67%がHTMLよりFlashを支持-携帯のFLASHサイトへの意識調査
IMJモバイルは8月27日、「FLASHの携帯サイトに関する調査」の結果を公表した。
調査は2007年8月15~17日の間、週1回以上携帯サイトを閲覧し、FLASHの再生が可能な第三世代携帯端末を使っている、全国の15歳~59歳の男女を対象に実施。同じコンセプトの携帯サイトをHTML版とFLASH版の2種類を用意して、それぞれのサイトに携帯電話で実際にアクセスした後、アンケートに回答する形式で、824件の有効回答が得られた。
調査の結果、HTML版について、62%が「見やすい」と回答しトップだった。次いで「サイトの内容がわかりやすい」(61%)、「操作しやすい」(57%)とと続き、操作性に関して全体的にポジティブなイメージであるとわかった。また、デザインに関して、「見やすい」(74%)が最も高く、次いで「好感がもてる」(72%)、「サイトの内容がわかりやすい」(59%)と好印象な結果が得られた。
HTML版との比較では、アクセス性以外の項目で、「印象に残る」、「心地よい」、「洗練されている」など、FLASH版に対する評価は全体を通してポジティブな回答が多かった。さらに、HTML版と比べ、評価が高い項目は「印象に残る」(71%)以下、「洗練されている」、「先進性を感じる」、「好感が持てる」といった回答が目立ち、「情報を見つけやすい」、「スムーズ・スピーディ」以外のすべての項目において、FLASH版への好意的な評価が示された。
また、67%がHTML版よりFLASH版を支持。69%はFLASHサイトのようなリッチな携帯サイトが今後増えることに好意的な姿勢を示した。
一方、FLASHサイトに対する不満では、「パケット代」、「サイトが重くなること」などの回答が寄せられた。
IMJモバイル
http://www.imjmobile.co.jp/
コメント
調査に使ったサイトの構成は同じだったのか?
IMJモバイルが公開している調査結果のPDFファイルを見ました。
調査に使ったHTMLとFlashのサイトのイメージ画像が掲載されていますが、調査報告の言う「同じコンセプト」の携帯サイトが、必ずしも「同じ構成」ではないのではないかと疑問に感じました。HTML版とFlash版とで、機能的に不可能なもの以外、デザインと構成は統一されていたのでしょうか。形式の違い以前で、利用者の印象が左右されるリスクはどこまで排除されていたのでしょうか。
記事中に、
HTML版と比べ、評価が高い項目は「印象に残る」(71%)以下、「洗練されている」、「先進性を感じる」、「好感が持てる」といった回答が目立ち、「情報を見つけやすい」、「スムーズ・スピーディ」以外のすべての項目において、FLASH版への好意的な評価が示された。
とありますが、制作者の作為/不作為に関わらず、Flash版が「そう感じるように作られてしまった」可能性はないのでしょうか。あまりにも片方に有利すぎる結果はどうしても疑わしくなるだけに、気になります。
調査に使ったサイトの内容がもっと詳しく分かれば良かったのですが。
それぞれの特性に合わせて?
編集部の安田です。
> 調査報告の言う「同じコンセプト」の携帯サイトが、必ずしも「同じ構成」
> ではないのではないかと疑問に感じました。HTML版とFlash版とで、
> 機能的に不可能なもの以外、デザインと構成は統一されていたので
> しょうか。形式の違い以前で、利用者の印象が左右されるリスクは
> どこまで排除されていたのでしょうか。
現在、編集部からIMJモバイルさまにご質問に関することを問い合わせております。
ご担当の方にコメントとして返信いただくか、回答をいただいて私からご報告するかいたしますが、おそらくHTMLとFlashそれぞれの特性に合わせてデザインされていて、HTMLのほうは「一般的なHTMLのサイト」、Flashのほうは「Flashで実現できることを生かしたサイト」となっているのではないかと思われます。それによって利用者の印象は左右されることが前提なのではないかと。
HTMLとFlashでまったく同じものを作っても、それはインターフェイスのレンダリングなどが変わるだけなので、HTMLとFlashの違いを調査することにはならないのではないかと。
いずれにせよ、IMJモバイルさまからのお返事をお待ちくださいませ。
リサーチ用サイト作成のコンセプトについて...
リリース調査を担当しました、IMJモバイルの森と申します。
まずは、ご意見ありがとうございます。
インプレスの安田様より是非に解説をとの事でございましたので、コメントさせて頂きます。
◆調査上の意図・目的
今回の調査では、携帯におけるFLASHのインターフェースがどの程度、一般ユーザー様に
受入れられているのか?(もしくは、うけいれられるのか?)をリサーチによって現時点での
傾向として把握することを目的と致しました。
◆HTMLサイトとFLASHサイト作成におけるコンセプトと注意点。
上記、ご説明の通りFLASHのインフターフェイスやそれじたいの表現性について、HTML
サイトと比較をすることを目的としておりましたので、次の点に注意してサイト作成を致し
ました。
①閲覧可能な情報の内容・量を同じにすること。
②HTMLサイトの構成は、極力一般的なものにすること。
③デザイン性をHTMLとFLASHサイトにおいて統一すること。
※同じデザイナーにより、同一コンセプトによって制作するよう指示しております。
◆私が認識する調査上の課題
コンセプトやデザイナーを同じにしようとしても、やはり別の作品ができてしまう事が
課題ではあると感じております。(どうしても、定性的な感性におけるクリエイティブの
統一が限度ですので、定量的にかっちりと同じ環境を用意することができないのが
実情です)
◆調査において発見できたこと、仮説。
私としては、FLASHは『重い』『操作が慣れない』を理由に、HTMLによりポジティブな
結果がでるのではないか?と考えておりました。
しかしながら、『印象』『イメージの良さ』などにおいてFLASHが勝る結果となりました。
そして、私の仮説通りですが『操作性』『サイトの重さ』に関係する項目の評価は、HTML
に軍配が上がるようです。補足すると、自由コメントでFLASHはデザイナーのエゴといった
コメントも寄せられておりました。そういう意見もあるのだなあと、制作会社側に属する者
としては、反省をする機会も得られたと思っています。
とはいえ、ユーザー様のニーズや期待に『新しさ』『新鮮さ』などを取り入れて、さらにUIに
優れたクリエイティブに挑戦することが大切だと考える次第です。
補足情報ありがとうございます
編集部の安田です。
森さま、お忙しいところ補足情報の投稿ありがとうございます。
元コメントの方の感じられていた疑問は解決されましたでしょうか?
気になる点などありましたら、せっかくですので、ぜひ。