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岩槻「まちかど雛めぐり」!フォールディングバイクでポタリング!八雲神社本殿彫刻の巻

岩槻(いわつき)「まちかど雛めぐり」本編
今回は、雛めぐり期間中特別に公開されている八雲神社本殿の紹介
作者は不明ですが、保存状態もよく素晴らしい彫刻を楽しめます。
本殿前には「力石」や「獅山」と呼ばれる江戸流の狛犬もある。


注意:「雛めぐり」ですが、記事に肝心の雛人形はほとんど出てきません!

さいたま市岩槻(いわつき)
「まちかど雛めぐり・ポタリング」 本編 その2
八雲神社本殿彫刻ほか
守神の「四神」もご披露だぁ


※ポタリングとは自転車でブラブラ散策することです(^_-)-☆


撮影:2022年3月6日(日) 
Canon EOS6D & PowerShot G7X



1 八雲神社の本殿は、普段は完全に壁に囲まれた屋内のような造りになっていて内部を見ることができません。
(写真34参照)本殿正面向かって右側の彫刻の様子です。

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※八雲神社の由来
 室町時代(1560)頃、当地に市を開設し守護神として鎮座し、素戔嗚尊【スサノオノミコト】が祀られています。
 商いの神・火防の神として霊験あらたかです。市場は永禄三年(1560)に開設、市神として毎月一日と六日に開かれ六斉市と称され【いち】が開かれました。当時は近隣からの買い物客で大賑わいの宿場町として栄える。
 江戸時代には牛頭天王社と称され、明治時代には、八雲神社と改称・天王様とか市神様として親しまれています。
現在の社殿は明治17年(1884)に落成、市宿通りの中央に鎮座してあったものを現在地に移築しました。(「八雲神社=氏子中」パンフレットより)


2 
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4 向拝の柱にも地紋・綾型彫刻があるとパンフレットにも書いてあります。

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5 向拝下の龍の彫刻。

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6 向拝柱前に置かれた狛犬の木彫です。

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8 懸魚(げぎょ)。破風に取り付けられていたものを外して展示しているのかと思います。

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※懸魚は、破風(はふ)に付ける部材でムナギやケタ等小口の風化から守る役割をもつものですが、棟だけでなく唐破風のような所に付けたと思われる。こうした懸魚は、江戸時代後期に具象的な、意匠として用いられた。(現地解説板より)

9 胴羽目彫刻正面向かって右側:竜・八岐大蛇(ヤマタノオロチ) 

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※出雲神話の代表の、八岐大蛇の伝説の三場面、透かし彫りで、八岐大蛇を表現した彫刻、本来は、下方に酒壺に八つの大蛇の頭が酒に酔う話ですが、それを竜で表現した躍動的な迫力のある作品です。
 目と口には彩色されている。この場面は、霞が表現されている。その後、酒に酔った大蛇は背面の彫刻のスサノウノミコトが退治する。(八雲神社氏子中解説板)


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11 八雲神社本殿の向かって後ろ側(裏面)の様子。

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12 背面「胴羽目」彫刻=素戔嗚尊(スサノオノミコト)

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※剣で大蛇(竜)を退治に挑む、素戔嗚尊の姿。酒壺が見える、波は斐伊川を表している。岩に足を掛けてた物凄い形相を表している。
 ミコトの髪も木の枝も左右になびく・酒壺も見える・雲も彫まれ八雲の始り民家の娘を助けるため、大蛇を生贄とするため娘に酒壺を用意させ、大蛇を酩酊させ退治を考え、娘の櫛に簪(かんざし)にして頭に差して大蛇の出現を待つ勇壮な彫刻です。(八雲神社氏子中解説板)
※※八岐大蛇の彫刻には、竜の下に(酒を溢れんばかりに満たした)「酒壺」らしいものがいくつか彫られています。素戔嗚尊の彫刻には、木の下に空になったような「酒壺」を見つけました!神話では、頭の数だけ用意させたことになっています。探してしまった(-_-;) 解説文では少し分かり難いのですが、八岐大蛇から櫛名田姫を守るために、素戔嗚尊は姫を櫛(彫刻では簪にみえる、「牛」??)に変えて自分の髪に挿しています。(torikera)

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14 左面「胴羽目」彫刻=櫛名田姫命(クシナダヒメノミコト)

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※彫刻は、櫛名田姫命が川縁の岩の上でマコモの茣座(ござ)に座り経巻を読む姿である。
 悪天候で、髪も経巻も激しくなびき波の逆巻く躍動的な迫力のある彫刻。雲/雨/風の表現に、穏やかな空である。ストーリーは大蛇を退治して、その背から天叢雲剣に草薙剣を取り出し、簪(かんざし)の櫛を娘の姿に戻し、櫛名田姫命(奇稲田姫命)と結婚。(八雲神社氏子中解説板)

※※解説板やパンフには「経券」とありますが、「経巻(きょうかん・きょうがん・けいかん)」の誤植と思い直しています。「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ、あまのむらぐものつるぎ等)」は、大蛇の尾の辺りから出てきた大刀で、その後「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」と名を変え「三種の神器」の一つとなります。(torikera)

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16 正面向かって右側の「脇障子・わきしょうじ」。松に鷹。

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17 同脇障子背面。
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18 同左側「脇障子」。こちらも「松に鷹」

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19 同脇障子背面。

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20 縁の下の「組物」!!

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21 縁の下の彫刻。

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23 本殿正面には「市神社」の「篇額・へんがく」。

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24 普段は正面の扉が閉まっているようです。ただし、特別公開時以外はご覧の通り、お願いすれば拝観させてもらえることが分かりました。今回は「まちかど雛めぐり」に合わせての公開で、氏子・地元町内の皆さんが交代で展示受付をしてくれていました。大変フレンドリーに歓迎していただき、長時間にわたり参拝・(至近距離からの)鑑賞・撮影ができました。こんな経験初めてです!ありがとうございました。

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25 岩槻の「まちかど雛めぐり」に合わせて、地元の皆さんの作った木目込み人形などの展示のほか、八雲神社の守神である「四神」も公開されていました。

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※古代中国の想像神話から由来する神話でこの世の動物の長生の四獣。奈良県春日村のキトラ古墳の石室から壁面が発見されています。(八雲神社氏子中パンフレットより)

26 「南 朱雀」

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27 「西 白虎」

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28 「北 玄武」 

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29 「東 青龍」

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30 「まちかど雛めぐり」のお雛様

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31 「八雲神社」正面

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32 「四宿通り」解説板

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33 「八雲神社」現地解説板

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34 「八雲神社本殿」外観

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35 八雲神社「手水鉢」

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※亨保11年(1726)約300年前に八雲神社に奉納された手水場と思われます。「市宿町施主萩原」が刻んであります。(八雲神社 氏子中 現地解説板)

36 八雲神社内境内社

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37 八雲神社神輿

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38 本殿前に置かれた「力石」

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39 「力石」
「奉納力石四拾五貫目 文政十丁□年 六月吉日 □□治郎助」(1827年) 
解説は、「さいたま市の力石」髙島愼助・酒井正著 岩田書院刊 より引用

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40 同解説掲示

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41 本殿前左側の手水鉢

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42 本殿前の狛犬(右)残念ながら顔が欠けてしまっていました。

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43 同左側。狛犬大好き、円丈師匠の「狛犬カタログ関東江戸編」サイトによると、溶岩で山を築くタイプは「獅山」と呼ばれるらしい?あくまでも江戸流なんだそうだ。

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44 毛の表現などもなかなか細かく彫られている!

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※人形の町 岩槻 まちかど雛めぐり オフィシャルサイト


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コメント

Re: No title

大原かずのりさん!こんばんは!

おっしゃる通り、この彫刻は、実に躍動感のある素敵な彫刻でした。

風や雲の動き、人物の髪や服、巻物が風にまうところなど圧巻ですね。驚きました。

この彫刻がきれいに保存されているのは、壁で覆って風雨を防いでいるからでしょう。

確かに、保存という点では、閉じ込めた方がよろしいでしょう。

隣の管理者に言えば見せてくれるというご近所関係が素敵です。

今日も県内の神社の本殿彫刻を観に行きましたが、脚立持参でした(笑)(;´Д`)

Re: コメントありがとうございます

ぶらっと遡上探索 さん!こんばんは!

八雲神社の本殿は、本当に目の前で見ることができました、超至近距離です(;´Д`)

おそらく、こんな体験は他ではできないことでしょうね。ありがたいです!

東圓寺は、見どころいっぱいで堪能しました。面白いところでは、不動堂に行く道筋の石像(弘法大使)の列が圧巻。

不動の滝とその上の石仏が素敵。稲荷社の鳥居の前にタヌキ親子の石像があったのが個人的にお気に入りです(笑)

また、素敵なところを教えて下さいね~!ありがとうございました(*^^*)

Re: 見事です

ytaka007さん!こんばんは!

木の彫刻というのは何というか独特の温かみがありますね。

加工しやすいというのはもちろん、風雨を防ぐことができればそれなりに保存もできます。

どこの町にもあちらこちらに神社や祠や石仏があって「神」や「仏」が祀られています。

八雲神社の彫刻や四神、神輿etc.地元の皆さんの愛情が注がれて大事にされていることが分かります。

(*^^*)

No title

こんばんは。

彫刻の立体感は言うに及ばず、動的な表現も素晴らしいですね!
髪の毛や髭までも動きが感じられます^^

しかし普段間近で見れないものがこうやって見れるのは素晴らしい。やはり拝観は貴重ですよね。
隠すことも重要かもしれませんが、直に見て体験することもまた重要だと思います。何せずっと受け継いできた文化ですから。
文化と信仰のバランスは難しいですが、お願いすれば公開するという姿勢は立派だと思いましたね。

コメントありがとうございます

今晩はトリケラさん、拍手コメントありがとうございます。
胴羽目彫刻の微細な仕上がり、凄いですね。此れが至近距離から見られるなんて超ラッキーでしたね。羨ましいですよ。

東圓寺に寄られたんですね、お気に召されて良かったです。自分が寄った時は未だ残暑の時季で、やぶ蚊に2箇所くらい噛まれましたよ(笑)。

見事です

今晩は、とりさん

本殿正面右側、立体感のある素晴らしい木彫です。

狛犬も見事な彫の深さで保存状態もいいですね。

懸魚やほかの多くの作 見事です。

木でなくてはこの立体感は出せなくいでしょう。

15も浮き上がっています。

日本人のならでは。

神社の存在の大きさと力を感じる八雲神社。

八雲は響きのいい語感を感じます。

やっと暖かさ、春を感じるようになりました。

Re: 四神

BUSYBEE-GAEI さん!こんにちは!

埼玉では岩槻と言えば「人形」で、町のあちらこちらに人形の製造・販売をする工房・店舗があります。

神社は、全国に8万社あるとか(小中高校が3.6万校)!ですから、どこに行っても目に入ります(;^ω^)

本殿などに手の込んだ彫刻を施すのは、地元氏子たちの心意気の表現でもあったでしょうし、奉納・参拝することによる現生のご利益も当然考えていたでしょうね。

いずれにしても、TVや映画館なども無い時代ですから、立体的に飛び出す3D映画のようにワクワクしながら当時の人々は鑑賞していたはずです。

四神も、このように造形されたもので見ると、絵と違った迫力がありますね。色々楽しめました(*^^*)

四神

岩槻は、言葉として「人形のまち」という認識で、実際には馴染みのない所でした。改めて日本は神様が多いなぁと思います。お詣りの際に見えない部分にも、精緻な彫刻が施してあるのですね。げ魚も立派。蛇退治は木で読む絵本のように躍動感があって、今にも飛び出てきそうです。キトラ古墳で確認されたという四神も、ここで拝むことが出来るのですね。

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