いま思えば、息子(10)の異変は小学校に入ってしばらくしたころには始まっていた。
宿題にはほとんど手をつけず、真っ白なプリントがどんどんたまっていく。
「でもまだ1年生。しょうがない」
結婚から10年以上たってようやく授かった我が子。東京都内に暮らす父(55)と母(51)は、それほど気にしていなかった。
赤ちゃんのころ、息子は本当に手がかからない子だった。夜泣きもひどくなく、じっと機嫌良くしてくれている。
ただ大きくなるにつれ、「ほかの子より成長がゆっくりなのかな」と思うことはあった。
こども園の年長の時、同い年の女の子が「お父さんに手紙を書いたよ」と話しているのを聞いた。
息子はまだ、読み書きもできないのに。母は「女の子って、そんなに書き始めるのが早いんだ」と驚いた。
お昼寝の前の着替えを嫌がるなど、集団行動が苦手なところもあった。
「公立小学校ではつらい思いをするかもしれない」と考え、独自の教育法で知られる私立小学校を受験し、合格した。
学校までは、徒歩とバスで片道1時間近くかかる。息子は楽しそうに通っていたが、毎日疲れた様子だった。
だから宿題がたまっても、「通っているだけえらい」と思っていた。
学期ごとに渡される通知表は、「できている」がA、「できていない」がBの2段階で評価される。ひらがなの小テストの結果が悪いこともあり、国語はBの項目が多かった。
でも算数やほかの科目ではAも並んでいる。
「成長すれば、書けるようになるはず」
母は自分にそう言い聞かせた。
ところが3学期に入ってまもない2019年1月、担任から電話がかかってきた。
校長室で告げられた事実にショック
「ひらがなについて相談した…
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- 【視点】
俳優のトム・クルーズやオーランド・ブルームもディスレクシアだと公表しています。 学習障害については、私は詳しくありません。支援のあり方についてはいろいろな考え方があるようですが、それらを評価する術をもっていません。 だから素人考えである
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