ハマスの攻撃、これまでと決定的な違いは ガザ取材重ねた記者が解説

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ワシントン=高野遼
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 イスラエルパレスチナの戦いが「戦争状態」と言われるほど激化しています。今回の軍事衝突は、これまでと何が違うのか。そして背景にはどんな事情があるのか。元エルサレム支局長の記者が、現地取材の経験をもとに、解説します。

記者は2019~21年にエルサレムに駐在し、10回以上にわたりガザ地区を訪れて取材を重ねました。記事の後半では、イスラエルが抱える対ガザ戦略のジレンマと今後についても展望します。

「壁」を突破したという衝撃

 イスラエルにとっての「9・11」と言われるほど、今回の事態は衝撃をもって受け止められている。不意を突かれたイスラエル側に、想定外の甚大な犠牲が出たためだ。

 ガザ地区がイスラエルによって封鎖されたのが2007年。以来、最も衝突が激化した14年でもイスラエル側の死者は72人(うち民間人6人)だった。それが今回は1千人を超える異例の規模となっている。

 戦いは常に非対称だ。パレスチナ側で数百人規模の死者が出る年は何度もあった。だが強力な軍事力を持つイスラエルが、これほどの被害を受けることは想定外だった。

 なによりの衝撃は、ガザ地区から戦闘員が「壁」を突破して、大量にイスラエル側に侵入したことだ。

 ガザ地区は周囲を高さ6メー…

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この記事を書いた人
高野遼
アメリカ総局
専門・関心分野
国際ニュース
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    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2023年10月11日17時20分 投稿
    【視点】

    記事からは貴重な情報と洞察が得られる。ガザ地区でのハマス支持率は38%にとどまり、72%はハマスによる統治は腐敗していると不満を抱いているという。絶望的な状況がパレスチナ市民をハマスによる武装闘争への支持に駆り立てる一方で、これほどの絶望の

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