法廷に現れた多見谷寿郎裁判長は、さてと、という感じで判決の主文を読み始めた。マイクのせいか、口調のせいなのか、聞き取りにくい。しかし「敗訴」という言葉だけはよく分かった。「詳しいことは後でじっくり精査するでしょうから」と、県側の弁護団に向かって、改めて付け加えた内容が実に興味深かった。