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LUMIX S9とGH7だけじゃない 2024年のLUMIX製品を振り返る

少しばかり気が早いですが、今年一年のLUMIXについて振り返ろうと思います。
今年は下記の製品が発売された一年でした。

2024年1月発売 LUMIX G100D(レンズキット/ダブルレンズキット/トライポットグリップキット)
2024年4月発売 LUMIX GH5M2(高倍率ズームレンズキット)
2024年4月発売 LUMIX S 28-200 mm F4-7.1 MACRO O.I.S.
2024年4月発売 LUMIX S5II(高倍率ズームレンズキット)

2024年4月発売 LUMIX S 100mm F2.8 MACRO
2024年6月発売 LUMIX S9(ボディ/標準ズームレンズキット/高倍率ズームレンズキット)
2024年6月公開 LUMIX Lab.

2024年7月発売 LUMIX GH7(ボディ/標準ズームレンズキット)
2024年7月発売 DMW-XLR2(32bitフロート収録対応 XLRユニット)

2024年10月発売 LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3
2024年10月発売 LUMIX S9 (広角ズームレンズキット)

2024年12月17日発表のG99IIに関しては寝耳に水だったので別途記載します。

こうして並べると割と3ヶ月に一回くらいは新製品があったことが伺えます。実際にはLUMIX G100DはLUMIX G100のマイナーアップデート版であり、GH5M2の高倍率レンズキット自体はすでに発売されているGH5M2と14-140mmがキット販売された形なのでこの2つに関しては目新しさは正直ありません。あとは初代S5が海外で型番変えたちょいアップデート版(S5D)が発売されてますが、中身はほぼ同じなので割愛。

ということで実際には明確な新製品は4月発売の「LUMIX S 28-200 mm F4-7.1 MACRO O.I.S.」からが今年の実質的な新製品投入ということになろうかと思います。

LUMIXに興味が無い人に、この記事が届くかどうかは不明ですが、LUMIXは非常に高機能、高画質でかつ扱いやすい機種だと思います(特に動画性能)。もし、LUMIXに対してイマイチなイメージを持っているのであればそのイメージはリセットしてもらった方がいいと思います。

LUMIX S 28-200 mm F4-7.1 MACRO O.I.S.

ズーム倍率が7倍を超えるレンズとしては世界最小・最軽量のズームレンズです。
その重量たるや413gという仕様です。伸ばさない状態での長さは93.4mmと10cmを切ります。

広角側が28mm始まりで、望遠側が200mmというレンズ。テレ端の絞りは7.1と暗いですが、このサイズでよくこのスペックを実現したな。。。という感想です。旅行とかに持って行くならこの一本があれば大概のものが撮れると言って過言ではないでしょう。

LUMIX Sシリーズ F1.8兄弟シリーズよりも実寸は大きいですが、それらに近いサイズ感で使用できるレンズです。

F値は焦点距離によって変動しますが、撮影中のズーム操作を使わないのであれば動画撮影においても威力を発揮します。LUMIX S1/S1H/S5/S5II/S5IIX/S9であればAPS-Cクロップを使えば300mmの焦点距離まで被写体を大きく写すことができるので運動会などでも活躍するレンズかと思います。

ちなみに、このレンズとLUMIX S5IIを組み合わせたキットが発売になっています。

LUMIX S 100mm F2.8 MACRO

次に春に発売になったLUMIX S 100mm F2.8 MACROです。こちらも90mm以上のマクロレンズとして世界最小、最軽量を誇るレンズです。その重量たるや298g、長さは82mmと超絶小さいマクロレンズになっています。

描写はカミソリマクロ的なものではなく、かなり柔らいのが特徴と言われています。私はこのレンズは所有していませんが、以前試させていただいた際には私が使うには十分使える解像感だという印象を持ちました。

 

なぜ、私がこのレンズを所有してないかというと、LUMIX S24-104mm F4(ハーフマクロ)で多くの撮影では事足りてしまうからでして。。。
ホントLUMIX S24-104mm F4が便利なのよね。とはいえ、等倍マクロ撮影が必要になったらコレは買うと思います。

LUMIX S9

・撮像素子:フルサイズ 約2,420万画素
・マウント:ライカカメラ社L-Mount
・動画性能:6K30p(Full画角)/4K30p(Full/APS-C画角)/4K60p(APS-C画角)
・約486g (1.08 lb) (本体、バッテリー、SDメモリーカード含む)

さて、今年いろんな話題を呼んだLUMIX S9ですが気づけば発売から半年経っています。2024年の11月末からはテレビCMをご覧になった方もおられるかと思います。地上波でカメラのCMが流れるというのはいつ以来だろう。
思えば、WEBやYoutubeでのCMはパーソナライズド広告なので、LUMIXを知らない人にリーチするためには地上波CMは効果的なんだと思います。というか、LUMIXを知らない人、普段スマホでしか写真を撮らないという人にこそ使ってほしいカメラだと思うのです。


難しいことはわからないけど、一眼で気軽に撮影したい。という層から、フルサイズのボケを活かした本格的な動画撮影までできる。という初心者から上級者までが道具として使えるカメラです。
手ブレ補正の効きはフルサイズミラーレス一眼の中で他メーカーを圧倒しますし、像面位相差を搭載したことでオートフォーカスの使いこなしも誰でもできるようになりました。さらにオートフォーカスは上位機種のLUMIX S5II/S5IIXを超える性能です。なんならNetflix認証機のS1Hと同等レベルの映像が撮れる、多くの人がその性能を正確に認識していないヤバい機種です。

ボディのみ(黒)だと16万円台で買える販売店もあるようです。
以下、作例


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LUMIX Lab

LUMIX LabはLUMIX S9の発売に合わせてリリースされた全く新しいLUMIX用のアプリ。それまでLUMIXといえばスマホアプリとの連携が必要な場合、悪名高き?LUMIX Syncを使う必要がありました。でも、そのLUMIX Syncの安定性の悪さ、接続性の悪さは多くのユーザーから不評でした。

で、一新されたLUMIX Labの接続性は非常に高く、リモコンとして使う以上に絵作りがここでできてしまうという機能を備えています。

これに関してはVideoSalonさんの方で記事を書かせて頂いたので参考までに。

videosalon.jp

https://videosalon.jp/report/lumix-s9/

やっとこ、LUMIXはスマホと安心して連携できるようになったという点は今年のハード発表以外では最大のニュースでした。

LUMIX GH7

・撮像素子:4/3型 裏面照射型(BSI)CMOSイメージセンサー 約2,520万画素
・マウント:マイクロフォーサーズマウント
・動画性能:5.7K60p/4K120p(5.7Kオーバーサンプリング)
・約805g(本体、バッテリー、SDメモリーカード1枚含む)、約721g(本体のみ)

さて、LUMIX S9の発表で埋もれてしまった感があるGH7ですが、こちらはマイクロフォーサーズハイブリッドミラーレスのフラッグシップ。GH6の弱点を全て解消したマイクロフォーサーズ動画機としての最高峰です。ちなみに写真機としても秒間75コマのRAW撮影ができる(バッファ190枚)など、その実力は非常に高いです。

ちなみに撮影できるフォーマットはこのpdfをご覧いただければと思いますが、多分全て記憶している人は世界に一人もいないと思います。

もはやヤケクソとも思えるフォーマットの数。実際には以下のようなリストが続く

とにもかくにも、GH7は業務機としても非常に優れた動画機ですし、もちろんアマチュアの動画制作者にとっても強い武器です。真夏でも止まらない強力な空冷ファンを搭載していますので、長時間の撮影でもへこたれない強さや内部RAW収録、像面位相差を搭載したオートフォーカスやダイナミックレンジを拡張する機能(ダイナミックレンジブースト)はこのカメラのなんたるかを理解しなくても、使いこなせるほど動画制作者に優しい一面を持ちます。4K120pは5.7Kからのオーバーサンプリングで唯一無二とも言える解像感が得られたり、これをモンスターと言わずして何という。。。

以下、作例


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DMW-XLR2(32bitフロート収録対応 XLRユニット)

DMW-XLR2はGH7の32bitフロート録音を可能にするXLRユニットです。GH6でも使用できますが、GH6では32bitフロート録音はできませんのでご注意ください。
これがあれば、音割れを機にすることなく爆音での収録もOKになるやつです。

 

多分今後の多くの機種はこれに対応して32bitフロート録音ができるようになるものと思います。

 

LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3

マウント:ライカカメラ社L-Mount規格準拠
レンズ構成:7群8枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ2枚、UHRレンズ1枚)
焦点距離:18-40mm
開放絞り:F4.5-6.3
絞り形式:7枚羽根/円形虹彩絞り
最短撮影距離:0.15m(W端~焦点距離21mm)/ 0.35m(T端)(撮像面から)
最大撮影倍率:0.28倍(焦点距離21mm)
フィルター径:62mm
最大径×長さ:φ67.9mm×約40.9mm(レンズ先端より、レンズマウント基準面まで)【鏡筒収納時】
質量:約155g(フロント・リアキャップは含まず)

 

ここまで書いて気づきましたが、Panasonic(LUMIX)が今年リリースしたレンズは全て世界最小・最軽量だったんですね。。。
今年最後(なはず)のレンズは18-40mmのフルサイズ超小型ズームレンズでした。

というか、なぜこのレンズがLUMIX S9と同時にリリースじゃなかったのか??という疑問が湧きますが、このレンズはまさにLUMIX S9のために生まれてきたようなレンズです。

私も実機をみましたが、非常にコンパクトでその重量は155gしかありません。わけわからん。。。外装はプラスチックなのですが、その見た目は割と高級感のある見た目をしています。

これは欲しい。。。と思うけどちょっとまだ手が出せてないレンズです。

もしLUMIX S9がこれから欲しいという方は、このレンズがキットになった以下のLUMIX S9広角ズームキットをお勧めします。

なお、上の写真のように非常にコンパクトになるのは鏡筒収納時であって、通常は繰り出さないと撮影ができませんのでご注意ください。なので、撮影するときは少なくともちょっと伸びた状態となります。とはいえ、カバンに超絶コンパクトに収まるのは良い。

 

LUMIX S9 (広角ズームレンズキット DC-S9N)

LUMIX S9と先のLUMIX S 18-40mm F4.5-6.3とがキットになったものが、このLUMIX S9広角ズームレンズキット DC-S9Nです。

これがテレビCMとかで放映されているやつなはずです(実は私、地上波をあまりみないのでまだ一度もCMを見れてないんですよね。。)。

このレンズがキットになったおかげでやっとS9は本来あるべき姿で発売されたという印象を持ちます。
LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3は先にも述べた通りLUMIX S9のためにあるようなもの。S9はLUMIX S 18-40mm F4.5-6.3を装着して初めてスマートなカメラとなる。そんな印象です。F値が暗いので、ボケを多用するような撮影ではLUMIX S F1.8シリーズを使うのが良いと思いますが、日常スナップなんかを撮るのに最高の組み合わせでしょう。

そして、新色のキャメルオレンジですが、この色、アレを思い出します。

そう、マイクロフォーサーズの名機GM1です。

懐かしのLUMIX GM(DMC-GM1K)

これがフルサイズになって帰ってきた。という印象です。願わくば、マイクロフォーサーズでもこの手のカメラ出してほしいんだけどね。。。(G100がそれなんでしょうけど)

まとめ

今年はボディとして新発売になったのはLUMIX S9 / LUMIX GH7ですが、どちらもいろんな意味で尖ったカメラだと思います。

LUMIX S9はLUMIX S5IIのセンサー(の改良型と思われる)をベースに展開したカメラですが、EVFやホットシュー、メカシャッターを廃して極端なダウンサイズを実施している割にはその動画性能で削ぎ落とされた部分はありません。強いていうなら連続撮影時間ですが、それも大型アップデートで無制限になりました。

sumizoon.hatenablog.com

熱で止まる可能性はありますが、4K30pくらいだったらかなりの時間連続撮影ができるはずです。

LUMIX GH7はGH6/G9PROIIに次ぐ3台目のマイクロフォーサーズ約2,520万画素機ですが、その画質はGH6から大幅に向上しています。像面位相差も搭載され、完成度が非常に向上した一台です。

最後に、話しが変わりますが、Viltroxとかの安価なEFレンズのレデューサー付きマウントアダプタが像面位相差のGH7/G9PROIIに完全対応してくれたらいいのに。。。と思うんですよぇ。
METABONESは最近新型がでたけど、高くて手が出せないのです。安価なアダプターでEFレンズがスムーズに使えるのであれば、さらにGH7/G9PROIIの活躍の場が広がるんですが、Viltroxさん対応してほしいぞ。

最後変な終わり方でしたが、来年もLUMIXの新製品を楽しみにしています。

ちなみに、この製品記事に書くの忘れてるよ!というのがありましたらコメント頂ければと思います。

ではでは

自己紹介

筆者:SUMIZOON
Facebookグループ一眼動画部主宰
Youtubeチャンネル STUDIO SUMIZOON の人

2011年よりサラリーマンの傍ら風景、人物、MV、レビュー動画等ジャンルを問わず映像制作を行うビデオグラファー。機材メーカーへの映像提供や映像関係メディアでレビュー執筆等を行う。Youtubeチャンネル「STUDIO SUMIZOON」登録者は1.4万人以上。Facebookグループ「一眼動画部」主宰。「とあるビデオグラファーの備忘録的ブログ」更新中。

 

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