「東南アジアに米中と異なるアプローチを」 神奈川大・大庭教授

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聞き手・谷瞳児
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 石破茂首相は今年最初の外遊先に東南アジアのマレーシアインドネシアを選んだ。海洋進出を強める中国を念頭に、安全保障や経済分野での連携強化を確認するためだ。両国は米中対立が激化するなかでも「バランス外交」を掲げるが、中国との経済的な結び付きが一段と強まっている。日本はどんな役割を果たすべきなのか。国際政治学者の大庭三枝・神奈川大教授に聞いた。

 ――首相のマレーシア、インドネシア訪問のポイントは。

 インドネシアは東南アジアにおける随一の大国で事実上この地域の盟主であり、マレーシアは今年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国である。よって東南アジアとの関係を強化するというメッセージを打ち出す目的にはかなっている。ただ、この2カ国は外交相手としては「難易度」が高いというのが率直な印象だ。同じ東南アジアでも中国との距離感はさまざまだが、マレーシアとインドネシアは近年、中国寄りの姿勢が強まってきている。

 ――両国が中国寄りになっている背景は。

 東南アジアの国々は「バラン…

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    倉田徹
    (立教大学法学部教授)
    2025年1月12日17時55分 投稿
    【視点】

    大庭先生のおっしゃるマレーシアの対中接近は、昨夏にマラッカを訪問した際に私も感じたところです。町の至る所に、中国の政治指導者の訪問についての展示を見ました。多くの大学関係者が、頻繁に中国を訪問していました。  華僑も多数住み、歴史的なつなが

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