北朝鮮、捕虜になりそうなら「自殺せよ」 元兵士が隊内教育を証言

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牧野愛博
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 ウクライナゼレンスキー大統領が11日、北朝鮮兵士2人を捕虜にしたとSNSに投稿した。脱北して韓国で暮らす元北朝鮮兵士によれば、北朝鮮は兵士らに「捕虜になれば反動分子になる」と教え、自殺を強要しているという。しかし、若い世代の兵士がこの命令にどこまで従うかはわからない。

 元兵士によれば、北朝鮮軍は隊内教育で「捕虜は唯一指導体制に背く反動分子であり、反逆を意味する」と教えていた。情報漏洩(ろうえい)を警戒し、捕虜になりそうな場合は自殺するよう促していた。

 1996年9月に北朝鮮潜水艦が韓国・江陵(カンヌン)の海岸に座礁した際には、乗組員11人が集団自殺している。この元兵士は「同僚の兵が身動きできなくなったら、敵の手にわたらないよう殺害する。自分がそうなっても、同僚は自分を殺す」と語る。「抵抗できずに捕虜になっても、自殺を試みるだろう」とも話す。

 その代わり、北朝鮮軍は「兵士は戦死すれば共和国英雄になる」と教えている。北朝鮮では「肉体的生命」と「政治的生命」があると教育されているといい、「戦死すれば、肉体的生命は滅ぶが、政治的生命は永遠に残る」とも教えられているという。

SNSに写真投稿された兵士2人 家族は…

 「生きて虜囚の辱めを受けず…

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島
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    辻田真佐憲
    (評論家・近現代史研究者)
    2025年1月12日20時17分 投稿
    【視点】

    多くの軍隊では捕虜になる可能性を想定し、「ここまでは話していいが、これ以上は話してはならない」というような基準を設け、軍事機密に関する教育が行われています。しかし、旧日本軍のように捕虜になること自体を否定的に捉え、自決を求めるような軍隊では

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