このファミリー・コンサートでは、アントニオ・ヴィヴァルディの協奏曲集《四季》が取り上げられます。春といえば、どんな響きがするでしょうか?ヴィヴァルディにとっては、「踊りのような響き」だったのです!彼は、春だけでなく、夏、秋、冬からもインスピレーションを受け、この《四季》というタイトルの作品を書きました。鳥のさえずりや冬の寒さを、ベルリン・フィル・ストラディヴァリ・ソロイスツが楽器で表現します。季節の移り変わりのように魔法のように流れるヴィヴァルディの音楽を、バレリーナとバレエダンサーがひとつの物語へと変化させます
【日時】2023.12.4.19:00~
【会場】ベルリンフィル・デジタルコンサートホール(以下BFDCホールと略)
【演奏】ベルリン・フィル ストラディヴァリ・ソロイスツ
【バレエ】ウィニー・ディアス・ピント(振付担当)
シェヴェル・ダイノット
【衣装】イザベラ・ヘイマン
【舞台美術・装置】オットー・ブベニチェク
【演奏の模様】
12人の弦楽奏者(6Vn.∔3Va.+2Vc.+1Cb.)&チェンバロ奏者がビバルディの『四季』を演奏する中、二人のバレエ・ダンサーが曲に合わせて最初から最後まで踊り、時々曲のイメージについてナレーター(Vn.奏者が兼務)の説明が入り、再び演奏と踊りが続けられるといった総合芸術(というより統合藝術)が配信されていて見ることが出来ました。
『四季』のメロディに関しては人口に膾炙する位良く知られているので、以下目で見たバレエ及び演奏の模様を画像によって示します。
Der Fruhling(1Allegero)
こうして少女がダンサーになる夢を見るというストーリです。春の演奏は続きました。
Der Fruhling(2Largo)
この様にして四季の演奏のナレーションと曲の演奏、バレエの踊りは続くのでした。
Der Sommer(1Allegro non molt-Allegro)
Der Sommer(3Prest)
Der Herbst(1Allegro)
こうして『四季(抜粋有)』の全季節が語りと演奏とバレエにより色彩豊かに(夏の雷や冬の降雪は舞台左奥の装置の照明により)表現されました。
仲々見ごたえのある舞台で最初から最後まで目が離せなく、グイグイ引き付けられた演奏会でした。ナレーションはVn.奏者が交代で行い主としてソロ演奏も引き受けていました。皆が皆、素晴らしいソリストばかりで誰が出て来ても主役を張れる奏者ばかりでした。又その演奏技術ばかりでなく音色が最高、皆ストバリを使っていたのでしょう。言うこと無しの演奏でした。又バレエも(多分男性の方が振り付けたのだと思いますが)曲とナレーションの場面場面に良く適合した舞踏を披露していました。どこのどなたかは分かりませんでしたが、相当なソリストかプリンシパル級のダンサーでは?と思いました。
こうした演奏+αの舞台づくりは、先週11月30日にトリフォニーホールで聴いたアリス=紗良・オットの演奏会でも試みられていましたが、単に曲を演奏するだけでなく、こうした統合藝術への方向は(これまでも有りましたが)今後益々独創的な演奏会が注目を浴びる様になるかも知れません。勿論その基本としてはしっかりとした演奏技術があっての話ですが。このベルリンフィルの『四季』はこれまでにない面白さが有りました。
ところで、BFDCホールは有料が基本で、その料金は、昨今の世界的インフレと円安の影響なのか?徐々に値上げされています。三種類のコースが有り、次の通りです。
①7日間契約 約1580円
② 月額契約 約 3170円
③ 年間契約 約27000円
当然ながら長期契約の方が割安ですが、②と③は 余程多くの演奏を観、聴きしないと元が取れないでしょう。
その他、中には無料で見れる配信映像があり、上記の『四季』は将にそれに該当するので、アクセスして試みて観ては如何がでしょう。