PIANO 第10話 「やさしさを持って~con grazia~」(最終回)
今回で「PAINO」の感想は最後になります。
思春期の女子中学生の不安定な気持ちを丁寧に描いてきた話だったのですが、
この最終回でどのような結末を迎えようとするのか興味があるところですね。
美雨がもう一度ピアノを続けてみようと思い立ったシーンから始まっています。
音楽発表会にも参加する決心がついていたし、精神的にを吹っ切れている感じです。
ピアノに真剣に取り組めるかどうかはまだ分かりませんけど、今の彼女にとっては
前向きにピアノに触れ合っていこうとする気持ちが出てきただけでも良い事です。
美雨は音楽発表会の招待券を両親に渡していました。
お姉ちゃんも仕事を空けて妹の音楽発表会を見に来るので嬉しいでしょうね。
あと優希と滝沢先輩の分もちゃんと用意をして渡していました。
一時は優希とケンカしちゃったけど、こうして仲直りしてくれたので良かったよ。
このように美雨は日頃からお世話になっている人達に渡しているのでしょう。
ピアノを通して感謝の気持ちを伝えようとしているのが伺えます。
美雨は残り1枚だけ招待券を渡せずに困っていました。
もちろんそのチケットを渡そうとしている相手は高橋先輩です。
高橋先輩の合格発表の日と美雨の音楽発表会の日が重なってしまったので、
なかなか渡しづらいものがあるといったところなのでしょう。
高橋先輩にとっては人生を左右する重要な日になりますから、そんな日に
自分の音楽発表会を聴きに来てほしいというのは言えないものです。
お姉ちゃんが帰ってきて、家族皆で夕食を食べていました。
お父さんは美雨にボーイフレンドがいたら驚いちゃいそうだなぁ(笑)
あとお姉ちゃんは優希の恋人の滝沢先輩の話に興味津々でしたので、
もしかすると年下の男の子が好みだったりするのかなぁって思ったよ(^ω^)
ここまで美雨が心から喜んでいる表情をするのは初めてかもしれません。
家族とのやり取りを見ても、美雨の心が晴れやかになっている感じがします。
「色々あったな。あとはお前次第だ。」
「はい。」
美雨は音楽発表会前の最後の追い込みのレッスンを受けていました。
前にも一度書いたことがありますけど、白川先生って外の景色を見てばかりですわ。
特に技術的な指導をしている様子がなかったので楽なお仕事をしてると思ったよ(苦笑)
でもまぁ美雨が心の迷いを吹っ切って前に進もうとしている気持ちをピアノの音色から
感じ取っていたので、優れたピアノの先生である事には違いないのでしょうけどね(^ω^)
とにかく美雨は音楽発表会の準備が万全に整ったのであとは本番で頑張るだけです。
美雨は勇気を出して高橋先輩に発表会の招待券を渡す事が出来ました。
きっと公衆電話で呼び出そうとした時はドキドキしていたんじゃないでしょうか。
こういうのは最近のようにメールとかで連絡を取るのとは大きな違いがあると思う。
あと高橋先輩も美雨の事を気遣っていた部分が描かれていましたので、きっと彼は
美雨の事を気に入ってくれているのでしょうね。これは恋人同士になれそうかな。
もういっその事、音楽発表会で家族に彼氏だと紹介してもいいんじゃない?(^ω^)
白川先生が美雨のお姉ちゃんと喫茶店でお話をしているシーンがありました。
そこで美雨に手紙を渡してほしいとお願いしていたのが気になるところです。
美雨に直接渡せばいいのに、これでは美雨の発表会を聞かずにどこか外国に
去ってしまうような感じでもありますからね(´・ω・`)
ただ、彼は美雨がピアノと再び向き合っていこうとする姿を見た事によって、
自分自身のこれからの生き方にも何か影響を受けたのかもしれませんね。
とりあえず白川先生と美雨のお姉ちゃんは恋人同士だと思っていいのかな?
この2人の関係もどうなるのか気になるよ(^ω^)
いよいよ音楽発表会の日がやって来ました。
美雨はお父さんから貰ったアクセサリーを身に付けて、綺麗なお洋服を着ていました。
ピアノの発表会といえば、このようにオシャレをして演奏できるのが嬉しいですよね。
家族をはじめ、優希や滝沢先輩も来てくれたので頑張って演奏しないといけません。
それと美雨にとって一番嬉しかったのは高橋先輩も来てくれた事でしょう。
美雨がとても嬉しそうな表情をしていたのが印象的でした。
『これからもピアノを弾き続けろ。出来るな。お前なら。』
そして美雨はお姉ちゃんから白川先生からのお手紙を受け取っていました。
結局、白川先生は音楽発表会には来てくれませんでしたけど、自分の教え子なら
しっかりと演奏をしてくれるだろうと自信があったのでしょう。
それにしても彼がいったい何の目的でどこに行ったのかが気になります。
ピアノ留学か何かで海外に行ってしまったのか、それとも他にやりたい夢が
見つかったのか分かりませんけど、美雨のように未来を見出したのでしょう。
この作品は中学生を主人公にした物語ですから、主に子供の視点で不安な気持ちを
描いているのですけど、こうして見てみると白川先生のように大人になった人でも
将来の目標が見つからずに悩む人が多い事を示しているようにも思えます。
悩む気持ちには子供と大人の間で大きな差がないような感じにも受け取れます。
美雨は大勢の人達が聴きに来てくれている会場で演奏を始めていました。
今までお世話になったりした人達に感謝の気持ちを込めて弾いているのでしょう。
これからも大人になっていくにつれて色んな不安な気持ちが出てくるかと思いますが、
その時には少しずつでも真剣に考えながら自分なりの生き方を見つけてほしいかな。
きっと彼女なら周囲の優しい人達にサポートされながら成長していってくれそうですね♪
★総評★
等身大の女子中学生の悩みや不安の感情をとても丁寧に描いた作品だと思います。
派手に盛り上がる展開がないのでかなり地味な作品になってしまっているのですけど、
その分、美雨の姿を私の中学時代と重ね合わせて見やすくなっていました。
普通であれば、1話完結、もしくは2、3話で完結できそうな内容の物語なのですが、
それを10話に渡って描く事で主人公の心情に深みを持たせていたように思います。
一般受けしにくい作品ですが、個人的にはこういう物語も今後見てみたいです。
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