第2回ロシア依存の原発で電気代安く 「東方開放」ハンガリー、狙いと課題

有料記事ロシア原子力ビジネス 断ち切れぬ欧州のジレンマ

ハンガリー南部パクシュ=寺西和男 パリ=宋光祐
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 中欧ハンガリーの首都ブダペストから車で南に約1時間。ドナウ川沿いにある人口約2万人の町、パクシュには、国内で唯一の原発がある。

 7月下旬、パクシュ原発を訪れた。関連企業を含め約5千人が働く原発は2022年、ハンガリーの総発電量の47%にあたる電力を供給したという。電力供給での原発依存度は高い。

 4基の原発はすべてロシア型原子炉で、いずれも1980年代に運転を始めた。原子炉を含む主要部分は旧ソ連製で、経済相互援助会議(コメコン)の国際分業体制のもとでつくられた旧共産圏の製品も多く使われているという。燃料も運転開始当初から旧ソ連製で、今もロシア国営企業で、原子力ビジネスを一手に担うロスアトムグループからすべて購入する。

 ハンガリーを含む中東欧諸国のロシア依存は冷戦時代の歴史的なつながりなどもあって、今も色濃く残っている。ブルガリアやスロバキアなど旧共産圏の中東欧諸国には同様にロシア型原子炉が多い。

 なかでも、ハンガリーには特別な事情がある。

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この記事を書いた人
寺西和男
ベルリン支局長
専門・関心分野
欧州の政治経済、金融、格差、ポピュリズム
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    マライ・メントライン
    (よろず物書き業・翻訳家)
    2023年9月24日8時0分 投稿
    【視点】

    やはり問題の根源のひとつは、「西欧に対する東欧の駆け引き」なのだなと再認識させられる。 自らを「ロシアの人質」的なポジションに近づけることで西欧に圧力をかける戦略には実利的な旨みがあったりもするのだが、いっぽう、高度な制御システムの導入を西

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    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2023年9月24日9時39分 投稿
    【視点】

    中東欧諸国は、社会主義時代のコメコンの名残で、エネルギーの対ロシア依存度が高い。ただ、ポーランドのようにその依存から脱却しようとする国もあれば、今回の記事に見るハンガリーのようにロシアとの関係を積極的に拡大しようとする国もあった。 昨年1

    …続きを読む
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