LINNプリアンプ KAIRNの修理 シーズン9 ーその3ー

こんばんは、Tomです。今日は久しぶりに晴れ間が出ました。かれこれ一週間振りですね。心晴れ晴れです。でも、今日のコロナ感染者は2万3224人と過去最多を記録しました。宮城県も271人と過去最多でした。
さて、今日の話題も昨日に引き続き『LINNプリアンプ KAIRNの修理 シーズン9』今日はその3です。
今日は昨日レポートした、操作パネルの基板の修理の後の動作確認を行い、その後、操作パネル基板を仕上げます。

1.動作確認・・・・・・あれ?
さて、昨日のレポートでは、腐食した基板をサンドペーパーで磨き、途切れたパターンにジャンパー線を飛ばし、壊れた部品を交換するという一連の作業を行いました。

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1)接続して電源ON!
さあ、いよいよ動作確認です。

操作パネルを本体に接続し、電源ON!
電源LEDは点灯する様になりました。

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あれ? 7セグのLED表示は動作しません。これは大変です。

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2)メイン基板の電源確認
オシロスコープでメイン基板の+5V、±15V の電源を確認します。メイン基板の電源は問題なしです。

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3)ロジックICの電源を確認する
次に操作パネルのロジックICの+5Vの電源を確認します。すると、電源電圧の5Vが掛かっていません。

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これが問題ですね。

2.ロジックICの電源の修復
このロジックICは、なぜか直接5Vが供給されているわけではなく、NPNトランジスタのスイッチングトランジスタがONになり5Vが供給されているのです。そのトランジスタがONしないことが原因でした。
これがONしない理由は、ベース抵抗の200Ωのチップ抵抗がNGでしたので、ディスクリートの抵抗に交換しました。

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再度電源ON!

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おおーっ!7セグのLED表示パネルが表示されました。
これでOKですね。

3.バックアップメモリーの確認
それでは、バックアップ電池フォルダーに、100円ショップの単4ニッケル水素電池をセットして、バックアップメモリーが機能するかを確認します。

1)電池のセット
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2)最初の電源ON
電池をセットして最初の電源ONは、エラー表示になり、ボリュームは50になります。

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3)ボリュームを変更
その後、リモコンでボリュームを『46』に変更し、電源をOFFします。

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4)再度電源ON!
再度電源をONすると、先程セットしたボリュームの値『46』を保持しています。

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これで、操作部の設定のバックアップがメモリーされていることが確認出来ました。

4.基板を仕上げる
操作パネルが正常に動作画する事が確認出来ましたので、操作パネル基板を仕上げます。

1)基板を洗浄
基板を洗浄します。

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2)プリントパターンをニスで保護する
プリントパターンはサンドペーパーで研磨しましたが、今後参加して錆びる危険性があります。そこでレジストの代わりに、油性ニスを塗布し錆を防止します。

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3)ディスクリート部品を固定する
壊れたチップ部品をディスクリート部品に交換しましたが、空中配線などもあり、不安定ですので振動などの影響が心配です。そこで、ホットメルトでディスクリート部品を固定します。

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これで、振動が加わっても、経年劣化に対しても安定して動作しますね。

4.操作パネルの組付け
修理が完了したので、操作パネルを組付けます。

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バックアップ電池をマジックテープで固定します。
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操作パネルを本体に固定します。

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5.最後の動作確認
フロントパネルを組付けた後、最後に動作確認を行います。
リモコンで、ボリューム任意の値にセットし、電源をOFF。

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そして、再度電源をONすると、設置した値をキープしていることを確認します。

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大丈夫ですね。

これでLINNのプリアンプKAIRNの操作パネルの修理は完了です。
このアンプはこの他に電源が落ちるという不具合がありますので、次回は電源が落ちるという不具合の修理を実施します。
お楽しみに!