都道府県別麻酔科医師数

厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査から麻酔科医師数ランキング。調査では各医師が診療科を複数回答しており、麻酔科医師数と回答した医師数を比較している。産科医、小児科医とならんで医師不足が深刻となっているのが麻酔科医。大病院でも麻酔科医不足のため、手術が遅れるなどの影響が出ている。

産科医、小児科医の場合は激務の割に報酬が少なく、訴訟のリスクも高いことなどが医師不足の原因としてあげられているが、麻酔科の場合は若干異なっているようだ。

麻酔科医とは主に手術などにおいて患者の麻酔を行う医師。医師免許があれば法律上は誰でも麻酔をかけることができるため、これまでは外科医などが自ら麻酔をかけることもあったが、麻酔技術の高度化や訴訟リスクの増大などから麻酔科医に任せるケースが増え、手術数の増加とあわせて麻酔科医不足の原因のひとつとなっている。

また、術前術後の長期的なケアが必要な他の診療科と違い、手術という短い時間を担当することが多いため、複数の病院を掛け持つフリーの麻酔科医として独立する例もある。フリーになると、自分で仕事のペースをコントロールすることが可能なため、近年、独立が増えているようだ。

全国の麻酔科医は10,819人で、人口10万人あたり8.51人。最も麻酔科医師が多いのは香川県で人口10万あたり12.54人。以下、大分県、徳島県、高知県、熊本県と西日本各県が続いている。一方、最も少ないのは三重県の4.99人で、新潟県、秋田県、茨城県、埼玉県などが下位を占めている。分布図を見ると他の医療統計と同様に典型的な西高東低型となっている。

相関ランキングでも現役医師数と正の相関があり、医師が多いところに麻酔科医師が多い。