ジャズ初心者のための入門書”入門”③「JAZZ”名盤”入門!」
- 2008/12/29
- 23:36
書名「JAZZ”名盤”入門!」
著者:後藤雅洋・中山康樹・村井康司
宝島社新書
著者:後藤雅洋・中山康樹・村井康司
宝島社新書
紹介した版:
2006年3月30日第1刷発行
全413ページ
2006年3月30日第1刷発行
全413ページ
価格税抜933円
※インプレッション:
この本は、2003年8月に発行された、別冊宝島822号「JAZZ”名盤”入門」を改訂して、新書にしたものだそうです。
ジャズが誕生して、100年たったので、100人のアーティストの名盤で紹介しようというのが、この本のコンセプトらしい。で、100人を選んだのが上記の3人の評論家の皆さん。その上で、名盤を担当したアーティスト毎に選出しているそうだ。ただし歴史上重要な18人のアーティストは、5枚ずつ、他の82人は、3枚ずつ紹介。合計336枚の推薦盤が紹介されています。なかなかのヴォリュームですねえ。各盤のレビューは別に18人の助っ人が記述しています。
記事は、アルファベット順にAからZまで書かれています。内容は、まず、1ページほどミュージシャンの紹介があって、経歴や音楽的な特徴などが書いてあります。そして、推薦盤について、アルバムの特徴の解説、ジャケット写真、収録曲、参加ミュージシャン、録音、レーベルと必要な情報が全て掲載されています。
参考までに、例の?マイルス・デイビス「カインド・ブルー」で見てみますと・・・
「”モダン・ジャズ”が到達したひとつの頂点。ビル・エバンスの和音が清謐な雰囲気を醸し出し、ポール・チェンバースががっちりとボトムを支え、ジミー・コブが控えめに寄り添うようなビートを送り続ける上で、マイルスはヴィブラートをほとんどかけずに、間を生かしたクールな音の群を紡ぎだしてゆく。対照的にキャノンボールとコルトレーンは、たくさんの音を使い、縦横無尽に空間を駆けめぐるが、全体の雰囲気を壊すことはない。わかりやすくシンプルなテーマを素材にして、バンドは無限にひろがる広大な宇宙を引き出してみせる。・・・・」
といった調子ですね。
この他に、「後藤雅洋のジャズ・コーヒーブレイク」として、「ジャズ専門用語」解説や、ジャズレーベルのこと、スタンダードナンバーとは、ジャズヴォーカルとは、などというお得意のコラム記事を書いています。
また、3人の著者による「ジャズ熱愛鼎談」などという、対談も30ページ近く使用して載せています。
全体の感想ですが、なんといっても100人のミュージシャンが紹介されていますので、盛りだくさんな感じは否めません。そして、推薦盤は各ミュージシャンについて3から5枚ですので、さて、どのミュージシャンのどのアルバムを聴いたものか!とにかく336枚から選ばねばなりませんので、これはこれで、相当悩みどころですね。
コラムや対談も読み物としても面白いところではあります。ちょっとジャズが分かり始めた方には、大変興味深く各ページをみることができるのではないでしょうか。このアルバムも聴いてみたいし、今度はこっちのアーティストかなあと。とりわけ、各アルバムの紹介は、レイアウト的にも見やすく、解説文も適当な量で、比較的分かりやすく紹介されていて好感が持てます。
(★★★初心者必読書、★★初心者の参考になる書、★ジャズ経験者向けの書、☆危険!初心者は近づかない方が良い書)
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