コンビニに苦情電話、その最中に…「あかんで!」店員は説得を続けた

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山本逸生
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 コンビニへの苦情電話は、店が還付金詐欺事件の舞台となる前兆かもしれない。そんな助言を得たパート店員の女性が店内のATMで金を振り込もうとする高齢夫婦に気づき被害を防いだとして、大阪府警茨木署から感謝状が贈られた。

 府警によると、店員を煩わせる電話の間にATMを操作させようとする手口が相次いでいるという。

 4月1日の正午前。昼食を買い求める客らで混雑する「ファミリーマート茨木鮎川五丁目店」(茨木市鮎川5丁目)の電話が鳴った。

 店員の長戸愛咲(あさき)さん(26)が電話に出ると、「パンの袋に穴が開いて、虫が入っている」と男性の声。「息子がおなかを壊して、妻が警察に通報した」「いつの便で入ってきたパンなのかを調べてほしい」などと訴えた。

 長戸さんは「責任者からかけ直す」と何度も連絡先を尋ねたが、男性は「こちらからまたかける」と拒み続ける。さらに「商品をエコバッグに入れる時は、店員と自分のどちらが商品を入れるのが正しいのか」「シフトは1人の時もあるのか」と話が脱線し、終わらない。20分ほどが経過してようやく電話を切り、オーナーに報告した。

「苦情電話は詐欺の前兆」まさに…

 オーナーもファミリーマート…

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この記事を書いた人
山本逸生
大阪社会部|裁判担当
専門・関心分野
司法、福祉、労働
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    市田隆
    (朝日新聞記者=調査報道、経済犯罪)
    2022年4月25日17時44分 投稿
    【視点】

    コンビニの店員が苦情電話の対応をしている隙を狙い、被害者に店内のATMを操作させる還付金詐欺の手口が大阪府内で相次いでいるという。特殊詐欺の被害防止の呼びかけに対抗する詐欺グループの手口が巧妙化していることの一例だ。 特殊詐欺の電話は身近

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