fc2ブログ

記事一覧

ジャズ初心者のための入門書”入門”③「JAZZ”名盤”入門!」

「JAZZ”名盤”入門!」後藤雅洋・中山康樹・村井康司著・宝島社新書206




▲表紙・背・裏表紙



▲目次(一部)



▲本文(一部)

書名「JAZZ”名盤”入門!」
著者:後藤雅洋・中山康樹・村井康司
宝島社新書

紹介した版:
2006年3月30日第1刷発行
全413ページ

価格税抜933円

※インプレッション:

 この本は、2003年8月に発行された、別冊宝島822号「JAZZ”名盤”入門」を改訂して、新書にしたものだそうです。

 ジャズが誕生して、100年たったので、100人のアーティストの名盤で紹介しようというのが、この本のコンセプトらしい。で、100人を選んだのが上記の3人の評論家の皆さん。その上で、名盤を担当したアーティスト毎に選出しているそうだ。ただし歴史上重要な18人のアーティストは、5枚ずつ、他の82人は、3枚ずつ紹介。合計336枚の推薦盤が紹介されています。なかなかのヴォリュームですねえ。各盤のレビューは別に18人の助っ人が記述しています。

 記事は、アルファベット順にAからZまで書かれています。内容は、まず、1ページほどミュージシャンの紹介があって、経歴や音楽的な特徴などが書いてあります。そして、推薦盤について、アルバムの特徴の解説、ジャケット写真、収録曲、参加ミュージシャン、録音、レーベルと必要な情報が全て掲載されています。

 参考までに、例の?マイルス・デイビス「カインド・ブルー」で見てみますと・・・

 「”モダン・ジャズ”が到達したひとつの頂点。ビル・エバンスの和音が清謐な雰囲気を醸し出し、ポール・チェンバースががっちりとボトムを支え、ジミー・コブが控えめに寄り添うようなビートを送り続ける上で、マイルスはヴィブラートをほとんどかけずに、間を生かしたクールな音の群を紡ぎだしてゆく。対照的にキャノンボールとコルトレーンは、たくさんの音を使い、縦横無尽に空間を駆けめぐるが、全体の雰囲気を壊すことはない。わかりやすくシンプルなテーマを素材にして、バンドは無限にひろがる広大な宇宙を引き出してみせる。・・・・」

 といった調子ですね。

 この他に、「後藤雅洋のジャズ・コーヒーブレイク」として、「ジャズ専門用語」解説や、ジャズレーベルのこと、スタンダードナンバーとは、ジャズヴォーカルとは、などというお得意のコラム記事を書いています。

 また、3人の著者による「ジャズ熱愛鼎談」などという、対談も30ページ近く使用して載せています。

 全体の感想ですが、なんといっても100人のミュージシャンが紹介されていますので、盛りだくさんな感じは否めません。そして、推薦盤は各ミュージシャンについて3から5枚ですので、さて、どのミュージシャンのどのアルバムを聴いたものか!とにかく336枚から選ばねばなりませんので、これはこれで、相当悩みどころですね。

 コラムや対談も読み物としても面白いところではあります。ちょっとジャズが分かり始めた方には、大変興味深く各ページをみることができるのではないでしょうか。このアルバムも聴いてみたいし、今度はこっちのアーティストかなあと。とりわけ、各アルバムの紹介は、レイアウト的にも見やすく、解説文も適当な量で、比較的分かりやすく紹介されていて好感が持てます。



初心者のかゆいところに手が届く度数:★★☆(準特選)


(★★★初心者必読書、★★初心者の参考になる書、★ジャズ経験者向けの書、☆危険!初心者は近づかない方が良い書)

 



■サイト「とりけらの卵」では、ダイソーからリリースされている、ジャズやクラシックの音楽CDの詳細な紹介をしています。入門者のみなさんに役立つ情報いっぱいですので、ぜひご覧下さい!!

関連記事

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

torikera

Author:torikera
季節の野草や身近な自然の写真のご紹介、トレイルランやポタリング、マウンテンバイクの記事、掘り出しモンCDアルバムなど音楽の話題、美味しい日本酒や蕎麦について、最近は庚申塔・石仏・富士塚・力石など石や塚などにも興味津々!とりとめのない記事ばかりですがよろしくお願いします。

アクセスカウンター

カレンダー

12 | 2025/01 | 02
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

最新記事

カテゴリ

月別アーカイブ

検索フォーム