「道成寺」の安珍清姫伝説、イラストで現代風に 京都・妙満寺で展示
「道成寺物」で知られる安珍(あんちん)清姫(きよひめ)伝説にゆかりがある妙満寺(京都市左京区)で27日、デジタルイラストを展示する「光る美少女展 京都 ~安珍・清姫伝説編~」(「LiverCity Inc.」主催)が始まった。入場無料。28日まで。
伝説で、清姫は恋した修行僧・安珍に裏切られ、大蛇になって追いかける。道成寺の鐘に隠れた安珍を鐘ごと焼き殺し、自身も川に身を投じたとされる。10世紀の逸話と伝えられ、能などで「道成寺物」として有名だ。
同展では、6人の人気イラストレーターが、伝説の主要シーンごとに現代風の清姫を描いた。1389年開創の寺の大書院には、清姫などのふすま絵や複製原画など約40点が展示され、来場者らは「しずくの表現がきれい」「描く人によって雰囲気が違う」などと感動していた。日没後には枯山水の「雪の庭」で、ライトパネルで清姫のイラストを浮かび上がらせる空間展示も行われた。
同社は美少女キャラクター「絵守未來(えもりみく)」を開発し、イラストのグッズ販売やイベント開催などをしてきた。「オタクのものというイメージがあるが、オープンにしたい」と考え、妙満寺に企画を持ちかけたという。
清姫を「元祖・ストーカー」と呼ぶ、寺の広報担当・湯原正純さんは「歌舞伎や能はハードルが高いが、イラストをきっかけに清姫さんの話を知ってほしい」と期待する。
イラストレーターの一人、藤ちょこさんのファンで、京都市在住の山田あかねさん(24)は「釣り鐘に虹色が入り、色鮮やかできれい」。大阪府から訪れた男子高校生(16)は「寺に伝わる逸話と新しいイラストを合わせた斬新な企画で面白かった」と話した。
ところで、道成寺は実は、和歌山県日高川町に実在する。しかし、伝説にゆかりのある鐘は同寺ではなく、京都の妙満寺にある。同寺によると、それは「安珍清姫」のこんな後日談があるためだ。
安珍と清姫が悲劇の恋愛で鐘を燃やしてから約430年後、1359年に道成寺に新しい鐘が完成した。地元領主の逸見万寿丸が寄進した。
その祝いの席に白拍子(しら…
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