teruyastarはかく語りき

TVゲームを例に組織効率や人間関係を考える記事がメインのようだ。あと雑記。

世界から人間そのものが中抜きされる時代

インターネットの本質は「中抜き」だと誰かが言いました。


ゲーム業界も中抜きされつつあり、
流通もそうですし、一般の職業から派遣だって、みんな中抜きされていきます。


中間がなくなると、独占トップが強くなる。
分散されたエネルギーが集中するのは
大企業の合併か、
個人のエースか。

さらに加速する2009年


過去50年の文明の進化は、
それより1万年の文明の進化よりも、
何十倍だろう?、いや何千倍だろう?


NHKのマネーの暴走という番組で
世界の金融資産は
1京7000兆円、
わずか5年前は半分だったというから約8500兆円です。*1
*2


文明開発的にも同じような勢いかもしれません。
いろんな分野が相互に刺激しあって、とんでもなく効率よくなってる。

会社がなくなる、仕事がなくなる

404 Blog Not Found:技術が上がれば労働需要が減る
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51162513.html

あしたの発想学 - p. 227


口の悪い友人が「岡野、お前のところは、ほかの会社がなくなるものばっかりつくっているじゃねえか」って言うから、「あたしのせいじゃねえ」と言い返すけど、心の中では"これを作るとあそこがなくなる。かわいそうに"って思うよ。


うちが何かを作ると工場が増えて、五十人も百人も雇用できるようになるなら、日本の将来はバラ色だけど、現実はそうじゃない。その反対だもの。こんなふうに先行きが見えると、本当に嫌になってしまうね。

しかし、岡野氏だの私だのがやらなければ、他のだれかが「やっちゃう」こともまた知っている。



どうすれば、いいんだろ。


そろそろ「無職」という職を社会的にきちんと認めなければならないところまで、生産性は上がっちゃったような気がするんだけど、熱のせいかな?


がんばればがんばるほど、どんどん人間そのものがいらなくなっていく。

マネーの暴走


資本主義社会の限界はバブル崩壊まで。
南米でマネーが暴走し、
日本でマネーが暴走し、
アメリカでマネーが暴走し、
今度はBRICsやドバイで暴走する。


世界の金が5年で倍になるのは、金利のせいだ。
お金自体がお金を生むからねずみ算と変わらない。
それが暴走して、市場をいっきに盛り上げ食い尽くす。


暴走してだぶついたお金は降りてこない。
現在の資本主義のシステムではそうなってる。
ビルゲイツをはじめとするお金持ちの慈善事業がちょっとでもやわらげるぐらい。



だからこんなネットの片隅でも、
ベーシックインカムや、マイナスの金利が必要なんじゃないか?
バブル崩壊後の国で、資本主義は成り立たないのでは?
と声を上げる。

消えるつまらない仕事、残る面白い仕事

最速インターフェース研究会 :: つまらなくて役に立つ物を作るということ
http://la.ma.la/blog/diary_200706231433.htm


プログラミングできるひとは「ゲーム作れよ」と言われることが多いような気がする。


ぶっちゃけゲームとか作れないし、たぶんウェブプログラマの多くはそうだ。
PerlやRubyやJavaScriptとかで何万ポリゴン動かしたりできない。
XMLをパースしたり、正規表現で置換したり、そういうのなら得意だ。
ゲームの人らは秒間3億ポリゴンとかやってるのに、何でこんなちまちましたことやってるんだろうと思ったりもする。


ç•¥


世の中いろいろと不便なことが多くて、プログラマはそれを改善しようとしている。
世の中こんなにバグだらけなのに、バグほったらかしでゲーム作ってる場合じゃねえだろ、と思う。
電車の中で暇なのは不便なのでゲーム作ってくれてありがとうと思ったりもする。
でも基本的にはゲーム作ってる場合じゃねえだろ、って思う。


ç•¥


俺はつまんなくて役に立つ物を作るよ。そうありたい。
なんてことをカレー食いながら話した。
もちろん本意ではない。


こういったエースプログラマーが「面白いから」という理由だけで、
世の中をどんどん便利にしていく。
もちろん本意ではないのだろうけど。

コンピューターが自動化していく、無料にしていく


2006年にGoogleが破竹の勢いでサービスを展開しまくってた頃
「やつらが次に狙うサービスは、既得権益からごっそり中抜きできる事業だ」
という記事を見かけたが、それは当たらざるとも遠からずで、
実際Googleの影響力で、何千ものサービスと事業は潰れただろう。


これもGoogleがやならければヤフーかMSか、誰かがやってたかもしれないことだが。




穴を掘って、その穴を埋めるだけでお金がもらえるという仕事はどんどんなくなっていく。
孫請け、ひ孫請けという構造もなくなっていく。
中小企業といっても、実質的大企業傘下のグループという位置づけに合併されたような形に。


これからも仕事はロボットとコンピューターにどんどん入れ替わる。
まっさきに入れ替えられるのは「誰でもできる仕事」
誰でもできる仕事はロボットや、コンピューターができる仕事ととなり合わせだから。


マクドナルドや、コンビニや、ガソリンスタンドさえ、
完全自動販売機化されるところまでいくだろう。
店員はあなたのお気に入りの初音ミクになってるかもしれない。

働かざる者食うべからず


だが、もはや働く場所さえなくなる。
今、コンビニでバイトを募集してるのは、
まだ完全自動販売機システムが時給850円より安くなってないからだ。
今はバカ高いそのシステムも、10年前の1億円クラスのコンピューターが
なぜか家庭にあるように、急激な値下がり、あるいは開発が進行してることだろう。
それは、ヒューマンインターフェースとか、脳科学とか、別の分野で研究進化してるかもしれない。


我慢して働く必要はない。
今はそれでわずかなお金がもらえるが、
もう我慢して働いてもお金はもらえなくなる。


我慢して働いてる人は、それを「面白い」と言って働いてる人に対して圧倒的に生産性が低いから。
「面白い」は、努力では絶対超えられない壁だ。


金利資本主義のままそういう時代に突入すると成り立たない。
ロボットで代用できない高度な仕事か、
ロボットの下で働くロボットより安い仕事か。
この2極ではお金が廻らない。
新しい仕組みが必要だ。
「面白くない仕事」は中抜きされ
「仕事を面白くしない人」も中抜きされるから。

役に立たなくて面白い仕事が増える


中世や、江戸時代でも、それよりずっと昔からエンターテイメント業はあった。
現代ではこの業種がとんでもなく増えて、
今はスポーツすらエンターテイメントとして仕事になりうる。
これらは実業としてはなんの役にも立たないが、
面白いし、熱くなれるし、中には癒されるものもあるだろう。

ものすげー面白いことをやろうとしている人に対して(それが一部の人にしか面白さが分からないからといって)
「お前の作ってるのは何の役に立つのかわかんねえよ。もっと俺を楽しませろよ。ゲーム作れよ、ゲーム!」
って言うのは失礼極まりないことだ。


実業だろうが、虚業だろうが、「面白いと思う」人がそれぞれの仕事をする世界。
まだ自分に取って何が面白いか見つかってない人は、いくらでも新しいチャンスが与えられるセーフティネット世界。
そんな世界にシフトする。

なんのために働くのか?なんのために生きるのか?


ネットには誰でも広告が貼れるようになった。
一部とはいえまず有名人からアフィリでも暮らせるようになった。
最近はYoutubeでも動画内広告が可能になった。
iPhoneのアプリを個人で開発して世界に発信という実験もはじまってる。


どんどん我慢して働くことができなくなる。
それでも生き残れる世界を望む。


どちらにしても実業、虚業関係なく、自分の「好き」を磨こう。
人に喜んでもらえるほど高度に磨こう。
それはもう「仕事」ではない。


働くことそのものは中抜きされる。
「面白いから」が世界する支配は、人間が働く世界ではない。
「面白いから」は人間が「今を生きる」世界だ。





関連:

直感を信じろ、自分を信じろ、好きを貫け、人を褒めろ、人の粗探ししてる暇があったら自分で何かやれ。 - My Life Between Silicon Valley and Japan
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20070317/p1


「好きを貫く」ことと大企業への就職 - My Life Between Silicon Valley and Japan
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20070402/p1


「好きを貫く」よりも、もっと気分よく生きる方法 - 分裂勘違い君劇場
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20071209/1197232409


小野和俊のブログ:梅田望夫氏が言うように、好きなことを貫いて仕事にしていくためにはどのようにすればよいのか
http://blog.livedoor.jp/lalha/archives/50167531.html


小野和俊のブログ:「好きを貫く」を巡る考察
http://blog.livedoor.jp/lalha/archives/50194325.html

*1:マッキンゼー調べ

*2:2008年の番組だから、1年前と6年前