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japan-eat’s blog

食に関する事や飲食店の運営に関する内容を記載してます。

味も値段もそれなりの飲食店が迫られる変革

飲食業は価格帯の2極化が進んでいくと言われ続けていました。実際のところ圧倒的に安い店か、ちゃんと高級な店、このどちらかに入る業態の飲食店はポジションをしっかりキープしているように思います。

 

『圧倒的に安い店』は

大手の飲食チェーン店がスケールメリットを活かした仕入れや流通網の整備、店舗業務の自動化によって実現をしてきました。

『高級なお店』は

その事業規模に関わらず、熟練した技術を持つ料理人と接客スタッフによって顧客の満足感と付加価値を生み出しその地位を確立しています。

しかし

このどちらにも入らないお店!つまり『味も値段も中間のお店』が飲食店の全体のほとんどを占めているのは周知の事実です。
そして、この『味も値段も中間のお店』やそこで働いているスタッフがこれまでの飲食業界を盛り上げて来たといってもいいと思います。

 

『味も値段も中間のお店』とは

・予約しないで気軽にいく店
・2軒目にノリで行く店
・大人数の宴会で使う店
・クーポンがあるから行くお店
・一流の料理人はいないお店

コロナショック前はこういったお店もとてもニーズがあり、そのポジションがありましたが、コロナ禍の3年間でこういったお店のニーズはかなり減ってきました。

『味も値段も中間のお店』で中途半端な体験するならテイクアウトやスーパーの惣菜で済ますか、外食する回数を減らして、その数少ない一回を『高級なお店』で過ごそうと考える人が増えています。

 

『圧倒的に安い店』に価格では勝負にならず

『高級なお店』には技術で勝ち目がないとなると、『味も値段も中間のお店』は今まで、どう立ち向かって来たのでしょう?
これまでは、圧倒的にコストパフォーマンスをよくする、お客様の満足度を上げるといった努力でなんとかやってこれました。

しかし、ここ最近の原材料や人件費、光熱費の高騰でコスパを上げるのは難しく、メニューの価格を上げ過ぎては、お客さんが離れてしまうリスクがあるのが現状です。つまり利幅を削って持ち堪えているのです。

 

味も値段もそれなりの飲食店が迫られる変革

この20年来、飲食業は価格帯の2極化が進んでいくと言われ続けていました。
実際のところ圧倒的に安い店か、高級な店、このどちらかに入る業態の飲食店はポジションをしっかりキープしているように思います。

 

値上げするか閉店するかの判断が必要になる

皆さんもご存知だと思いますが、飲食店の経営指数としてFL比率というものがあります。
Fは食材費、Lは人件費でその合計金額が売上の何%を占めているかというものです。

このFL比率は60%を目指すべきだというのが定説になっています。

F 食材費30% + L 人件費30% =60% ← FL比率

この60%を守れるような飲食ビジネスを考えることが圧倒的に経営を有利にすることは間違ありません。

食材費は

昨年までの1年間でも平均で10%近く上昇し、さらに相当数の品目が値上げとなります。

人件費は

最低時給がこの数年で何度も上がり、さらに労働人口の減少と若年層の飲食業界離れは進んでいます。都内では時給1500円という求人募集も珍しくなくなって来ました。
この状況を考え正当にその分、商品の値上げをすればいいことですが、それでも客離れが起きる心配がないほど、消費者の給与は上がっていません。

 

耐えるしかない?

もうこの流れはとっくに限界にきており今年はさらに深刻化してます。

この数年間、FL比率60%を守るということは諦めて、利幅を削って70%以上になっている店舗が数多くあり経営を困難なものにしています。

ラーメンは700円台で食べれないとダメだとか、ランチは1000円以内じゃないとなどという決まり文句がまだまだ言われる中、実際には全く不可能な数字だということは、実はみんなわかっているはずです。

この常識みたいなものを打ち破るような、思い切った値上げが必要なはずです。
しかし、ほんの少ししか値上げできずに、他のお店が値上げするのをできる限り待っている状態というのが昨年まででした。

でもそんなことは言ってられません。
ここまで全ての経費が値上がりしてくると、必要なだけの値上げをすぐにしなければない状況です。

なぜ値上げを恐れるのか?

それができなければ閉店するしかないというところまで行っているお店はすでにたくさんあるはずです。

ここでポイントとになってくるのは、

『値上げしてもお客さんが離れないお店』であることで、その価値があるお店かどうかということになります。
値上げを実施しても客離れを起こさずに耐え切るお店に成長するか、それが難しければ廃業するかというぐらいの選択が迫られるようになります。

値上げでお客様が離れると言うことは店舗運営として少し考えものです、、、
そもそも来店目的は?
来店動機は?
価格なのか?ですね!

 

飲食業界で達成するべきは、この値上げできないという我慢くらべをやめて、現在のダンピングをしあっている状況を抜けだすことです。

そして近い将来に、ラーメンは1000円が当たり前で、ランチは席に座って食べるのなら2000円近くの出費を覚悟するのが普通の世の中になります。

現金での決済がなくなれば!

レジ締め時間の短縮、両替の手間や違算がなくなるなどメリットは大きいこととはいうまでもありません。

3000円、5000円などのプリペードカードを発行する、もしくは、お店側がサポートしてでも交通系ICカードなどを高齢に利用してもらうなどの策を飲食業界全体で進めていってもいいと思います。

実行できない理由を並べて、後回しにすることは非常に危険なことです。

『人の代わりに機械にやらせる』という捉え方ではなく、『デジタルツールのサポートを全面的に受けて人が働く』と考えてデジタル化の推進をするのが得策です。

 

脱・満席回転主義のススメ

人件費や材料費、光熱費の高騰で飲食店を経営するための経費はどんどん上がってきています。

①客数   新規のお客様を増やす
②客単価  お客様が使うお金を増やす
③来店頻度 何度も足を運んでもらう

お店の売上高=①客数×②客単価×③来店頻度

これが基本的な法則です。

◎ できるだけ多くのお客さんに来てもらうように広告宣伝する
◎ できるだけお金を使ってもらうためにおかわりを聞いて回る
◎ また利用してもらうためにクーポンを配る

しかし、この売上が伸びるように、客数が増えるようにといった拡大、膨張を常にし続けなきゃいけない経営は必ず歪みがどこかに出てしまいます。

『できるだけ満席にしてどんどん注文してもらって、何回転もさせる』

この考え方を脱する努力をするべきです。

つまり、満席じゃなくても経営できる飲食店を作ってみることを考えるのです。

 

満席回転主義を脱した経営者

その売上を達成するためには月に300万円必要。
⇩⇩⇩
1万円のラーメンを300杯売ればいい。
⇩⇩⇩
1万円でも満足するラーメンを作ってみよう。

少し極端な例えですが、このようになります。


一泊一人5000円の宿で1000人の来客があれば500万円の売上。
⇩⇩⇩
でも一泊貸切で100万円の宿泊料ならば、5日間の利用があれば同じ500万円の売上。
⇩⇩⇩
一泊100万円でも満足のいく宿泊プランを考えてみよう。

ここに現れているのは、その経営者の努力の最大ポイントが満席大回転なのか、サービスのクオリティーを上げるのか、の違いになっている点です。

満席大回転を目標に掲げることで

常に集客活動をして、また来店してくれるようにコミュニケーションをとり、できるだけ早くお酒のおかわりを持って行き、また来てもらえるように土産やクーポンを持たす。これをやり続けることで肉体的にも精神的にも疲弊していきます。ましてやそれを1200円程度の時給のアルバイトさんにやらせる?無理がありますよね。

 

薄利多売

満席回転主義を頭から消し去って、一度まっさらの状態から経営方針を見直すべきでしょう。

 

VIP戦略

脱・満席回転主義は、さまざまな業態に広がって行き、貧富の格差が進む社会の中でも目立つ現象になると思います。

安くてうまいものを提供し続ける庶民のヒーローは本当に素晴らしいと思います。
しかし、VIPを顧客にするという選択肢を持てるようにVIPの心理が理解できるように努力したり、VIP体験を自らしてみることも必要です。VIPという顧客を鼻から毛嫌いすることはあまりにももったいないと考えます。もちろん給料も高くないと応募すら来ないです。人を安く使いハイクオリティを求めるのはおバカな策です。

 

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