パレスチナ情勢 10月13日~15日(日本時間)にあったこと
イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスの軍事衝突で、イスラエル軍は14日、ガザ住民の地区南部への退避ルートを示し、同日午前10時~午後4時(日本時間午後4時~10時)に開放しました。激しい空爆が続き、ライフラインが寸断された中での避難は困難を極め、人道危機の深刻化は避けられない状況です。イスラエル軍は、ハマスに拘束された人質の情報収集のため地区内で作戦を行ったとも発表。いずれも、大規模な地上侵攻へ向けた動きとみられています。
イスラエル軍は前日の13日に、ガザ北部の住民に24時間以内にガザ渓谷以南に退避するよう要求しています。対象は約110万人にのぼります。
(タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)
■■■10月15日(日本時間)■■■
22:10(ワシントン09:10)
イスラエル、ガザ地区南部への水供給を再開
サリバン米大統領補佐官は15日、ガザ地区南部への水の供給を再開したとイスラエル当局から連絡を受けたことを明らかにした。米CNNの番組で語った。サリバン氏はガザ地区の民間人について「水や薬、食料を入手できるようにすべきだ」と述べ、米国がそのために働きかけてきた、と説明した。
イスラエルはハマスによる大規模攻撃後、ガザ地区への電力や水の供給を停止した。人道状況の悪化が懸念されている。
21:00(カイロ15:00)
ブリンケン米国務長官、16日にイスラエル再訪へ
米国務省のミラー報道官は15日、中東諸国を訪れているブリンケン国務長官が16日にイスラエルを再訪すると明らかにした。ロイター通信が報じた。
ブリンケン氏は12日にイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と会談。その後、ヨルダン、カタール、バーレーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、エジプトと、立て続けに周辺のアラブ諸国を訪れている。
05:35(ダマスカス23:35)
「イスラエル軍が空港を爆撃」とシリアの国営通信
内戦が続くシリアの国営通信は15日、北部アレッポの空港が14日夜にイスラエル軍による爆撃を受け、閉鎖されたと伝えた。シリア側によると、12日にもイスラエルによる攻撃があったばかりだ。
今回の空爆が、イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとの軍事衝突に直接関連しているかは不明。一方で、イスラエル側としては、激しく対立するイランなど地域を巻き込んだ軍事衝突に発展する可能性に備え、敵対勢力の能力をできるだけそいでおく必要がある。
イスラエルはこれまでも、イランがシリアで支援する勢力への補給路を断つため、空港や軍事拠点などを空爆してきた。
14:09(ガザ08:09)
ガザ地区の死者数が2329人に
パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスによる大規模攻撃を受け、イスラエル側が実施したガザ地区への攻撃による死者数が、2329人になった。ガザ地区の保健省が15日に発表し、ロイター通信が報じた。前日の発表から114人増えた。ガザ地区の負傷者数は9714人に上るという。
02:35(北京01:35)
中国外相「イスラエルの行為は自衛の範囲を超えている」
中国の王毅(ワンイー)共産党政治局員兼外相は14日、サウジアラビアのファイサル外相と電話協議し、「イスラエルの行為は自衛の範囲を超えている」と述べた。
中国はイスラエルとパレスチナ双方への配慮を示し、「あらゆる暴力と市民への攻撃を非難する」と表明してきたが、王氏は協議で「国際社会と国連事務総長の訴えに耳を傾け、ガザの人々に対する集団懲罰をやめるべきだ」とイスラエル側に自制を促した。また、「当事者は出来るだけ早く交渉のテーブルにつくべきだ」と指摘した上で、「中国は、サウジをはじめとするアラブ諸国と協力し、パレスチナ問題を2国家解決の正しい軌道に戻し、包括的、公正かつ永続的な方法で解決できるよう推進する」と強調した。
これに対し、ファイサル外相は「中国は世界の平和と安定を促進する上で重要かつ基本的な役割を果たしている」と述べた。中国政府の中東問題特使は14日、中国国営中央テレビのインタビューに応じ、近く中東の関係国を訪問すると明らかにした。
08:43(ガザ02:43)
ガザ地区で300人死亡、大半が子供と女性
ガザ地区の保健省によると、14日にパレスチナ人300人が死亡し、そのほとんどが子供と女性だったという。800人が負傷した。ロイター通信が伝えた。
08:34(ドーハ02:34)
ハマス最高幹部、イラン外相と会談 協力継続で合意
ハマスの最高幹部の1人であるイスマイル・ハニヤ氏が14日、カタール・ドーハでイランのアブドラヒアン外相と会談し、目標達成のために「協力を継続する」ことで合意した。ハマスが声明で発表し、ロイター通信が伝えた。
08:11(ワシントン14日19:11)
米空母、イスラエル付近に派遣
オースティン米国防長官は14日の声明で、米海軍の空母ドワイト・D・アイゼンハワーを筆頭とする空母打撃群に、イスラエルに近い東地中海への移動を始めるよう指示した、と明らかにした。
親イラン勢力がイスラエルへの攻撃に加わり、紛争を拡大させることを抑止するのが目的。米空母の派遣は、すでに東地中海に到着している原子力空母ジェラルド・R・フォードに続き2隻目となる。
05:30(ワシントン14日16:30)
バイデン大統領がネタニヤフ首相、アッバス議長と電話
米ホワイトハウスは14日、バイデン大統領がイスラエルのネタニヤフ首相と同日午後に電話で協議し、改めてイスラエルへの揺るぎない支持を伝えたと発表した。7日にハマスがイスラエル攻撃を始めて以降、5回目の電話協議となる。
発表によると、両首脳はガザの人々が水や食料、医療を確保できるよう、米国が国連やイスラエル、エジプト、ヨルダンなど地域の国々と調整していることについて協議した。バイデン氏は、民間人を保護するためのあらゆる努力を支持すると主張したという。
ホワイトハウスによると、バイデン氏はパレスチナ自治政府のアッバス議長とも14日午後に電話協議した。アッバス氏は、ガザなどでパレスチナ人に緊急の人道支援を届けるための自身の取り組みを説明し、バイデン氏は全面的な支援を申し出たという。
また、米国防総省もホワイトハウスとほぼ同時に、オースティン国防長官がイスラエルのガラント国防相と電話協議したことを発表した。両者は13日にイスラエルで会談したばかりだが、この日も人道危機への対処や、イスラエルへの防空能力や兵器の提供について話し合ったという。
04:00(ブリュッセル14日21:00)
EUが17日に緊急の首脳会談開催へ
欧州連合(EU)のミシェル…
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- 【視点】
ガザ自治区の面積は静岡県伊豆市とほぼ同じ。そこに200万人ものパレスチナ人が詰め込まれている状態だ。避難を呼びかけても、南へ逃げた場合、そこにも食料も飲み水も電気もなく、避難生活がままならないはず。 イスラエルの当局のいう通り「全ての民
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イスラエル・パレスチナ問題
パレスチナとイスラエルの間で激しい武力衝突が起き、双方に多大な犠牲者が出ています。最新の動きをお届けします。[もっと見る]