「らんまん」の東大植物園、もう限界 れんが崩落、空調まさかの手動
NHK連続テレビ小説「らんまん」の舞台となっている研究施設が、深刻な老朽化にあえいでいる。約80万点に上る植物標本の収蔵環境は限界で、研究者たちが困り果てている。
東京都文京区にある東京大学大学院理学系研究科付属植物園、通称・小石川植物園。「らんまん」の最終回が近づき、平日も多くの来園者でにぎわっている。
主人公のモデルとなった植物学者、牧野富太郎が見つけた「新種」などの植物標本を有する日本最高峰の研究施設だ。
1939年竣工(しゅんこう)の本館(一般には非公開)に入った。「東京大学植物標本室」の看板がかかった扉を開けると、事務用ロッカーが所狭しと並ぶ。中にはぎっしりと標本が重ねられている。
牧野が「新種」と気付き、1889年に日本人として初めて国内で学名をつけて発表した植物「ヤマトグサ」の実際の標本も、この中に収められていた。
同園のタヴァレス・ヴァスケス・ジエーゴ特任助教(36)は「もう満杯で、ギュウギュウに入っているから、取り出すたびに台紙が傷む。限界を超えている」と嘆く。
入りきらない標本は、段ボールに入れてロッカーの上に積んである。標本室だけでなく、屋根裏のような置き場所にも標本入りの段ボールが積み重なっている。
新設には20億円、「夢物語だ」
「らんまん」では、日本各地…
【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら