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新型インフルついに水際を突破
5月16日新型インフルエンザの国内感染が神戸市の高校生3人に確認された。9日に成田空港の検疫で感染者が発見されたが、検疫での水際阻止でない、初の国内感染例になった。

新聞報道によると、神戸市の高校生では他に5人、症状を訴えている。さらに大阪府では、茨木市の高校で生徒ら9人が確定はしていないが(5月16日現在)感染濃厚と判明。症状を訴えるなどしている生徒を数えると約100人以上にも上るという。

神戸の高校生の場合、すでに5月8日には所属している、バレーボール部でインフルエンザがはやり、ある部員1人が休み、9日には同部で2人が休んでいた。新インフルエンザ感染が判明している高校生は12日に休み病院へ行き、A型の診断。その後病院から保健所へ連絡。15日にはほぼ回復したが、神戸保健所の検査で新型と判明した。16日には他の生徒2人についても新型が判明した。

この時期は部活動の交流戦などの行事が盛んで、神戸市の3人は交流試合に参加していた。彼らにはいずれも海外渡航歴はない。初の国内感染例になった。

新型インフル5月初旬すでに国内侵入か?
こうした状況を考えると、神戸市では8日には、もうすでに新型インフルエンザに感染していた人がいたことがわかる。潜伏期間を考えると、ゴールデンウィークに、海外から国内に潜入していた可能性が高い。

しかも交流試合があったことや、お隣の大阪府でも症状が出ている人が大勢いることなどを考えると、今後の国内流行もある程度は予想できる。

神戸市は感染判明を受け、市立学校の休校やイベント中止などを決めた。根路銘国昭・生物資源研究所長は「新型インフルエンザウイルスの遺伝情報を見ると、肺で増殖する構造を持っていない。今後も各地で散発的な発生は起きるだろうが、現段階では大流行の心配はないと考えている。感染した場合の症状も軽く、休校や旅行などの中止は過剰な反応だ。冷静に対応してほしい」と呼びかけた。

新型インフル対策「国内発生早期」へ
それにしても、インフルエンザの感染力は速い。昨日(16日)は、各地で行事があり、私も子供の体育祭で学校へ行ったが、大丈夫なのかと心配になる。関西に出張ででかけていた人が感染していれば、今後、関東でも感染者が報告されてもおかしくない状態である。

厚労省は感染ルートの特定を急いでいるが、もはや、今後の国内流行は決定的だと思う。幸い、季節性インフルエンザと同程度の毒性で、それほど強くないので、通常のインフルエンザのように対策が取ればよいと思う。

政府は16日午後に対策本部幹事会を開き、国内行動計画の対策レベルを「海外発生期」から「国内発生早期」へと引き上げた。

「国内発生早期」では〈1〉医療機関での発熱外来整備〈2〉学校などの休校要請〈3〉不要不急の外出自粛要請〈4〉集会などの自粛要請〈5〉企業への業務縮小要請...などの厳しい対策が実行に移される。場合によっては1週間程度の公共機関の停止や学校閉鎖などがあるかもしれない。

新型インフルについての特徴
WHOなどが、新型インフルエンザがメキシコから急速に世界に広がった流行の初期の状況を分析した。メキシコでは4月末時点で2万人以上が感染していたとみられ、致死率は0.4%程度と推定。

1918年に大流行したスペイン風邪(致死率2%)より弱く、1957年のアジア風邪(同0.5%)程度としている。

WHOのケイジ・フクダ事務局長補代理は4日の記者会見で、徐々にわかってきた新型インフルエンザの特徴を説明した。感染者が下痢を起こす率が40〜50%と高い。

SDC(米疾病対策センター)は15日の記者会見で、米国内の感染者は公式集計よりはるかに多く、現在の実際の感染者は「全米の症状の広がりからみて、10万人以上と言ってもいいだろう」との見解を明らかにした。

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新型インフル「国内発生早期」、政府が対策レベル引き上げへ


神戸市内の高校生から採取したウイルスが、新型インフルエンザと確認されたのを受け、政府は16日午後に対策本部幹事会を開き、行動計画の対策レベルを「海外発生期」から「国内発生早期」へと引き上げる見通しだ。

今後の調査で、同高校以外でも複数の患者が見つかり始めた場合、対策はもう1段階引き上げられ、「感染拡大期」へと進む。

「国内発生早期」の対策は、国内での感染拡大を出来る限り抑えることが狙いだ。現行の行動計画によれば、患者に接触した人の追跡調査や水際対策の継続に加え、〈1〉医療機関での発熱外来整備〈2〉学校などの休校要請〈3〉不要不急の外出自粛要請〈4〉集会などの自粛要請〈5〉企業への業務縮小要請――などの厳しい対策が実行に移される。

しかし、今回の新型ウイルスの病原性は、通常の季節性インフルエンザ並みと見られている。強毒性の鳥インフルエンザを想定した行動計画を実施すれば、経済・社会への影響が必要以上に大きくなる恐れがあるため、政府の対策本部は、新型ウイルスの特徴に合わせた弾力的な対処方針を決める見通しだ。(2009年5月16日  読売新聞) 

参考HP 厚労省新型インフルエンザ対策「基本的対処方針の実施

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