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 準絶滅危惧種(NT)
 動物園で人気者のコアラは、哺乳綱有袋上目カンガルー目の1種。オーストラリア大陸に生息している。

 容姿が愛らしいので、世界各地で人気が高い。かつて、オーストラリアでは毛皮目的で乱獲が進み、最盛期には年間数百万頭が捕獲されていた。このため、1930年代には絶滅の危機に瀕していた。その後、保護活動がなされたが、開発によるユーカリ林の減少が、生息域を狭めている。

 現在、準絶滅危惧(Near Threatened, NT)で、存続基盤が脆弱な種に指定されているが、最新の調査では43000〜80000万匹に減少した。絶滅危惧種に指定されるのも時間の問題であろう。

 生息数が半減!
 オーストラリアのコアラ保護団体「コアラ基金」は10日、同国固有の動物、コアラの生息数が地球温暖化や森林伐採などの影響で、過去約10年間で半分以下に急減した恐れがあると発表した。今後30年間で絶滅する恐れもあるとして、絶滅危惧(きぐ)種に指定するよう政府に求めている。
 
 同基金によると、生息数は2000年の調査で推定10万匹だったが、最新の調査では43000〜80000万匹に減少した。土地開発や温暖化で生息地を失ったことが原因とされる。
 
 同基金は2006年にも、絶滅危惧種指定を求めたが、政府は地域によっては生息数が増えていることなどを理由に指定を見送ってきた。(毎日新聞 2009年11月11日)

 コアラとは何か?
 哺乳綱有袋上目カンガルー目の1種。コアラ科唯一の現生種だが、化石では他に同科属、同属種がいる。体長60-85cm程度、ずんぐりとした体型で、体毛は厚く柔らかい。頭部は大型。外耳は小さいが周囲の体毛が長いため大型に見える。樹上生活に適応しており、手足には鋭く長い爪のついた5本の指をもつ。そのうち、第1指と第2指を他の3指と対向させて木の枝などをつかむことができる。指には指紋がある。

 コアラの習性はナマケモノに似ている。主に樹上で生活するが巣は作らない。生息地に天敵がいないこともあり、木の幹につかまったまま何時間も動かない。地上に降りることは稀だが、木から移動する際に稀に地上に降りることもある。動作は緩慢で、特にメスは昼間、ほとんど動かず、眠っていることが多い。

 有毒性のユーカリ
 食性は草食性でユーカリやアカシア、ティートリーの葉や芽を食べる。さらに、各地域に生息するコアラは、その地域にある全てのユーカリを食べるのではなく、多くのユーカリの種の中から数種類のユーカリやその他の植物を好んで食べる。

 ユーカリの葉は毒素が含まれているため消化が悪く、一般に動物の餌として適さない。しかしコアラは、盲腸で発酵させることでユーカリの毒素を分解し、消化吸収することができる。コアラの盲腸の長さは2mで哺乳類では最も長い。この様にしてまで主食としているユーカリの葉であるが、栄養に乏しく活発な行動をするまでエネルギーを得ることができない。

 離乳食「バップ」
 このため、一日のほとんど(約20時間)を眠って過ごすことで、エネルギーを節約している。水分はユーカリの葉からのみ摂取し、地上に降りて水を飲むことはまずない。コアラは先住民の言葉で「水を飲まない」を意味する。

 繁殖形態は胎生で、たいてい1子を出産し双子は稀である。妊娠期間は約35日、生まれた子供はメスの腹部にある育児嚢(いくじのう)で約6-7ヶ月間育てられる。その後子供は母親に背負われて過ごす。

 母親は盲腸内でユーカリを半消化状態にすることで「パップ」という離乳食を作る。子供は母親の肛門から「パップ」を直接食べる。子供は「パップ」によってユーカリの葉を消化するための微生物を得、一生涯にわたり、同じ葉を食べ続けるようになる。


参考HP Wikipedia「コアラ」 

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