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多発する小中規模の地震
今朝の地震はやや大きいので驚いた。午前7時43分ごろ、山梨県東部を震源とする地震があり、同県富士河口湖町と忍野村で震度5弱を観測、東北から近畿にかけて震度4~1の揺れを感じた。気象庁によると、震源の深さは18キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は5.4と推定される。
直前の午前7時39分ごろに富士河口湖町などで震度4を観測する前震があり、さらに7時46分と8時4分には山梨県と神奈川県で震度3を観測する余震があった。気象庁は「周辺観測機器のデータに異常はなく、東海地震や富士山の火山活動との関連性はない」としている。静岡県によると、震度4を観測した富士宮市で約1万世帯が一時断水した。
今日の地震の記録を調べてみると、全国で震度1以上が、21回も起きている。(日本気象協会・地震情報)それも、北は北海道から、南は沖縄まで…改めて日本は地震大国であることを思い出した。今日に限っては、山梨県東部の富士山周辺が多いが、このぐらいの地震で驚いていられないのが日本なんだろう。
東京湾に3つのプレート
東京都の石原慎太郎知事は、2012年1月27日午後の定例会見で、東京大学地震研究所の平田直教授(観測地震学)らによるブリーフィングの中で出た話として「東京湾の中に3つのプレートがぶつかっているところが見つかったという。初めて聞いた話でびっくりした」と述べた。さらに石原知事は、「こうしたプレート同士がぶつかっている部分は大きな地震のトリガーになりやすい」と指摘し、「大都会が密集する東京湾の中が大きな震源地になる可能性がある」と語った。
先に、平田教授ら東京大学地震研究所は「マグニチュード7級の首都直下型地震が発生する確率が4年以内で70%」と発表している。今後30年で88%とされる東海地震の発生確率よりも高いのではないかと、都民からは不安の声が上がっている。
記者から詳細な調査の必要性について問われると、石原知事は「新しいデータが得られるのであれば、国に申し込んで(東京湾の)航行を制限をしてでも本格的な震源地の調査をしてもらいたいし、(調査を)すべきだ」と語った。(ニコニコニュース 2012年1月28日)
M7首都直下地震4年以内の発生確率70%
昨年3月11日の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の影響で、首都圏の地震活動が活発化しているのは確かだ。これに伴い、マグニチュード(M)7クラスの首都直下地震の発生確率を東京大学地震研究所の研究チームが試算したところ、「4年以内に起きる可能性は70%」と、切迫性がかなり高まっていることが分かった。
首都圏でのM3-6クラスの地震は、東日本大震災前に比べて約5倍(1日当たり1.48回)に増えている。地震の規模(マグニチュード)の小さい地震が増えると、より大きい地震の発生確率も高まることから、研究チームがM6.7-7.2の地震の発生確率を計算したところ、今後30年間に98%、4年後には70%になったという。
政府の地震調査研究推進本部は2004年に、南関東でのM7クラスの地震の発生確率は「今後30年間で70%程度」と評価しているが、これは過去150年間に起きたM6.7-7.2の地震を数えて、その頻度から発生確率を出した。東北地方太平洋沖地震の以降は同クラスの地震が起きていないので、発生確率は変わっていない。
同研究所は「首都直下地震では、家屋の耐震補強や家具止めで8割の被害軽減ができる。今から対策を」と呼びかけている。今回の計算は、地震学での経験則(グーテンベルク・リヒター則)によるものである。M値が1大きくなると、地震の発生頻度は10分の1になる。例えば、M5クラスの地震が10回起きると、M6クラスが1回起きる計算。(サイエンスポータル 2012年1月24日)
それだけ、各地で小さい地震が頻発しているから、少し大きなM7程度のものも、起きる確率が高くなるという理由。東日本大震災のようなM9.0でなくても、首都直下型だったら、相当な被害がでるのは明らかだ。
解析手法「グーテンベルグ・リヒター式」
大きな地震はめったに起きないが、小さい地震はたくさん経験されたことがあると思う。地震の頻度というのは,マグニチュード(M)が小さいほどたくさん起こり、大きくなるほど少ない、という経験則があり、それが「グーテンベルク・リヒターの式」と呼ばれる関係式()で表現されている。たとえば日本では、おおよそ、M3の地震は一年に10,000回(1時間に1回)、M4の地震は年に1,000回(1日に3回)、M5は年に100回(3日に1回)、M6は年に10回(1ヶ月に1回)程度となることが知られている。
一方、大きな地震が起こると余震がたくさんが発生するが、余震の数は大きな地震(本震)から時間が経過するのに伴って減って行く。これを数式で表現したものが「改良大森公式」と呼ばれる公式(n(t)=K/(t+c)p)。地震調査委員会はこれらグーテンベルグ・リヒターの式と改良大森公式を組み合わせて、「余震の確率評価手法」を作った。
この手法の適用範囲は「狭義の余震」(本震の震源域およびその近傍で起こる余震)と明記されているが、酒井准教授らは東北地震による首都圏の誘発地震活動も広い意味では余震であるので、この手法が適用可能であると考えて、M7の誘発地震が将来起こる確率を計算した。
3月11日前後での首都圏の地震活動を比較してみると、3月11日までの半年間(2010年9月11日~2011年3月10日)と3月11日以降の半年間(2011年3月11日~2011年9月10日)で、M3以上の地震は、47個から343個に増加している。
この3月11日以降の地震活動には,3月10日以前からの定常的な地震活動と東北地震による誘発地震活動の両方が含まれていますが,後者の方が圧倒的に多いのですべてが誘発地震活動であるとして解析された。
その結果、M7程度(具体的には,M6.7-M7.2)の誘発地震が今後30年間に発生する確率を計算すると98%となった。まったく同じ算出方法で、期間4年間として計算すると、確率が70%になった。(東京大学地震研究所)
南関東直下型地震
南関東直下地震は、関東地方の南部(神奈川県・東京都・千葉県・埼玉県東部・茨城県南部)で歴史的に繰り返し発生するマグニチュード7級の大地震を指す。首都直下地震、東京直下地震、東京大震災などともいう。日本で想定される都市直下型地震の一つ。ただし、関東地震(マグニチュード8級)に属する地震はこれには含まれない。
相模湾においては、フィリピン海プレートが陸のプレート(北アメリカプレート)の下に沈み込んでいて、相模湾西部から房総半島南方30kmを通り三宅島東方200km付近までは海底の谷状地形が続くプレート境界「相模トラフ」を形成している。この相模トラフの北側の幅80km - 150kmの領域を震源域として、1703年12月31日(元禄16年11月23日)の元禄大地震(M8.1)、1923年(大正12年)9月1日の関東地震(関東大震災)(M7.9)などのマグニチュード8級の巨大地震が推定200 - 400年間隔で発生していて、これらを総称して関東地震と呼ぶ。
これに対して、相模トラフから前述よりさらに北側をも含めた関東地方南部のいずれかの地域を震源域として、ひとまわり規模が小さいマグニチュード7級の地震が数十年間隔で何度も発生している。1855年11月11日(安政2年10月2日)の安政江戸地震(M6.9)、1894年(明治27年)6月20日の明治東京地震(M7.0)などが発生していて、これらを総称して南関東直下地震と呼ぶ。地震のタイプとしては内陸地殻内地震(直下型地震)に限らず、プレート間地震(海溝型地震)、スラブ内地震も想定される。なお、明治東京地震の震源は相模トラフより北側の東京湾北部となっており、安政江戸地震の震源も断定はされていないが同様の地域と考えられている。(Wikipedia)
参考HP Wikipedia 南関東直下型地震
東京大学地震研究所 2011年東北地方太平洋沖地震による首都圏の地震活動の変化について
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