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科学な本のご紹介: 誠実本『本当のたばこの話をしよう 毒なのか薬なのか』

科学に佇む書斎



本当のたばこの話をしよう 📖 
タバコ産業の無敵巨額予算っぷりの前に、崩折れるように膝をついて頭を抱えてしまう国立がん研究センターの専門家さん…
別に攻撃とか妨害とかされたわけじゃあない、ただただ、がんの研究現場で使える資金が、とうてい太刀打ちできないほど桁違いなんだ「JT」は…

そんな哀愁と無念と悲哀をただよわせる中、がん治療の専門機関の視点でタバコの健康影響について、さまざまなデータを取り上げながら語ってくれる。

科学の本たばこに含まれるニコチンを分解する「CYP2A6」という酵素があります。この酵素が働きやすい体質だと、血液中のニコチンの分解スピードが速いため、すぐに次のたばこを吸ってニコチンを補いたくなります。


科学の本「がん家系」という言葉もよく耳にしますが、がんの原因のうち、親から子へ遺伝する夕イプのもの(いわゆる遺伝病)は全体の5%程度だと言われています。

科学の本たばこに含まれる「ニコチン」が喫煙者のストレスの大きな原因であることがわかっています。
 たばこを吸えない状態がしばらく続くと血液中のニコチン濃度が下がり、イライラ、落ち着かないなどのいわゆる禁断症状が現れます。喫煙者はこのイライラを「ストレス」と感じ、それをたばこを吸うことで解消しているのです。

科学の本たばこが日本人男性に広く普及したのは戦後の昭和30年代から50年代にかけてです(1955年〜1975年頃)。昭和40年代(1965年頃)には成人男性の喫煙率は8割を超えていました。

科学の本平成8年(1996年)時点で中学3年生男子の約3割高校3年生男子では半分以下が喫煙経験者でしたが、平成26年(2014年)にはそれぞれ7%、12%になっています。
 高校3年生の男子で喫煙経験者が1割しかいないというのは、喫煙全盛期である昭和45年生まれの私にとっては驚きの数字です。

科学の本日本たばこ産業株式会社(JT)の筆頭株主が誰かご存知でしょうか。財務大臣です。2018年9月現在のJTの大株主リストで、一番上に記載のある「財務大臣」が筆頭株主として約3分の1の株を所有しているのがわかります。
 かつて財務大臣はJTの株の半分を所有していましたが、東日本大震災の復興財源のため株を売却して3分の1になりました。


科学の本国のたばこ対策予算をみてみましょう。
 2018年度の厚生労働省健康局予算のうち、たばこ関連については受動喫煙防止について特別についた予算を合わせても40数億円です。
 かたやJTは広告宣伝・販売促進だけで1千億円を軽く超える予算。やはりアリと象の違いです。





『本当のたばこの話をしよう 毒なのか薬なのか』
 片野田耕太
 日本評論社 


治したい、防ぎたい、世の中を良くしたい… と、がん研究の現場が頑張っても、どうしてこんなに**が推進されてしまっているのか。

国立がん研究センターと医療社会学がタッグを組むとか、日本たばこ産業JTの勤務現場を文化人類学するとかできれば、理想なんだけれどね。
日本の理想はなかなか遠いよね。




 おまけ



→『ミニ特集:毒の科学 その2』
→『ミニ特集:毒の科学 その1』
→『ミニ特集:医療問題を社会学する本』
→『ミニ特集:医療の問題を見る本』
→『ミニ特集:医療問題をめぐる本』
→『ミニ特集:医療問題をめぐる本 海外』
 




 No.2019,0616
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