「ジャップ」聞き流せますか 「朝鮮」に込められる差別

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大阪スポーツ部・河野光汰
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取材考記 大阪スポーツ部・河野光汰記者

 日本人に対する蔑称「JAP(ジャップ)」は元々、「JAPANESE(ジャパニーズ)」の略語だった。

 東京造形大の前田朗教授(国際刑法)によると、差別的なニュアンスを帯び始めたのは、日系移民が増えた第1次世界大戦直後にさかのぼる。米国で日系人排斥の動きが高まったのが原因で、前田教授は「歴史とともに意味が変わった。使い手のモラルが問われる言葉だ」と指摘する。

 そのモラルが問われる騒動があった。兵庫県サッカー協会の事務局長だった男性が酒席で、在日コリアンのサッカー関係者を「朝鮮、かかってこいや」などと挑発。協会の臨時総会でも「拉致国家、反日国家である朝鮮が嫌いであるという個人的なこと」と発言し、差別的な言動を“正当化”しようとした。

 朝日新聞がこの問題を報じた記事はニュースサイトに転載され、「朝鮮は国名。何が差別なのか」「フランス人に『フランスかかってこい』と言ったら差別か」といった反応が相次いだ。言うまでもなく、朝鮮は朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)を指す言葉だ。

 だが「朝鮮」「朝鮮人」とい…

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この記事を書いた人
河野光汰
国際報道部
専門・関心分野
事件、国際情勢、スポーツ