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コンパクトリビングの賢いスペース活用法
コンパクトな空間は、ひとつひとつの要素が持つ「意味」が大切。スペースを最大限に生かしながら、快適に過ごせるテクニックと実例をご紹介しましょう。
ブラッキン・ヘザー
2023年12月26日
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
著書「ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり(文藝春秋)
Interior decoration and storage space planning in Tokyo, Japan. English/Japanese bilingual, with interior design and decoration experience in Europe and Japan.
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
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無駄なスペースをつくる余裕のないコンパクトな部屋では、すべての要素が機能的に働いていることが大切です。ひとつひとつのアイテムをそこに置く意味を考えながら部屋のプランニングをすると、より快適な空間がつくれるでしょう。リビングルームを例にとって解説します。
ものは極力少なめに
限られた広さの部屋を窮屈に見せるもっとも大きな原因は、言うまでもなく、ものの多さです。収納は極力出しっぱなしを避け、収納場所もできるだけ1ヶ所に、壁になじむようなすっきりした家具にまとめることで、部屋全体が広い印象を受けます。壁に沿って、一本のラインを描くようなスマートな収納を目指してすっきり感を出しましょう。
限られた広さの部屋を窮屈に見せるもっとも大きな原因は、言うまでもなく、ものの多さです。収納は極力出しっぱなしを避け、収納場所もできるだけ1ヶ所に、壁になじむようなすっきりした家具にまとめることで、部屋全体が広い印象を受けます。壁に沿って、一本のラインを描くようなスマートな収納を目指してすっきり感を出しましょう。
色づかいはシンプルに
白や淡い色は膨張色。そのため、これらの色をベースにすることで部屋が明るく、そして広く見えます。全体に同系色を使い、小物にところどころ、アクセントカラーをとり入れてトーンを揃えつつ、奥深さのあるインテリアを目指しましょう。
白や淡い色は膨張色。そのため、これらの色をベースにすることで部屋が明るく、そして広く見えます。全体に同系色を使い、小物にところどころ、アクセントカラーをとり入れてトーンを揃えつつ、奥深さのあるインテリアを目指しましょう。
目を惹くフォーカルポイントを
アートを飾ったり、壁を一面だけ違う色に塗ったり、または特徴的な壁紙を貼ったアクセントウォールのような、印象的なフォーカルポイントをつくってみましょう。目を惹くポイントがひとつあることで、空間の狭さが不思議と気にならなくなります。
アートを飾ったり、壁を一面だけ違う色に塗ったり、または特徴的な壁紙を貼ったアクセントウォールのような、印象的なフォーカルポイントをつくってみましょう。目を惹くポイントがひとつあることで、空間の狭さが不思議と気にならなくなります。
高めの位置に目線の行き場を
視線の行くポイントを高い位置にもってくることで、床に置いてある家具やものから視線が引き離され、開放感を感じることがあります。天井や家具の高さとのバランスを考えながら、照明や飾るアートの位置を考えましょう。
視線の行くポイントを高い位置にもってくることで、床に置いてある家具やものから視線が引き離され、開放感を感じることがあります。天井や家具の高さとのバランスを考えながら、照明や飾るアートの位置を考えましょう。
高さを強調する縦のライン
カーテンを天井から、または天井ぎりぎりの高い位置から吊るすことで、高さが強調されます。大きな柄は部屋を狭く感じさせるため、無地、または小さめの柄のカーテンを選ぶとよいでしょう。また、縦のストライプのようなデザインは、高さを感じさせるためにとても効果的です。
カーテンを天井から、または天井ぎりぎりの高い位置から吊るすことで、高さが強調されます。大きな柄は部屋を狭く感じさせるため、無地、または小さめの柄のカーテンを選ぶとよいでしょう。また、縦のストライプのようなデザインは、高さを感じさせるためにとても効果的です。
奥行きを強調する「抜け」
部屋を広く見せるには、視線が部屋の奥まで通る「抜け」をつくることも効果があります。窓の外の景色が見えたり、奥の空間が手前より明るく見えるだけでも、かなり印象が変わるもの。この部屋では、視線が自然と細長いリビングの奥のグリーンに行くため、部屋の狭さがそれほど気になりません。部屋の奥にさらに何かがあるといった印象が、広がりを感じさせてくれるのです。ポイント的に使われている強いアクセントカラーもまた、奥行きを感じさせてくれる効果があります。手前があって奥がある、と意識してみることで奥行き感が出しやすくなります。
部屋を広く見せるには、視線が部屋の奥まで通る「抜け」をつくることも効果があります。窓の外の景色が見えたり、奥の空間が手前より明るく見えるだけでも、かなり印象が変わるもの。この部屋では、視線が自然と細長いリビングの奥のグリーンに行くため、部屋の狭さがそれほど気になりません。部屋の奥にさらに何かがあるといった印象が、広がりを感じさせてくれるのです。ポイント的に使われている強いアクセントカラーもまた、奥行きを感じさせてくれる効果があります。手前があって奥がある、と意識してみることで奥行き感が出しやすくなります。
床面積を広く見せる
家具の数を減らし、厳選したものだけを置くことで、すっきりした開放感のある部屋の印象につながります。ソファとアームチェアの組み合わせの代わりに、L字ソファをひとつなど、家具をコンパクトにまとめてみてはいかがでしょう。また、脚のある家具や透明な素材の家具を使うことも、床の面積を広く見せ、部屋に軽さを出すためによく使われるテクニックです。
家具の数を減らし、厳選したものだけを置くことで、すっきりした開放感のある部屋の印象につながります。ソファとアームチェアの組み合わせの代わりに、L字ソファをひとつなど、家具をコンパクトにまとめてみてはいかがでしょう。また、脚のある家具や透明な素材の家具を使うことも、床の面積を広く見せ、部屋に軽さを出すためによく使われるテクニックです。
多機能に使える家具を
フレキシブルに使える多機能な家具を選ぶことで、個数を減らすことができ、部屋がすっきり見セルと同時に、空間の余裕も生まれます。コーヒーテーブルの代わりにオットマンを使うのがそのひとつの例。テーブルとして、または、お客様が多いときには椅子代わりにもなり、くつろぎたいときにはフットスツールにもなる、とても便利な家具です。
フレキシブルに使える多機能な家具を選ぶことで、個数を減らすことができ、部屋がすっきり見セルと同時に、空間の余裕も生まれます。コーヒーテーブルの代わりにオットマンを使うのがそのひとつの例。テーブルとして、または、お客様が多いときには椅子代わりにもなり、くつろぎたいときにはフットスツールにもなる、とても便利な家具です。
アームチェアとその配置
小さな空間に無理してソファを入れてしまうと、部屋に圧迫感を与えてしまうことも。代わりにアームチェアを複数、テーブルを囲むように置いてみてはいかがでしょう。アームチェアの大きなメリットは、必要に応じて移動ができること。同じものを2脚でも、または異なるデザインのものを合わせても素敵です。コーヒーテーブルを中心に、アームチェアを2~3個を置けば、まとまりのあるリビングのワンコーナーができあがります。
小さな空間に無理してソファを入れてしまうと、部屋に圧迫感を与えてしまうことも。代わりにアームチェアを複数、テーブルを囲むように置いてみてはいかがでしょう。アームチェアの大きなメリットは、必要に応じて移動ができること。同じものを2脚でも、または異なるデザインのものを合わせても素敵です。コーヒーテーブルを中心に、アームチェアを2~3個を置けば、まとまりのあるリビングのワンコーナーができあがります。
アームチェアとオットマン
ソファの代わりに、ゆったりした一人掛けのアームチェアとオットマンをあえて選ぶのも、フレキシビリティと贅沢な雰囲気を楽しめる素敵なアイデアです。ソファより小さい分、部屋の空間がより広く感じられ、落ち着いた、高級感のあるコーナーをつくることができます。
ソファの代わりに、ゆったりした一人掛けのアームチェアとオットマンをあえて選ぶのも、フレキシビリティと贅沢な雰囲気を楽しめる素敵なアイデアです。ソファより小さい分、部屋の空間がより広く感じられ、落ち着いた、高級感のあるコーナーをつくることができます。
造り付け家具の活用
部屋のサイズを最大限に使うには、造り付け家具もひとつの有効な方法です。ソファの代わりに広めのベンチを設けることで、無駄のない空間づくりができます。動線をさえぎることもなく、ベンチの中も収納スペースとして活用ができるため、一石二鳥。広々とした、すっきりした空間に役立ちます。
部屋のサイズを最大限に使うには、造り付け家具もひとつの有効な方法です。ソファの代わりに広めのベンチを設けることで、無駄のない空間づくりができます。動線をさえぎることもなく、ベンチの中も収納スペースとして活用ができるため、一石二鳥。広々とした、すっきりした空間に役立ちます。
動線を考慮して空間をフル活用
人の動線を考えながら、部屋をフルに使うのも、コンパクトな部屋のまた別な考え方です。写真のコンパクトなリビングルームは、フルに使われていると同時に狭さを感じさせないさまざな工夫がとり入れられています。調和のとれた色づかいや、透明なサイドテーブル、フォーカルポイントとなる大きな絵、高い位置から垂れ下がるカーテン、統一性のある家具。シンメトリーな配置がまた、整理整頓された印象を与え、すっきりとした空間をつくり上げています。
これまでご紹介してきた実例のように、床面積を広くあけ、家具を最小限にすることで部屋の広さを感じられることは確かです。ただ、広い空間にはない、コンパクトな部屋ならではのよさもあります。それは、こじんまりとした、独特のコージーな雰囲気。全体のまとまりや動線を考慮しながら、部屋いっぱいに家具や好きなものを丁寧に配置することで、優しく包み込まれるような安心感を味わえる空間に仕上げることもできるのです。
このように、ひとつひとつの要素の意味をよく考えながら部屋づくりをしていけば、どんなにコンパクトでも、きっとあなたにとって快適で過ごしやすい空間になるはずです。
Houzzでインテリアの専門家を探す
人の動線を考えながら、部屋をフルに使うのも、コンパクトな部屋のまた別な考え方です。写真のコンパクトなリビングルームは、フルに使われていると同時に狭さを感じさせないさまざな工夫がとり入れられています。調和のとれた色づかいや、透明なサイドテーブル、フォーカルポイントとなる大きな絵、高い位置から垂れ下がるカーテン、統一性のある家具。シンメトリーな配置がまた、整理整頓された印象を与え、すっきりとした空間をつくり上げています。
これまでご紹介してきた実例のように、床面積を広くあけ、家具を最小限にすることで部屋の広さを感じられることは確かです。ただ、広い空間にはない、コンパクトな部屋ならではのよさもあります。それは、こじんまりとした、独特のコージーな雰囲気。全体のまとまりや動線を考慮しながら、部屋いっぱいに家具や好きなものを丁寧に配置することで、優しく包み込まれるような安心感を味わえる空間に仕上げることもできるのです。
このように、ひとつひとつの要素の意味をよく考えながら部屋づくりをしていけば、どんなにコンパクトでも、きっとあなたにとって快適で過ごしやすい空間になるはずです。
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