輪軸不正、なぜ起きたのか 効率・コストの呪縛 安全性に問題は

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増山祐史 細沢礼輝
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 鉄道車両の車輪に車軸をはめ込む「輪軸」の組み立て作業をめぐり、基準値を超える圧力をかけたり、データを改ざんしたりしていた問題が各鉄道事業者で相次いで発覚した。車輪は鉄道の根幹にもかかわらず、不正はなぜ起きたのか。安全に問題はないのか。

 「鉄道輸送の安全確保の仕組みを根底から覆す行為だ」

 9月30日、国土交通省の一室。JRや京王電鉄など218事業者の担当者が集まる場で、斉藤鉄夫国交相は安全意識の徹底を訴えた。

 輪軸は、車輪の穴に車軸を通して組み立てた装置。車軸の太さは車輪のはめ込み口の内径よりわずかに大きく、機械を使って強い圧力をかけてはめ合わせる。

 強すぎれば軸に傷がついて欠損の要因になりかねず、弱すぎてもはまり具合がゆるくなり、脱輪の恐れがある。日本産業規格(JIS)が定める圧力の最大・最小値を参考に、各社が基準値を設けている。

■5事業者でデータ改ざん、次…

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この記事を書いた人
増山祐史
東京社会部|国土交通省担当
専門・関心分野
運輸行政、事件事故、独占禁止法、スポーツ
細沢礼輝
東京社会部|鉄道担当
専門・関心分野
鉄道を中心とした運輸部門