HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

2023東京バレエ団『くるみ割り人形』初日鑑賞

           東京バレエ団 創立60周年記念シリーズ3
                    「くるみ割り人形」全
2幕

 

表記のバレエ公演の12/16(金)から12/18(日)の三日間の東京公演の内、初日を見ました。

 

【主催者言】

チャイコフスキーの珠玉の音楽にのせたバレエのワンダーランド「くるみ割り人形」が今年も戻ってきます!
クリスマス・イヴの夜、人形たちのふしぎな世界に迷い込んだ少女マーシャは、くるみ割りの王子に誘われて雪の国やお菓子の国を訪れます。雪の国で二人が雪片とたわむれるように舞う幻想的なダンス。お菓子の国の宴でくり広げられる個性的な踊り。そしてマーシャと王子の華麗なグラン・パ・ド・ドゥまで、見どころは尽きません。

東京バレエ団では芸術監督の斎藤友佳理の総指揮のもと、2019年に新制作版を上演して大好評を得ました。バレエの本場ロシアの劇場スタッフによって製作された美術は、〈クリスマスツリーの中に入り込んでしまった、マーシャの驚き〉というコンセプトをみごとに実現。夢と幻想の世界で、東京バレエ団の粒ぞろいのダンサーたちが舞うステージをどうぞお楽しみください。


【上演】東京バレエ団

【上演日】2023年12/21 12/22 12/23 (2回) 12/24

【鑑賞日時】2023.12.21.(木)19:00~(初日)

【会場】東京文化会館

【台本】マリウス・プティパ(E.T.A.ホフマンの童話に基づく)
【改訂演出/振付】斎藤友佳理(レフ・イワーノフ及びワシーリー・ワイノーネンに基づく)
【舞台美術】アンドレイ・ボイテンコ
【装置・衣裳コンセプト】ニコライ・フョードロフ

【音楽】ピョートル・チャイコフスキー

【管弦楽】東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

【指揮】フィリップ・エリス

【児童合唱】NHK東京児童合唱団

【上演時間】約2時間10分(休憩1回含む)

 

【配役(12/21)(12/22)】

マーシャ: 沖香菜子

くるみ割り王子:秋元康臣

ドロッセルマイヤー:柄本弾

ピエロ:樋口祐輝 

コロンピーヌ:中沢恵理子

ウッデンドール:岡崎隼也

 

-第1幕-

マーシャの父:中嶋智哉

マーシャの母: 榊優美枝

弟のフリッツ: 加藤くるみ

ねずみの王様:後藤健太朗

 

- 第2幕-

スペイン: 秋山 瑛一池本祥真

アラビア:政本絵美ーブラウリオ・アルバレス

中国:涌田美紀一井福俊太郎

ロシア:伝田陽美 鳥海創一岡崎 司/樋口祐輝

フランス:足立真里亜-安西くるみ大塚 卓

花のワルツ (ソリスト): 二瓶加奈子、加藤くるみ、榊優美枝、中島映理子、 安村圭太、後藤健太朗、中嶋智哉、星野司佐

 

【主役経歴】 

○マーシャ

プリンシパル

 沖 香菜子
おき かなこ - Kanako Oki

 神奈川県横浜市出身。4歳よりバレエを始める。2008年9月、文化庁新進芸術家の海外研修制度に合格し、ボリショイ・バレエ学校に留学。10年に東京バレエ団に入団、翌11年『ダンス・イン・ザ・ミラー』で初舞台を踏む。2018年4月よりプリンシパルを務める。  おもなレパートリーに、ブルメイステル版『白鳥の湖』のパ・ド・カトル、ナポリのソリスト(16年、バレエ団初演)、オデット/オディール、『ジゼル』のパ・ド・ユイット、マラーホフ版『眠れる森の美女』のカナリアの精、フロリナ姫、『くるみ割り人形』のマーシャ、『ラ・シルフィード』のシルフィード、『ドン・キホーテ』のキトリ/ドゥルシネア、『ラ・バヤデール』の侍女たちの踊り(ジャンペの踊り)、キャンドルの踊り、パ・ダクシオン、ベジャール『ザ・カブキ』のおかる、『くるみ割り人形』の妹のクロード、プチ・ファウスト、アラブ、『春の祭典』、『ドン・ジョヴァンニ』のヴァリエーション1、『ギリシャの踊り』パ・ド・セット、ノイマイヤー『スプリング・アンド・フォール』の主役、キリアン『ドリーム・タイム』などがある。  バレエ団初演作品に、子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』のオーロラ姫(12年)、ワシーリエフ振付子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』のキトリ/ドゥルシネア姫(15年)、『タリスマン』のパ・ド・ドゥ(18年)ベジャール『第九交響曲』(14年)、『ベジャール・セレブレーション』(『バロッコ・ベルカント』よりパ・ド・シス)(17年)、ノイマイヤー『ロミオとジュリエット』のジュリエット(14年)、バランシン『セレナーデ』(18年)などがある。  16年9月、17年3月には勅使川原三郎演出のオペラ『魔笛』に出演した。

 

 ○くるみ割り王子

プリンシパル

秋元康臣
あきもとやすおみ-Yasuomi Akimoto  

 

 神奈川県出身。3歳よりバレエを始める。2000年、12歳でボリショイ・バレエ学校に留学。06年に18歳で同校を卒業した。  05年モスクワ国際バレエコンクールでファイナリスト、06年タンツオリンプ第3位。14年ペルミ国際バレエコンクール"アラベスク"で銀賞を受賞。国内のカンパニーを経て、チェリャビンスク・バレエに入団。プリシパルとして活躍。『くるみ割り人形』のくるみ割り王子、『ドン・キホーテ』のバジル、『レ・シルフィード』の詩人、『ジゼル』のアルブレヒト、『リーズの結婚』のコーラス、『眠れる森の美女』のデジレ王子、青い鳥、『白鳥の湖』ジークフリート王子、『ラ・バヤデール』のソロル、ブロンズ像などを踊っている。  15年夏、東京バレエ団にプリンシパルとして入団した。  以後のおもなレパートリーに、ブルメイステル版『白鳥の湖』のジークフリート王子(16年、バレエ団初演)、『くるみ割り人形』のくるみ割り王子、『ドン・キホーテ』のエスパーダ、『ラ・バヤデール』のソロル、ワシーリエフ振付子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』のバジル、『パキータ』のプリンシパル、ベジャール『ザ・カブキ』の由良之助、塩冶判官、『くるみ割り人形』のM...、グラン・パ・ド・ドゥ、『ボレロ』、『第九交響曲』、ノイマイヤー『スプリング・アンド・フォール』の主役、アシュトン『真夏の夜の夢』のオベロンなどがある。  バレエ団初演作品に、『ベジャール・セレブレーション』(『バロッコ・ベルカント』よりパ・ド・シス)(17年)、キリアン『小さな死』(17年)、フォーサイス『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』(15年)、バランシン『セレナーデ』(18年)、ロビンズ『イン・ザ・ナイト』(16年)などがある。  16年9月、17年3月には勅使川原三郎演出のオペラ『魔笛』に出演した。  20年、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。

 

【上演の模様】

   クリスマスが近づいています。又『くるみ割り人形』の季節となりました。このチャイコフスキーの名曲に乗ったバレエは何回見ても飽きません。今年も初日を観ました。主役キャストは沖香奈子さんと秋元康臣さんです。

 踊りは細部を除けば、昨年とそれ程変わらなく大体同じだと言って良いと思います。室内や調度品などの舞台セットはかなり異なっていて、今回の方がかなり豪華になっていた様です。夢物語を一層深化出来る工夫が施されたのかなと思いました。

参考まで文末に一昨年見た上演の記録を再掲しておきました。

今回印象深かったのは、次の点です。

①二人の主役、マーシャの沖さんと、くるみ割り王子役の秋元さんは、年々踊りに磨きがかかってきているとい言えるでしょう。第一幕のパ・ド・ドウ のみならず、第二幕のグラン・パ・ド・ドウは特に印象的、テクニック云々よりも、バレエのもう一つの重要な要素である美しい踊り、これが二人の各処各処の型や動き、所作に見て取れました。特に沖さんは長い手足をフルに活用した動きで、演技が大きく見えましたし、秋元さんは何回も沖さんを高々とリフトアップして、そのまま長時間保って踊り、会場の大きな拍手を浴びていました。秋元さんにとっては、この舞台が「東京バレエ団」での最後の出演となるそうです。退団するみたい。その辺りの状況(理由や今後について)は来年3月頃に発表となる模様です。

 

②第二幕のお菓子の精他の踊りもさることながら、オーケストラの人口に膾炙した旋律、アンサンブルの見事な響きは、本格的なもので、いつもながら、チャイコフスキーは、よくもこの様な夢心地の物語に相応しい、音楽の絵本の様な楽しく美しい曲をつくれたものだと毎年感心してしまいます。バレエ音楽でも世界の横綱と言っても良いでしょう。(勿論その他の楽曲・分野で多くの名曲を作曲していることは誰もが知っていることですが)

 

③オケは、東京シティフィルハーモニー管弦楽団、指揮は英国人で、欧州各地の管弦楽団や、バレエ劇場の経験もある、フィリップ・エリスで、本格的な、アンサンブルの響きて、バレエ音楽を堪能しました。東京シテイの弦楽は特にいいアンサンブルでした。このバレエ音楽では、トライアングルやシンバルやカスタネット、鉄琴等の打楽器も活躍して物語性をアップしていました。

 

④花のワルツも聴いていて、つい音楽に引き込まれてしまいますし、コールド・バレエの群舞はパ・ド・ドゥやソロの踊りの美しさとは異なる一種独特な別な美的空間が醸成されていました。

 

⑤ドロッセルマイヤー役の柄本さんは、主役も立派踊るプリンシパルですが、こうした重要な癖ある役もうまくこなせるのですね。今年も感心しました。表情とか動作とか踊りに喜劇役者的プラスアルファが表現されて来ていると思いました。

 

⑥いつものことですが、アルルカンの道化役三人は、ロボットの動きの様な踊りで、舞台全体を和ませる大きな役割を果たしていました。

 

⑦ネズミの襲来は、年々おどろおどろしさが減殺されて来ている感じで、子供が見ても恐ろしさや怖いという印象が少ないことはいいことだと思います。むしろかわいげのあるネズミたち哉?兵隊や剣で追い払うよりも猫ぐるみを着て追い回す場面を入れても面白いかな?いやそこまですると本筋を離れ過ぎかな?等といろいろ考えさせられました。

 最後に申し添えますと、今回の初日、休憩後の後半の第2幕が始まる直前に会場から大きな拍手が沸き起こり、どうしたのかな?と思って皆の視線の方を見たら、何と上皇さまと美智子さまが一階中程の席にいらして着席される処でした。聴衆の多くは立ち上がって大きな拍手で迎えていました。第2幕を観劇されたのでした。上演が終わってカーテンコールが何回も済んだ後、お二人がホールを去られる時にも同様に大きな拍手でお送りしていました。聴衆も今日のバレエ鑑賞は強く印象に残る物となることでしょう。

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抜粋(再掲)2021.12.12.HUKKATS Roc.東京バレエ団公演『くるみ割り人形』鑑賞

表記のバレエ公演は12/10(金)から12/12(日)の三日間、東京で行われたものの内、中日を見ました。プログラムの概要は次の通りです。

 

【日時】2021.12.11.(土)14:00~

【会場】東京文化会館大ホール

【音楽】ピョートル・チャイコフスキー

【管弦楽】シアターオーケストラトーキョー

【指揮】磯部省吾

【児童合唱】NHK東京児童合唱団

【台本】マリウス・プティパ(E.T.A.ホフマンの童話に基づく)
【改訂演出/振付】

 藝術監督・斎藤友佳理(レフ・イワーノフ及びワシーリー・ワイノーネンに基づく)
【舞台美術】アンドレイ・ボイテンコ
【装置・衣裳コンセプト】ニコライ・フョードロフ
【照明デザイン】アレクサンドル・ナウーモア
【衣裳デザイン画制作】オリガ・コロステリョーワ
【衣裳技術】ユリヤ・ベルリャーエワ

【出演】

マーシャ:秋山瑛

くるみ割り王子:宮川新大

他 東京バレエ団員 多数。

【楽曲】

<第1幕>

第1曲 情景 (Scène) 【クリスマスツリー】
第2曲 行進曲 (Marche)
第3曲 子供たちの小ギャロップと両親の登場 (Petit galop des enfants et entrée des parents)
第4曲 踊りの情景 (Scène dansante) 【ドロッセルマイヤーの贈り物】(Distribution des cadeaux)
第5曲 情景と祖父の踊り (Scène et danse du grand-père)
第6曲 情景 (Scène) 【招待客の帰宅、そして夜】(Départ des invités - Nuit)
第7曲 情景 (Scène) 【くるみ割り人形とねずみの王様の戦い】(La Bataille)
第8曲 情景 (Scène) 【松林の踊り】(Une forêt de sapins en hiver)
第9曲 雪片のワルツ (Valse des flocons de neige)

 

第2幕

第10曲 情景 (Scène) 【お菓子の国の魔法の城】(Le Palais enchanté du Royaume des Délices)
第11曲 情景 (Scène) 【クララと王子の登場】(L'Arrivée de Casse-noisette et de Clara)
第12曲 ディヴェルティスマン (Divertissement) [登場人物たちの踊り]チョコレート (Le Chocolat - Danse espagnole) 【スペインの踊り】 [ボレロ]
コーヒー (Le Café - Danse arabe) 【アラビアの踊り】
お茶 (Le Thé - Danse chinoise) 【中国の踊り】
トレパック (Trépak - Danse russe) 【ロシアの踊り】
葦笛 (Les Mirlitons) 【フランスの踊り】
ジゴーニュ小母さんと道化たち (La Mère Gigogne et les Polichinelles)
第13曲 花のワルツ (Valse des fleurs)
第14曲 パ・ド・ドゥ (Pas de deux) 【金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥ】【アダージュ】
ヴァリアシオン I (Var. I)[タランテラ]
ヴァリアシオン II 金平糖の精の踊り (Var.II Danse de la Fée-Dragée)
コーダ (Coda)
第15曲 終幕のワルツとアポテオーズ (Valse finale et apothéose)

 

【あら筋】

 クリスマス・イブの夜のことです。

<第一幕>

第1場:クララの家へ雪道を急ぐお客たち

 クララの家のクリスマス・パーティーに招かれた親子連れが、楽しそうにおしゃべりしながら雪景色の中を、次々とクララの家へ向かっています。少女たちは雪を投げたり、押し合ったりしています。少年たちは、陽気に飛び跳ねています。きちんとした身なりの男の人と着飾った女の人、おしゃべりなおばさんやこっけいな男たち、太ったおじさんなど、さまざまな人がにぎやかに通り過ぎてゆきます。そのあとから少し遅れて、奇妙なステップを踏みながら慌てて走ってゆくおじさんがいます。脇にかかえているのは、おかしな顔をした“くるみ割り人形”です。

第2場:クララの家の広間

 クリスマス・ツリーを飾ったクララの家の広間に招かれた人たちが集まっています。パーティーが始まり、大人たちが踊っていると、雪道を慌てて走っていたおじさんが仮面をつけて現われ、踊りが中断されます。集まってきた子どもたちの前でおじさんはまず人形劇をみせ、次に機械仕掛けの人形を取り出します。ピエロに続いてコロンビーヌ、そしてムーア人の人形が踊り、子どもたちは大喜びです。子どもたちにせがまれて仮面を取ると、おじさんの正体はクララのお父さんの友達の人形師、ドロッセルマイヤーでした。
 ほかの子どもが退場した後、クララと兄フリッツの願いをきいて、ドロッセルマイヤーはおかしな顔をした“くるみ割り人形”を取り出します。クララはこの人形になぜか心を惹かれますが、フリッツはからかうばかりで、そのうちに人形を壊してしまいます。怒ったドロッセルマイヤーはフリッツを追い払い、直そうとしますがうまくいきません。フリッツは懲りずに友達とねずみのお面をつけて、悲しんでいるクララをからかいに来ますが、また追い出されてしまいます。
 少々お酒を飲んで上機嫌の大人たちが、ふたたび部屋へ入ってきて踊りはじめ、やがてパーティーも終わりになります。