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ホタルの発光色がネオンサインのようにカラフルに変わる可能性がある。
発光というと太陽や蛍光灯・電球などによる発光を思い浮かべるが、生物も発光するものが多い。ホタルイカ、ウミホタル、ゲンジホタル、アンコウなど多彩である。いったいどうやって発光するのだろう。
また電灯の発光はエネルギー効率が10%〜20%なのだが、生物発光は90%にもなるという。新しい可能性を秘めたエネルギーでもある。今日は生物発光とゲンジボタルの話題です。
ゲンジボタル 発光の仕組みを解明 理研チーム
ゲンジボダルの発光現象の仕組みを応用した再現実験。ルシフェラーゼの働き方を変えることで、色を黄緑色(左)にも、だいだい色(右)にも変えられる。ゲンジボタルが光を放つ仕組みを理化学研究所などのチームが解明し、16日発行の英科学誌「ネイチャー」に発表した。
発光物質や反応をつかさどる酵素は知られているが、どのように反応するかを初めて突き止めた。 ホタル、クラゲ、ホタルイカなどの発光生物は「ルシフェリン」という発光物質を体内に持つ。これまでの研究で、ルシフェリンに「ルシフェラーゼ」という酵素が加わって反応が起き、発光することが分かっている。
京都大薬学研究科の中津亨・助教授(理化学研究所連携研究員)らは、瞬時に進むこの発光反応を▽反応前▽発光直前▽発光後に分けて分析を試みた。発光反応を3段階で再現。兵庫県の大型放射光施設「スプリング8」で調べた。
その結果、ルシフェラーゼは反応の瞬間、発光物質を強く握り締めるように取り囲むことが分かった。この「握り方」が強いとゲンジボタルのような黄緑色となり、弱めると光は黄緑色からだいだい色、そして赤色へと変化した。ルシフェラーゼの働きを変えることでさまざまな色の「蛍の光」を人工的に作った。
黄緑色の光は波長が短く、エネルギーは高い。赤はその反対だ。チームは「握り方が弱いと分子が振動してエネルギーが逃げ、波長の長い赤色光になるのだろう」と説明している。
ホタルは、反応で生まれたエネルギーの9割を光として使い、電灯(1〜2割)に比べて格段に効率的だ。こうした仕組みの解明をさらに進めることで、人工光の発光効率を高める手がかりが得られそうだ。また、現在、がん細胞を発光物質で光らせ、転移を画像診断する研究が動物実験で進んでいるが、発光の強さや長さを改良することも可能だという。【元村有希子】 毎日新聞 2006年3月16日 3時00分
ゲンジボタルとは何か?
ホタルは、古くから初夏の風物詩として親しまれているが、なかでもゲンジボタルが一番大きく光も明るい。体長は12〜18mm。ホタルの光はメスとめぐり合うための合図で、お互いに相手をまちがえないように、種によって光の色がちがっているだけでなく、光が点滅するパターンもちがっている。 |
最近は、とくに都市近郊でゲンジボタルがすっかり減ってしまったが、それは、幼虫のすむ清流がよごれてきたり水辺の環境が大きく変わってしまったことが原因のようだ。
メスは川岸の苔(こけ)などに500個あまりの卵を産みつける。約一カ月後、ふ化した幼虫は水中に入ってカワニナという巻き貝を食べて育つ。翌春、大きくなった幼虫はふたたび川岸にはい上がり、土の中にもぐってサナギになる。成虫の寿命は約2週間、その間わずかに水分をとるだけで何も食べない。
生物発光とは何か?
生物発光はルシフェリン-ルシフェラーゼ反応として知られている酵素反応に基づいたある特定の発光代謝機構や発光器官を有する一部の生物種にみられる発光。またエクオリンなどの酵素-基質複合体に似た発光タンパク質による生物発光も存在する。
ルシフェリン-ルシフェラーゼ反応による発光にはホタルやウミシイタケ、発光微生物などが、発光タンパク質による発光にはオワンクラゲ、発光オキアミなど、自然界には様々な生物発光を行う生物が存在する。
ルシフェリン-ルシフェラーゼ反応とは何か?
ルシフェリンはATPをAMPとリン酸に分けるとAMPをカルボキシル基に結合する。次に酸素でこのAMPを切り離し、二酸化炭素と水を作る。ルシフェリンにはカルボキシル基に変わりカルボニル基が残される。このカルボニル基の酸素原子は励起状態にあり、基底状態に戻るときにエネルギーの差が可視光として放出される。この反応はルシフェラーゼを酵素として引き起こされる。
励起状態とは何か?
物質はすべて陽子や電子、中性子からできている。電子は陽子のまわりの決まった軌道を回っている。ところが外から、光、熱、電場、磁場などや分子、イオンの入射、衝突などによって、電子がエネルギーを得て、いつもより外側の軌道を回ることがある。これを励起状態という。
励起状態にある電子はもとの軌道にもどる(基底状態に戻る)とき、エネルギーを放出し、これが光になる。
例えば水素原子のスペクトルでは内側の第一の軌道に電子が1個だけ存在している時が基底状態で、その他の軌道にいるときが励起状態です。
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