口から出まかせ日記【表】

こんな寒かったっけ冬

いつからポスターを貼らなくなったか。

 

毎日ちょびっとずつ掃除をしています。ここんところは押し入れを整理したり、窓を拭いたりしてました。ひとしきり掃除を終えて、改めて自分の部屋をぐるりと見渡すと、目についたのがポスター。年季がかったポスターで、15年ぐらい前に買ったプレステ2用のゲームに付いてきたものでした。ずっと貼ってあるのに、このポスターの存在自体、意識から外れていました。改めてまじまじと眺めるのも10年ぶりぐらいじゃないかと。


私はもともとポスターが好きで、部屋中に貼りまくっていた時期がありました。きっかけはたぶん、小学生ぐらいの時に友達の家に行ったとき、アニメとか漫画のポスターが部屋にずらっと貼ってあり、凄く羨ましかったんですよね。当時は家族で賃貸アパートに住んでおり、壁にポスターを貼るのは大家さんから咎められていました。


で、いつかはポスターを部屋中に貼ったるぞと、悶々たる日々を送り、ようやく高校生ぐらいで自由に貼れる環境が手に入ったので、さっそく貼り巡らせてみたわけです。が、どうもしっくりこない。なにがどうしっくりこないのかよく分からないので、カッコよくポスターを貼っている友達を部屋に呼んでみたところ、「うげっ」とひとこと叫び、以降、疎遠となってしまいました。


思えば、その時に貼っていたポスターには一貫性が無かったのです。アイドルのポスターもあれば、草津温泉のポスター、青汁のポスター、比叡山延暦寺のポスター等々、とにかく身近にあったポスターを強迫観念的に貼って満足していただけで、ポスターを通じて自分の核となる主張などまるでできないまま、ひたすらカオスに浸っていただけでした。とほほ。

 

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その後、大学に入って一人暮らしを始めてから、洋楽にハマりました。当時はまだCDを買っており、ポスターが付属することもあって、それを部屋に貼りました。するとだいぶ一貫性のあるスタイルになってきました。ローリングストーンズにセックスピストルズにクラッシュにパティスミスにカートコバーンその他いろいろなアイコンのポスターを貼り巡らせ、いかにも、ああロックが好きなんですね~的な部屋を構築することができ、愉悦に浸っていました。


隙間もないほどポスターの貼られた部屋で、怪奇現象が起きました。夜中の12時くらいでしょうか。「ぬっほ」という、おっさんみたいな声が聞こえるようになりました。「ぬっほ、ぬっほ、ぬっほ」と連続するので眠れません。こりゃたまらんと思い、ポールマッカートニーとマリリンマンソンのポスターをはがして、盛り塩をしたら収まりました。


その後、地元に戻り、部屋に改めてロックンロールなポスターを貼り直して満足していましたが、28歳ごろですか。ゴロゴロしながら、ふと部屋を眺めた時に、「うわ~、なんじゃこりゃ」と思ったんですね。急に我にかえったというか、自分の部屋の異様さに気づいて、ポスターをべりべりと剥がしました。それ以降、すっかりポスター熱は自分の中で収まりました。


今年に入り、オンラインでビデオ通話をする機会がありました。自室が映る画面に、かつてのロックンロールなポスター熱の名残として、一枚だけ貼ってあるポスターが映りこんだりして、人と話しながら、かすかな追憶に浸ったりしましたが、そのポスターも剥がしてしまいました。上のゲームのポスターも、さっき剥がしてしまいました。部屋にはもう一枚もポスターはありません。

 


Cerberus

一番お気に入りだったのが、アモンドゥールⅡっていうバンドの、ちょうどこのサムネイルと同じポスターだったのですが、どこかに消えました。

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