179人死亡、2人救助 韓国で旅客機が着陸失敗 車輪出ず壁に激突
韓国南西部・全羅南道の務安(ムアン)国際空港で29日午前9時3分(日本時間同)ごろ、乗客・乗員181人が乗ったバンコク発の済州(チェジュ)航空の旅客機(ボーイング737―800型)が着陸に失敗して炎上した。消防当局によると乗員2人が救助されたが、179人が死亡した。
韓国国内では2002年に釜山近郊で中国国際航空の旅客機が墜落し、乗客・乗員129人が死亡したが、それを上回る惨事となった。
済州航空によると乗客は175人で、そのうち韓国人が173人、タイ人が2人だという。在韓国日本大使館は、日本人が搭乗していたという情報はないとしている。
韓国当局によると、着陸を試みた事故機に管制塔が午前8時57分、鳥が機体に衝突する「バードストライク」に注意するよう伝え、その2分後、パイロットが遭難信号を出した。その後に再び着陸を試みたが、何らかの原因で車輪が正常に作動しなかったとみられ、胴体着陸した。
韓国メディアによると、事故機は滑走路で止まらずに壁に激突し、炎上したという。
韓国当局は、鳥の衝突が原因で操縦が難しくなる事態が起きたと推定しつつ、エンジンが故障しても通常は車輪が出ないこととの関係はないことから、回収したフライトレコーダーなどの分析を通じ、慎重に原因を調べるとしている。
韓国政府は、大統領の権限代行になったばかりの崔相穆(チェサンモク)経済副首相兼企画財政相が現地入りするなど、総力を挙げて原因究明や遺族らへの対応にもあたるという。
済州航空は05年設立の韓国の格安航空会社(LCC)で、成田、大阪(関西)、福岡など日本の10以上の都市と韓国を結ぶ便を運航している。23年は日韓路線で357万人が利用した。聯合ニュースによると、務安とバンコクを結ぶ定期便は今月初旬に就航したばかりだという。
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら