口から出まかせ日記【表】

世も末だけど寿司が食いたい。

歴史を倫理で査定しろ。

 

いつもだと11月ぐらいまでに我が家では大掃除を済ませてしまいますが、今年はなぜかサボってしまい、寒さに震えながら細々と掃除をしています。とりあえず押し入れに潜り込んで色々と仕分けたりしてますが、長年のあいだ捨てるか捨てまいか迷ってるのが、「文集」です。皆さんも小学生の時とかに書きましたよね?


それを取り出して眺めたりしてるんですが、「あなたの好きな歴史の人物」という質問にクラス全員で答えるページがあり、そこで私は「おだ」と、ひらがな二文字で回答しているのです。誰やねん、おだ。小田和正か織田無道か。まあ、察しはつきます。織田信長でしょう。他のクラスメイトも織田信長と答えているのが何人かいるし。揃いも揃って小学生の頭の引き出しなんてそんなもんです。


おそらく歴史の授業で勉強した長篠の戦いなんかの活躍ぶりだとか、あと確か図書室に、小学館から出てた『日本の歴史』っていう漫画があってみんな読んでたし、ヒーロー的な人だと考えてたんじゃないですかね。それから数十年。織田信長が好きかと聞かれたら、「嫌〜ん」と応えますわ笑。というか、だんだん私自身が戦争指導者という存在を受け付けられなくなってきており、武将だとか将軍がなんでこうも持て囃されるのかがピンとこなくなっています。揃いも揃って殺人集団の頭目やんけ。


 
なんかいろんなものに引っ張られてるような……

 

ここんところ組織の上に立つ人間が色々と不祥事を犯し、それでも支持者が消えることはなく、なんだかんだで担ぎ上げられる。なんて光景を眺めていると、はるか昔からそんなことはあっただろうし、いまだに語られるような過去の英雄も、当時は様々な問題を引き起こしつつ、同時に成果を上げたからこそ評価される、清濁併せ持つリアルな存在だったわけですよね。それも時間が経つにつれて余計なものが濾過され、華々しさが強調されるようになっていく。当人が引き起こした問題ですら、「ドラマ」として欠かせないものになってきますからね。


もちろん大河ドラマなんかの演出としてならいいんですが、時代が進むにつれて、当然、倫理観も発達していきます。すると、人の所業に対する再評価が行われるので、それまで捉えられていた過去の人物像もまた改められることになる。その過程で、かつては英雄視されていた行いが、非業の扱いを受けるなんてことにもなるから、当人に対する世論も変わり、捉え方もまた変わっていく。倫理による査定を受けることで、英雄も消えるわけです。歴史上の重要人物という存在感や肩書きは消えずとも、カリスマは確実に薄くなっていく。


もっと抽象的に表現すれば、「人の歴史は必ず悔い改められる」ということになりますか。自分自身が成長し、倫理観が向上してゆけば、自分が過去に起こした問題を反省したくなるものですが、それは歴史も同様。歴史とは人類共有の記憶であるので、人類が時代を進むなら、過去は確実に反省されなければならない。そして、余計な「浮つき」はその過程で静まっていく。ちなみに小学4年生の文集で、将来の夢について私は「戦闘ヘリを買う」とか書いてあるんですが、悔い改めたい……。



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クリスマス気分を高めていく時期だ。

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