小田急線刺傷事件に関して「あなたの幸せな瞬間の写真を投稿して抗議しませんか?」と呼びかけているツイフェミの人がいるのだが、加害者と似たような境遇の人々の感情を逆撫ですることになるのが分かっていないようだ。幸せを隠して生きろとは言わないが、抗議ではなく挑発になってしまうことは認識して欲しい。
加害者が「幸せそうな女性を見ていると殺したいと思うようになった。」のは、他者の幸せが不快なのだから間違いなく嫉妬。報道されている加害者の自供には「勝ち組の女に見えた」からまず刺したとか、「幸せそうなカップルが歩いている場所」を爆破したかったと言うものもあるが、自分よりも幸福な人々を狙っている。「女性から見下された」というのも、加害者が他より劣る存在であると指摘されたことを恨んでいるわけで、自分が劣った人間であることを平然と受け入れられていないことを示す。
嫉妬は不道徳とされるものの生得的にどうしても抱いてしまうためか、古来からその存在を知られているわけで、小田急線刺傷事件の加害者だけが抱く感情ではない。ざっと見た限りでは、さすがに顔出しでこのツイフェミに追随している女性はいなさそうであったが、真に受けたら標的にされかねない。嫉妬心を非難しても、嫉妬を抱く人々が自己コントロールできるとは限らないと言うか、自暴自棄になると嫉妬から凶行に走る人がたまに出てくる。2014年のアイラビスタ銃乱射事件も、インセル(incel)*1を自認する犯人は、リア充に見えた男女6人を殺している(負傷者は14名)。
自分の幸せを誰構わず見せつけて回るのは、道徳的ではない蓋然性が高い。幸福な人生を望んでいるが得られない人々に「あなたは不幸でも、私は幸福です!」と言って回るのは、まだ言葉の無い社会的落伍者への抑圧、解釈学的不正義(hermeneutical injustice)*2になりえる。「婚テロ」と言う言葉もある*3のだが、生きる希望がまったく無い自暴自棄な人々の心は、もっと大きく揺り動かされている。本当に殺意を抱けるわけでして。
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