2020年05月10日

御年日ぬ唄

御年日ぬ唄
うとぅしびーぬうた
’utushibii nu ’uta
御生年日祝いの唄
語句・うとぅしびー 「(各人)の生まれ年の干支と一致する(旧)正月早々日(の祝い)」【琉球語辞典(半田一郎)】(以後【琉辞】。)いわゆる生年日の祝い。

作詞 宜保 盛幸  編曲 大城志津子



一 、 今日ぬ御年日や 子孫前なち 百二十歳までぃん 御掛きみしょり(イースリ サーサー)
きゆぬうとぅしびや くゎんまがめーなち ひゃくはたちまでぃん うかきみしょーり(いーすりさーさー)
kiyu nu ’utushibii ya kwaa Nmagaa meenachi hyakuhatachi madiN ’ukakimishoori
(isuuri saasaa)
※囃子言葉は以下省略。
今日の御生年日の祝いは子や孫を前にして百二十歳までご支配ください
語句・うかきみしょーりご支配ください。<かきゆん。「掛ける。賭ける。(秤に)掛ける。支配する。」+<みしょーり。<みせーん。なさいます。の命令形。なさいませ。



二、 六十一ばんじ 十七、八心 何時ん若々とぅ 年とぅ共に
るくじゅーいちばんじ じゅーしちはちぐくる いちんわかわかとぅ とぅしとぅとぅむに
rukujuu baNji juushichihachi gukuru ’ichiNwakawaka tu tushi tu tumu ni
六十一歳は真っ盛りで十七・八くらいのようだ 何時も若々しく年と共に
語句・ばんじ 真っ最中。・ぐくる ・・のようだ。<くくる。こころ。いわゆる精神的な意味の「心」ではなく、「・・のようなこと[もの][気持ち]」【琉辞】。別のものに例える場合に。ウタの中で使われることが多い。



三、 七十三御祝え 御万人んいもち 酌取いる御酒 体御願げ
しちじゅーさんうゆぅえ うまんちゅんいもち しゃくとぅいるうさき からだうにげ
shichijuusaN ’uyuwee ’umaNchuN ’imoochi shaku tuiru ’usaki karada ’unigee
七十三歳の祝いは多くの方がいらっしゃって 酌に受け取ったお酒には健康の願いを込めて



四、 八十五ぬ年日 八十八トーカチ 百歳風車ん 御祝えさぴら
はちじゅーぐぬとぅしび はちじゅーはちとーかち むむとぅかじまやーん うゆうぇーさびら
hachijuugu nu tushibii hachijuuhachi tookachi mumutu kajimayaaN ’uyuweesabira
八十五歳の年日祝い 八十八のトーカチ祝い 百歳カジマヤーの祝い お祝いいたしましょう
語句・とーかち 米寿(八十八歳)の祝い。トーカチとは「斗掻(とかき)」という米の量を測るときに枡の米をならすときに使う竹の棒の事。・むむとぅ 百歳。百歳だけで「むむとぅ」と読むので「百歳と」と歌詞にあるのは間違い。・かじまやー 数え年九十七才を祝う。「かじまやー」とは風車の意味で子どもに還るからという意味がある。



五、 琴や三味線に 弦合わち今日や 踊いはにしちょてぃ御祝えあしば
くとぅやさんしんに ちるあわちきゆや うどぅいはにしちょーてぃ うゆえあしば
kutu ya saNshin ni chiruu ‘awachi kiyu ya udui hani shichooti ‘uyuwee’ashiba
お琴や三線を弦の高さを合わせて今日は踊ったり跳ねたりしていてお祝いし遊びましょう
語句・うどぅいはに踊ったり、跳ねたり。「踊り羽」と当て字がしてある。


御年日ぬ唄

「我した島唄~大城志津子決定盤~」に収録。


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Posted by たる一 at 12:56│Comments(0)あ行沖縄本島
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