私大定員割れ、深刻なのは「地方×小規模」 国の政策に疑問の声も
私立大学の半数超で、今春の入学者数が「定員割れ」している――。日本私立学校振興・共済事業団が8月、そんな発表をした。特に状況が厳しいのは地方の小規模大。各大学は、状況を打開しようともがく。専門家は、地方私大の危機は、地域の衰退につながりかねないと指摘する。
小規模×地方が最も100%に遠く
事業団の調査によると、回答した600大学のうち、53・3%にあたる320校が、今春の入学者数が入学定員を下回ったと回答した。事業団は、定員割れの大学数について、規模別や地域別では公表していない。
規模や地域ごとで分けた定員充足率(入学定員に対する今年度の入学者数の割合)でみると、規模別でみた場合、小規模大(学部4年生まで合わせた収容定員が4千人未満)の定員充足率は92・62%だった。収容定員が8千人未満の中規模大(101・98%)や8千人以上の大規模大(103・59%)と比べて低かった。
小規模大に「地方」の要素が加わると、さらに数字は悪化する。埼玉・千葉・東京・神奈川、愛知、京都・大阪・兵庫の各都府県を三大都市圏とし、それ以外の地域の大学を「その他の地域」として定員充足率を見た。
定員割れをしている大学が、「退場」すればいいだけの話なのでしょうか。後半では、「個々の大学だけの努力では難しい」と苦悩する、地方の小規模大学の状況にも触れています。
定員充足率が100%を下回…
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- 【視点】
山形県の私立美術大学に勤める身としては、末恐ろしい話ですが、身近に実感しています。幸い、まだ定員割れは起こしていませんが、そもそも地方の18歳人口が減りつつあるなかで、定員をキープするのは、実質の割合としては「増加」していないとキープできま
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