寄稿 谷口将紀・東大教授(現代日本政治論)
衆院選挙制度の並立制には、穏健な多党化を前提としたソフトな二大政党制または二大政党ブロック制をもたらすことが見込まれていた。今回多くの選挙区で立憲民主党や共産党などが候補者を一本化したことは、それなりに合理的な動きと言える。
しかし、野党共闘は不首尾に終わった。背景には西欧に見られた中道左派対中道右派の二大政党ブロックからの逸脱を指摘できる。
第一に、自民党の外交・社会…
衆院選挙制度の並立制には、穏健な多党化を前提としたソフトな二大政党制または二大政党ブロック制をもたらすことが見込まれていた。今回多くの選挙区で立憲民主党や共産党などが候補者を一本化したことは、それなりに合理的な動きと言える。
しかし、野党共闘は不首尾に終わった。背景には西欧に見られた中道左派対中道右派の二大政党ブロックからの逸脱を指摘できる。
第一に、自民党の外交・社会…