スネップ仙人が毒吐くよ

60代独身じじぃの独白記

ロードバイクのトレーニングにはパワーメーターが必須?!

右足の親指を怪我して暇になったのでブログorz

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5月3,4両日に計230㎞程走ったところ、爪が食い込んで赤く化膿した。オロナインを塗りながら2週間様子を見たものの治らず。医者に行ったら、放っておくと最悪腐ってポロリですよと脅された。

 

さて、?!というけど、答えとしては必須。

ロードバイクのトレーニーで「パワーメーターは付けていないよ」という人もいるかもしれないけど、そういう人でも今流行りのスマートローラー(=トレーナー)を使っていれば、機能として含まれているので、広義のパワーメーターである。

 

とはいえパワーメーターは非常に高価なアイテム。今でこそ比較的安価な物も存在するが、数年前は驚くほど高かった。当時最も普及したパイオニア製の場合、対応するシマノのクランクセット(アルテグラ以上)と合わせて約20万。ガーミンのペダル式でも10万以上と、おいそれと手が出せる物ではなかった。今は消えてしまったパワータップのハブ式は10万以下だったが、単体で使える物ではなくホイールとしてお店に組んでもらえばやはり10万を超えるのは確実だった。

それ故自分は、誰もが買える値段の心拍計を使ってのトレーニングを試みたのだが、それは殆ど成果の出るものではなかった。ロードバイクの本格的なトレーニングについてネット検索で知識を得ようにも、出てくる情報はパワーメーターで得られる数値=W(ワット)を基準としたトレーニングの方法ばかりで、心拍数を基準とした情報は不確かか、パワーを基準としたトレーニングの付随情報ばかりで、参考にならなかった。

 

何故そうなるのかというと、ネットで書かれたロードバイクトレーニングの情報は、大元にパワー・トレーニング・バイブルという洋書を翻訳したものから引用されたものが大部分を占め、それがトレーニーの共通理解として普及しているからである。

 

つまり、体力的に強く・速くなりたいのならば、どうであれパワーメーター(スマートローラー等のパワー計測が可能な機器を含む)を手に入れる必要があるのが現実だ。

 

そんなこんなで暫く、金持ちはいいなぁと悶々と嫉妬心を募らせながら過ごしていたのだが、幸運にも小金を手にする機会があり、ようやくパワーメーターを入手可能な状況となった。

 

上記したように、一口にパワーメーターといっても様々な形態がある。どれを導入するかも簡単な問題ではない。

 

最もイージーで普及していると思われるのは、スマートローラーを利用する方法だ。スマートローラーは室内練習の基本機器ともいえるローラー台に各種センサーの通信機能と自動負荷調整機能を加えた物で、スマートフォンやPCのアプリによってバーチャルライディングを可能とする。今人気のアプリZwiftがそれである。 

後輪を取り外してチェーンで直接駆動するダイレクトドライブ方式が人気で 、主な物は10万円以上からとなるが、タイヤドライブ式の安価な物や、ダイレクトドライブでも10万を切る物もなくはない。何といっても、自転車自体には手を加える必要がないので初心者向けで、最もイージーな方法といえる。

 

次に普及しているのは、ロードバイクのクランクをパワーメーター付きの物に交換する方法。上記のスマートローラーでは室内トレーニングにしか対応できないが、クランク方式では屋外走行でもパワー測定が可能である。パワーメーターの利用法としてはトレーニング以外にも、状況に応じてサイコンに表示されるパワーを見ながらペース配分を加減する事で、好タイムを狙ったり、ロングライドでの疲れを最小限にするといった事も可能となる。

しかし、8・9・10速のエントリーグレードに公式対応したクランクメーターがない事と、取り付けには若干の知識と手間がいる事、複数のバイクを併用するには台数分用意する必要があるなど、初心者向けではないデメリットもある。ベテランでもクランクのメーカーや種類を変えたいときは、その都度買い替えが必要で悩ましい。

 

最後に紹介する方法は、ペダル式のクランクメーターだ。クランク式同様、屋外走行でも使用可能であるが、取り付けは比較的簡単だ。クランクのグレードやメーカーなどによる制限がなく、複数のバイクでの併用も不可能ではない。ただし、自分が購入を検討していた時期にはガーミンのベクター3・ファベロのアシオマが代表的製品で、これらはルックのビンディングシステム対応となっていて、シマノには対応していなかった。最近になって、ガーミンは後継のラリーシリーズでシマノのSPD-SL用(海外ではSPD用も存在する)を登場させた。

だが、状況によってはSPDとSPD-SLを使い分けたい、あるいはスピードプレイやタイムのビンディングを使いたいというユーザーには、ペダル式は諦めざるを得ないだろう。転倒の際にもペダルは真っ先に衝撃を受けるパーツであるため、破損も心配だ。

GARMIN ガーミン ラリー(Rally) Rally RS200 pedal power meter (010-02388-22) ブラック 中

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  • 発売日: 2021/04/01
  • メディア: スポーツ用品
 

 

あと、初めの方で触れたパワータップのハブ式は消滅したし、心拍計のように胸に巻くバンドや靴の中敷きに計測機能を組み込んだ物とか、タイヤのエアーバルブに取り付ける等、珍種のパワーメーターもあったが、実用性はなく無視していいだろう。

 

 

以上パワーメーターの導入には大まかに3通りあるが、自分はクランク式に決めた。

 

スマートローラーの場合、機器の導入コストは安価にする事も可能だが、アプリのZwiftはサブスクで毎月の利用料金が発生する為、ランニングコストが高くつくこと。そして自分はZwiftに余り魅力を感じていないからだ。

世間ではバーチャルライドなどといっているが、カーブの手前でブレーキングし身体を傾けてコーナリングするならともかく、設定されたコースを勝手に曲がるアバターを後ろから眺めながらペダルを漕ぐだけの行為のどこがバーチャルなのか?自分は、視覚情報としてはサイコンの数字を追う事と、ローラー台の前に置いた姿見でフォームチェックするのが忙しく、全然暇じゃないし、エンタメ要素はラジオを聴くだけで充分である。

Zwiftにはまっている人の中には、実走はほとんどしないで年中Zwiftで、心肺機能と筋力は人並み以上であっても、ロードバイクを走らせる技術は未熟だったり、実走とは違うペダリングの癖がついてしまう人も多いと訊く。これらは大変危険だと思う。

ローラー台トレーニングはあくまでトレーニングでしかないし、自分は実走を重視したい。

 

ペダル式の場合は、自分が検討していた時期ではガーミンが主要製品で、アシオマは海外販売のみで日本にはまだ入ってきていなかった。ガーミンのベクター3は電池ケースに弱点を持っており、評判は散々だった。価格も決して安くはなく故障が多いのでは話にならない。アシオマの評判は良かったらしいが、英語の弱い自分には情報が不足していたのと、英語の通販サイトから購入するのはリスクがある。価格はガーミンよりは安いが依然高価であり、リスクのある商品には手を出したくない。 

ファベロ Assioma DUO ブラック 94mmx96mm

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結果消去法でクランク式が残る。

しかも有り難い事に、クランク式は価格破壊が進んでおり、安い物は2万円台から購入可能となっていた。

自分が購入したのは、4iiii (フォーアイ)の左側片クランク式のシマノ105 R7000用である。左側片クランク式というのは、文字通り左側片方だけでパワーを計測する方式で、計測値を2倍する事で両側分の合計値として表示させる物だ。右足の出力は計測していないので架空の表示となり、正確性に欠けるが、余程の身体的障害がない限り誤差は大した事がないと思われるし、機能が限定されている分安価である。

これを一番安く購入できると評判の海外通販サイトPBKで注文した。PBKは海外通販であるが日本語化されており評判も良く安心して購入できる。価格はセールによって変動していて幅がある。海外通販なので関税と通関料で1600円が余計に必要だが、おおむね2万円台後半で購入可能だ。

また4iiiiは日本でも購入者が多く枯れた製品としてレビューも既に多く上がっているので、 当時のアシオマと違い何の不安もなかった。

結局、貧乏人らしく値段が決め手になったというわけだw

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まず、一本お試しで購入となった4iiiiであるが、最初は実走用のメインバイクであるRaleigh CR-Fに装着する。クランクの交換は何度か経験済みであり、CR-Fの純正コンポは105 R7000であるので、全く問題なく装着できた。CR-Fの純正色はシルバーなので、黒しか選べなかったPBKの4iiiiとは見た目がちぐはぐになってしまうが。ちなみに過去にはシルバーを選べた時期もあったし、国内の代理店からシルバーのクランクを工場に送って計測ユニットを取り付けてもらう事も可能ではある(価格は高くなるだろうが……

なお説明が後回しになったが、パワーメーターというのは単なるセンサーで計測値を表示させるには対応したサイコンが必要だ。持っていたサイコンは非対応だったので、新たに対応サイコンを購入した。ガーミンが人気だが高価なので、ブライトン450(後継機は420)にした。センサーセットを購入したが、これは失敗。ケイデンスはパワーメーターに内蔵されているので不要、心拍計も専用品なのに動作が不安定で、役に立つのはスピードセンサーのみだ。センサー類は他社の別売り品をお勧めする。簡易ナビも殆ど役に立たないので、一つ下の320か、高機能ナビの750にした方が良いかも。

 

てなわけで、最初一台だけお試しで導入したのだが、自分の場合は2台目が問題だった。2台目はコンポがエントリーグレードの8速車で、これをローラー専用車として2階の空き部屋に設置していた。1台目は実走車なので当然1階にあるわけで、ローラー練習をするのであれば、階段を抱えて上がるか、逆にローラー台を降ろすしかない。これは相当面倒である。また贅沢な悩みといわれればその通りだが、1台目だけで運用すれば、2台目はそのまま腐らせる事になる。腐らせるのではなくせめてローラー台で活用、または1台目が何らかの理由で使えない場合の予備として残しているので、2台目にもパワーメーターを装着したかった。

 しかし上で説明したように、クランク式のパワーメーターは105以上の上級コンポに対応した製品しかない。一部の人はR7000用を旧型アルテグラの6800に取り付けたりしているが、左右の剛性バランスや計測値の精度などで、問題となる気がする。2台目はティアグラ4600相当のクランクに変えていたので、とりあえず付ける事は可能なのだが。スマートローラーを既に持っている人は、同時に使用してパワーの表示を比較することで精度を確認できるが、自分の場合その手は使えない。そもそも左右で重量バランスが違えば、静止状態でどちらかのペダルが常に下に落ちてしまうわけで、まともなペダリングなどできないだろう。 

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とはいえ、悩んでいるだけでは前には進まないので、余っていた105クランクを2台目に装着して、リア8速でも使えるか試してみた。1台目はクランク長を165㎜から170㎜に変更していたので、165㎜のそれが余計にあるのだ。元々クラリスでないと駄目な筈のクランクをティアグラに変えているのだから、案外使えるかもしれない。 

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結果は完全ではないものの使えそうだった。アウターハイかインナーローのどちらかが、フロントディレーラーの稼働範囲で調整しきれず当たってしまうが、中間ギアであれば問題ない。ローラー台のトレーニングでは両端は使わなくても構わない。

ただし、実走用が170㎜でローラー用が165㎜では正しい練習にはならないと思うので、また170㎜の105クランクセットを買わないと。それでもコンポ全部を105に取り替えるよりは安い。

 

以上の経緯で、実走用とローラー用、2台のロードバイクにパワーメーターを導入できた。

費用はパワーメーター3万弱×2+ サイコン3万弱+105クランク1万強でしめて10万といったところだ。ここまで手間をかけて、ようやくガチなトレーニングを始められる。

 

失敗したなと思うのは、2台目は片側クランク式ではなく両側にすれば良かった。クランクセットを新たに買うのであれば、2万円程度しか違わないからだ。機能的にはパワーが測れればどうでも良いのだが、精度が違うし、片足が疲れて力を抜くと数値が大きく変動する。片側の出力を2倍にしているので変動幅もその分倍になっているのだ。リアルタイム表示でなく3秒の平均値としているが、それでも変動幅は大きい。

トレーニング中はサイコンのパワー表示を目標とする値の範囲に収めるようにペダルを回すので、視覚情報はそれで手一杯、テレビや映画を観るような余裕は全くない。ただラジオで気を紛らわすだけである。 

ストイック過ぎるという人もいるが、アラ環で若い人並みに走るには科学的に鍛えるしかないのである。これも仕方がない。