左右する可能性が特に高いため、情報の正確さが非常に重要です。先ほど説明したようにそのジャンルにあかるい人が書くことも大事ですが、最新の正しい情報を伝えられるよう定期的に内容を更新することも大切です。その際は、いつの時点の情報かわかるように更新日を掲載しましょう。
参考文献やサイトなどの出典を明記することは記事を作成する際の基本的なルールなので、必ず明記しなければなりません。
また、信頼できる文献やサイトを参考にすることも重要です。公的機関などが出している信頼性の高い情報のみを参照して、記事を書きましょう。
YMYL領域の情報を発信する際は、専門性の高さが非常に大切です。公的機関など信頼できるところから発信されている情報をもとに記事を作った上で専門家に記事の監修を依頼し、正しい情報だけを記載するようにしましょう。
サイトのジャンルを統一することも、専門性を高める手段の一つです。ジャンルを統一することで、検索エンジンからもユーザーからも「このサイトは~に関する情報を発信しているサイトだ」と認識されます。
特にYMYL領域においては、同じサイトでYMYLでない領域の情報を同時に発信しないことをおすすめします。ジャンルにブレがあると専門性が高いと評価されづらくなり、上位表示が難しくなる傾向にあります。
一次情報とは、その情報を発信した人が直接体験・経験・調査して得た情報のことです。一次情報は得るのに工数がかかる分、情報の信頼性は高いといえます。
高い専門性が求められるYMYL領域では、一次情報の価値はより高くなります。可能な限り一次情報を発信するようにしましょう。
YMYL領域で評価が高く、自社サイトと関連性の高いサイトから被リンクをもらうことは、自社サイトの権威性を高めることにつながります。なぜなら、信頼されている企業からリンクが張られている企業もまた信頼されるに相応しいとみなされるからです。
ただ、被リンクをもらう際は数が多ければいいというものではなく、質が重要です。被リンクについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
PLAN-BのSEOコンサルティングサービスで支援しております、歯科医院のお客様の事例を紹介します。
近年、YMYL領域では専門性・権威性・信頼性とコンテンツの品質が重要視されているため、今回の事例ではこれらの観点で施策を進めました。
E-E-A-Tとは、Googleの検索品質評価ガイドラインに記載されている以下の要素です。
このうち、専門性・権威性・信頼性を高めるために行った施策を以下にまとめました。
観点 | 施策 |
専門性を高める |
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権威性を高める |
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信頼性を高める |
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YMYL領域ではドメインが強いWebサイトが上位表示される傾向にありますが、もちろんコンテンツの内容も重要です。
今回紹介している事例では情報の更新性の価値が高まっていることに注目し、ページ内の細かい情報まで常に最新情報に更新するようにしました。
YMYLはユーザーの人生や健康に大きな影響を与える領域であることから、Googleから低品質なコンテンツであるとみなされた場合、大幅に順位が下がるだけでなく検索結果に表示されなくなるケースもあります。
低品質コンテンツについては以下の記事をご覧ください。
YMYL分野では、特に官公庁や大手企業など、信頼性・権威性が担保されたサイトが上位表示されやすい傾向にあります。
中小企業や個人ブログを検索結果の上位に表示するのは非常に難しいため、信頼性・権威性が担保されているオリジナルコンテンツでなければ、安易に手を出すべきではないという声もあります。
YMYLに関する内容は、今後もアップデートの影響を受けやすくなると考えられます。コンテンツの質だけでなく、サイト内にSEO的に問題がないかについてもチェックする必要があります。
基本的なSEO対策を行ったうえでYMYL関連のサイトがランキング上位を獲得できない場合は、検索品質評価ガイドラインに書かれている内容を参考にし、より高品質なコンテンツを目指しましょう。
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他のアップデートについても学びたい方はこちらもチェック:これまでのGoogleのアップデートの歴史をご紹介
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