ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

書評

読んで、『方舟』。もうこれ以上はなにも語らないから。

読んで、『方舟』。もうこれ以上はなにも語らないから。 そしてデザートに、「ユーザー名は真犯人の名前を、パスワードは真犯人の最後のセリフの『最後の4文字』を、それぞれ半角英字でご記入ください」によってページが開く有栖川有栖氏の解説( ↓ )を読…

今年Amazonで買ってよかったモノ大賞2022

最近なにかと忙しくてブログをゆっくり書けていなかったので、リハビリがてらの執筆。数年前にも書いた「今年Amazonで買ってよかったモノ大賞」シリーズ、2022最新版。ちょうどブラックフライデーのセールもやっているので、高還元ポイントに胸躍らせてAmazo…

感想『屍人荘の殺人』 想像を絶する異常事態、すなわち「非現実」は「現実」になり得るか

やっと、読むことができた。 ミステリ界隈ではすでに大きく話題となっていた『屍人荘の殺人』。「売れてるなァ、読みたいなァ、読まないとなァ」と思いつつ後回しにしていた本作を、実写映画版の公開直前となるこのタイミングで読了。なるほど、いやぁ~~、…

感想『ネタバレ厳禁症候群 ~So signs can’t be missed!~』 読み終えた先にあるのは拍手か怒号か

きっかけは、Twitterのタイムラインに流れてきた以下のツイート。「ミステリ好き」の端くれとしては、こうも掲げられたらアンテナが反応してしまう。 【担当編集の告白】トリックのコンセプトを聞いた時、あまりの意味不明さに思わず執筆にゴーサイン。いざ…

仲人Tさんの著書『夢を見続けておわる人(以下略)』を読んだ感想。テキストサイト芸風は書籍版でも健在

彗星のように現れ、そのハイテンションのまま話題性までもを勝ち取っていった仲人Tさん(『結婚物語。ブログ』のメイン執筆者)。はてなブックマーク界隈でも、昨今は記事が更新される度に高頻度でホットエントリーに浮上。TwitterでもリンクがよくTLに回っ…

書評『セブン-イレブン 金の法則 ヒット商品は「ど真ん中」をねらえ』 なぜ100円コーヒーが年に10億杯も売れるのか?

先日、セブンイレブンのセブンカフェ(コーヒー)について書いている記事が目に留まり、以下のようなブコメを残した。 ekawa.hatenadiary.jp コンビニコーヒーのお客さんは、どこからやって来たのだろうか? - 江川珈琲店のブログ そこまでコーヒーを買う方…

感想『時計館の殺人』 館・伏線・叙述トリック・犯人、その全てが「業の物語」に収束していく傑作

綾辻行人著『時計館の殺人』を読了。新装改定版の文庫上下二冊。同氏の代表連作である「館シリーズ」の5作目にあたる。 時計館の殺人<新装改訂版>(上) (講談社文庫) 作者: 綾辻行人 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/06/15 メディア: 文庫 この商品を含…

感想『閻魔堂沙羅の推理奇譚』。閻魔大王の娘が仕掛ける「自問自答型推理ゲーム」が面白い

「でもよ、本当に俺の頭の中にある情報だけで、謎が解けるのか?」 「解けます。神様は嘘つきですが、閻魔は嘘をつきません」 株式会社講談社『閻魔堂沙羅の推理奇譚』P306(第4話) 久々にこの手の小説を買ったのは、いつもお世話になっている木本仮名太さ…

「早すぎたパロディ・ミステリの逸品」。折原一『倒錯のロンド』感想

この折原一への先見の明はわずか三年ほどの間に見事に立証されたわけだが、近い将来『倒錯のロンド』は ≪早すぎたパロディ・ミステリの逸品≫ として間違いなく古典の仲間入りを果たすであろう。 『倒錯のロンド』(講談社文庫)結城信考による解説(P334)よ…

感想『小説 仮面ライダーゴースト ~未来への記憶~』 それは執念すら感じさせる暴露本であり設定資料集

『小説 仮面ライダーゴースト ~未来への記憶~』を読み終えた。率直な感想は、「稀に見る読書体験だった・・・」。 小説仮面ライダーゴースト、もはや小説版というより、描かれるべきタイミングを逸してしまった設定暴露本みたいな趣がある。— 結騎 了 (@sl…

「ジョジョっぽさ」の壁に挑む一冊。『岸辺露伴は動かない 短編小説集(1)』感想

もちろんのように『ジョジョの奇妙な冒険』は大好きなので、付録目当てで買ってきました、ウルトラジャンプ。 『岸辺露伴は動かない 短編小説集(1)』。 わざわざ(1)ってことは、やはり(2)の企画が進行中? 普通にウルトラジャンプの次刊予告に(2…