わかさこばと「乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル」コロナコミックス

タイトルで冒険者ものかとおもいきや現状だと「処刑少女の生きる道」系の暗殺者ジャンル。暗殺者はけっこうよく見かける人気ジャンルだが、暗殺者がゴールなのか今の巻が暗殺者編なのかは不明。成長するにつれ乙女ゲー主人公スキルのせいか男をオート魅了してしまうっぽい描写も垣間見えるので、戦いの場もどんどん変わってくのかもしれない。

おおまかには乙女ゲーの主役である「聖女」的ななんかとして定められたルートから逸脱して自分の道を歩んでく聖女脱落ジャンル。転生や時間遡行ではないが諸般の事情により多少の盤外知識を獲得してる。

殺人シーンに際し一切の躊躇もなければ過剰な書き込みもない、ふわっとした絵柄でドライな描写が続くため、結果、書き込みの多い劇画系より乾いた印象を与えてハードボイルド度合いが増して見えるという面白いマンガ。

 

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古代甲「凶乱令嬢ニア・リストン」ガンガンコミックス

肉体言語系令嬢だが表題の本人はほとんど戦わないというか、戦うと一瞬で終わるので主に別方面で話が進む。

具体的にはお付きのメイドが中心で話が回る感じで、お付きのメイドは、いつもの、ほぼ大体アレ。

 

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ひとは誰しも出せるとなればロベルタを出すし、イチャゴロでロベルタを愛でずにいられないのだなあと。

狂乱となってるけど主人公は「最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか」のスカーレットに比べ理性的で拳を見境なしにふるわない。どっちかというとロベルタメイドのがロベルタなので狂犬。表紙の少女に「ざぁこ♥」と蔑まれるシチュは見れない。

ほぼロベルタハァハァで話が尽きるが、ロベルタを嫌いな人なんていないので推せる。

 

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ほおのきソラ「最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか」レジーナコミックス

2025年アニメ放映予定。

 

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肉体言語系令嬢ものの鉄板王道。

本当にただひたすら殴るだけ。

男性向け、少年向け諸作品より先鋭化され純化しており、格闘技の蘊蓄やバトルに到る因果のバックストーリーを延々と語る解説とナレーションが主役の「格闘技もの」より暴の一点突破で圧倒的に勝る。少女漫画ならではの観念性をうまく使いこなしてる。

 

コミカライズは絵的にもドレス姿のままで殴るというビジュアルの独自性において抜きんでており必見。

それだけにアニメ化には不安がつきまとう。悪役令嬢もののアニメ化は低予算でお茶を濁しがちであり、ドレスのまま格闘とかどう考えても作画死ぬだろみたいな本作をどうやったら見れるものにできるのか、コスト方面で全く想像がつかない。正直ごまかしまくって逃げるしかないように思えるのだがどうするんだろう。いっそ忍者武芸帳方式にコミカライズ画像にアテレコつけて流したほうがいいのかもしれない。

 

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はな「転生令嬢は精霊に愛されて最強です……だけど普通に恋したい!」コロナコミックス

「精霊に愛されて最強です」の部分だけで話が進み、4巻の中盤まで「恋したい」の欠片も出てこない。4巻でもそれっぽい相手かなと顔出しがちょびっとあるだけで、単行本4巻までは恋愛無縁の超スローペース。

だがそれがいい、というかゆるふわがいい。やってることは貴族の権力抗争の話ばっかなのだが、しかし絶対的な「愛されて最強です」が揺るぎないゆえにひたすらゆるふわ、というのが良い。

実際のところ、本作は割と丁寧にファンタジー世界のファンタジーさを描いてる、テンプレ活用のストーリー指向ではない、ファンタジー世界のステキとキラキラをみせてくれる本格指向ファンタジー作品なので、権力抗争も恋愛も後回しでいいんだよね。

 

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飯田とい「聖女さま?いいえ、通りすがりの魔物使いです!」電撃コミックスNEXT

モフ系というよりモフをメタるメタモフ系。主人公は異世界転生してるのでモフとか言っちゃうが周囲はモフがなんなのか理解できず意味を誤解してしまっている。

モフ系は正統派というか真っ当な主人公だとコミュニケーション重視のためモフれるタイミングは普段の何気ないコミュニケーションの中であり、さりげないモフを読者が鋭く読み取って後方先輩面でウムウムと頷くスタイルの娯楽になるが、本作はメタモフで読者にモフを過度に強調するためコミュニケーションがギャグ調で動物虐待並みに過激なものになっている。

ヒロインは可愛いと形容するにはだいぶ非人道的モフを披露しすぎで、ヒロインが可愛いから正義は流石に主張しづらい。

そこで「いやこれは魔物であって、本当の動物じゃないんです」と言い訳が用意され主人公のジョブが魔物使いであるというタイトルになるわけだが、メタな言い訳以外では魔物使い的な行動は一切とらない潔さ。また戦う時も魔物には戦わせず自分で前に出て、戦士じゃないので武器は使わず、魔法使いじゃないので魔法攻撃もせず。素手。ステゴロ。

つまりコンプライアンス的に動物虐待ではないと筋を通しつつモフに惑溺するためだけの題名、設定、内容に徹しているという退廃のためのストイシズムの美しい典型例。

 

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あおいれびん「婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。王子殿下に溺愛されて幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。」DRE コミックス

コミカライズ2巻段階ではタイトルの事態にまで進んでおらず、その前日譚をじっくりやっている形。タイトルは悪役令嬢ではないが成り行きで「悪役…」と言いかけててフォーマットとしては悪役令嬢アンド婚約破棄を踏襲している。

ストーリーはあって無きが如きというか、トラブルで窮地に陥りそうになると過去の事象を映像で再生視聴できる再現魔法という万能すぎるストーリーへし折り能力が発動し全部解決してしまう。正直そんなチートあったら、そもそも誰も安易な嘘ついたりしなくなるんじゃないかなと思うが、そこはまあスルーで。基本的にはお花畑なハーレムものとしてチヤホヤされつつ安全にざまぁを楽しむのが推奨される鑑賞態度。

絵が綺麗なので絵を楽しみましょう。

 

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桃山ひなせ「エリスの聖杯」11巻まで(ガンガンコミックスUP!)

前回の感想はこっち。

桃山ひなせ「エリスの聖杯」(ガンガンコミックスUP!) - 旧tototo

11巻発売で、ようやく背景となる謀略が種明かしされる。

前の感想でも書いたが、正直、コミカライズでは謎解きでグイグイと引っ張る作りではなく、場ごとの情景やキャラクターの感情をしっかりと拾って構成するのを最優先してると思しいため、先の見通しがよくない。種明かしまでの謎解きの妙みたいなのも特にない。

結果、謎の部分が謎のままの分だけストレス溜まる感じなので、種明かしがされた11巻まで一気読みするのが最も楽しめると思うので、11巻が出たとこで再度のピックアップ。

アニメ化も決定してる。

が、女性向けジャンルの宮廷劇、それも魔法もレベルもなんもない、って低予算で作っても高品質で作ってもなかなかハマらなさそうで心配ではある。会話は面白いんだけども、会話をクローズアップしてくと上記の通り話が進まなそうだし。

市ノ瀬加那に実質二役やらせるのは面白そうなんですけどね。高飛車お嬢様スタイルで場を支配するとかイメージ湧かないけどどうなるのか。

 

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