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ソーラー発電の保護設計


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なんかカッコいいタイトルですが、なんてことはなく、どこに、どんなヒューズやブレーカーを取り付けるかです。

「さあ、ソーラー発電を始めるぞ!」と言っても、漏電や発火など未知の怖さがあるものです。

そういう怖さを取り除くためにヒューズやブレーカーが設置されます。が、今度はどこにどんなものを取り付けるのかで迷うことになります。

この記事では、ガチな太陽光発電を参考に、オフグリッド (独立型) ソーラー発電の保護設計を考えます。

ソーラー発電の規模によって適当にカスタマイズしてください。

ヒューズやブレーカーの位置は、ざっくり言うと、以下のところです。

  1. 起電力のあるものの直後
  2. 配線の合流や分岐の前後

起電力のあるものは、ソーラーパネルと蓄電池です。それ自体が電気を作るやつですね。

これらを踏まえて、もう少し詳しく考えます。

ソーラーパネル側 (発電側)

ソーラーパネルの組み合わせ

まずは、ソーラーパネルの組み合わせのお話です。この組み合わせごとにヒューズなどを入れるのが一般的です。

ソーラーパネルも、乾電池と同じように複数枚を直列・並列にすることで、電圧と電流を大きくできます。

ソーラー発電

この図のように、ソーラーパネルを直列につないだものをストリング (String)、並列につないだものをアレイ (Array)とといいます。

ヒューズやブレーカーは、ストリングごとおよび、アレイごとに取り付けます。

発電側のヒューズ・ブレーカー

ソーラー発電

図ではヒューズになっていますが、ブレーカーでも同じです。(以降も同じ)

ヒューズの場合は、ヒューズの前にスイッチを加えたほうがいいです。

また、逆流防止ダイオード (バイパスダイオードとは違う) はここらへんに入れます。

このあとは、ストリングごとの配線が合流しますので、そこにもスイッチやヒューズを取り付けます。

このように、複数のストリングをひとまとめにする設備を接続箱といいます。ヒューズなどは、この接続箱に入れるのが一般的です。

その先は、オフグリッドならチャージコントローラー、ガチな太陽光発電なら集電箱、パワーコンディショナーにつながります。

集電箱は、アレイが複数あるような、規模の大きい太陽光発電で登場します。ここでは需要がなさそうなので割愛します。

また、チャージコントローラーやパワーコンディショナーの配線には、ヒューズは入れなくてよいのでスルーします。

蓄電池

ソーラー発電

オフグリッドの場合は、蓄電池を挟んで発電側と負荷側に分かれるので、その両側にヒューズを取り付けます。

ヒューズの位置は、蓄電池に近いほうが安全です。

負荷側

ガチな太陽光発電では、自宅の分電盤やパワーコンディショナーの自立運転機能の話になるので、ここでは割愛します。

オフグリッドの場合は、分岐点の前後にヒューズを取り付けます。

ソーラー発電

スイッチが開いているのに電球が点灯中なのは気にしないでください。

蓄電池の直後にヒューズがある場合、分岐直前のヒューズは省略できます。

分岐後は、回路ごとにヒューズを取り付けます。

ヒューズ・ブレーカーの選び方

ここでは、ソーラーパネルや負荷に対して、適切な太さ・種類の配線を使用しているものとして、お話をすすめます。(なかなか面倒な要素のため)

また、図ではスイッチを省略しています。

ソーラー発電

基本的に、ヒューズは、その配線の許容電流※を超えないような定格電流※のものを選びます。


許容電流:電線に流すことができる電流.
定格電流:ヒューズやブレーカーが動作 (遮断) しないぎりぎりの電流.

一般的に、蓄電池の周りの配線は太く、発電側の合流前や負荷側の分岐後は細いです。

ですから、蓄電池に近いヒューズは大きな定格電流、分岐後などは小さな定格電流のものを取り付けることになります。

ソーラー発電

結果、分岐後の回路で電気を使いすぎると、その回路だけが遮断されます。(大きいヒューズの定格も超えていますが、この場合は小さいほうが先に切れます)

ここからは間違った例です。

ソーラー発電

↑細い配線に定格電流の大きいヒューズを入れたとき。

細い配線の許容電流を超えて焼けることがあります。

また、ヒューズの大小を逆にしてしまうと、停電がより広範囲になります。

ソーラー発電

↑太いほうに定格電流の小さいヒューズを入れたとき。

電気を使いすぎると、回路全体が遮断されます。

ここで、大きいほうのヒューズの定格電流が、小さいほうの合計を超える必要はありません。あくまでも、ヒューズのある配線 (と上流) を保護できればよいのです。

この場合、定格電流を超えると広範囲が遮断されます。

実際にヒューズの具体的な定格電流を決めるには、使われる負荷の大きさと種類を考える必要があります。

最後にブレーカー選びの注意事項です。

ソーラーパネルと蓄電池は直流です。交流用のブレーカーの中には、直流で使うと正しく動作しないものがあります。

また、直流電流の遮断では、アーク放電※が持続しやすく、交流用を無理に使うとブレーカーの焼損につながります。

※アーク溶接のアーク。高熱が発生する.

こういうブレーカーの選び方の記事を作成中です。って誰も興味ないか(笑)

楽しくて安全なソーラー発電を。

閲覧ありがとうございました。

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コメント

おはようございます。

いろいろとノウハウがあるのですね。

私にはサッパリわかりませんが。w

Re: おはようございます。

ひまわりさま。

こんばんは。コメントをありがとうございます。

なんか妙に奥が深いですよね。
私も勉強中なので、説明がなかなか難しかったです。

すこしでも興味を持ってもらえればうれしいです。

またのコメントもお待ちしています。

記事名:ソーラー発電の保護設計.
返信日:2022年4月25日.

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プロフィール

しゅう

Author:しゅう
1991年北海道三笠市生まれ。プロフィール

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