ミニ特集:医療問題を社会学する本


『健康と医療の社会学』
『医療社会学を学ぶ人のために』
『現代医療の社会学 日本の現状と課題』
ちょっと前の時代、90年代の医療社会学な本たちです。
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山崎喜比古 編 東京大学出版会
早坂裕子 ”妻の死亡率や罹患率は夫の社会階層によって左右されるが、その度合は、結婚後も職業をもつ女性より専業主婦のほうが大きくなる。”
早坂裕子 ”社会階層が低いほど健康度も低い。専業主婦の場合は、夫の社会階層により格差が生じている。”
東京都区部の中壮年期男子における死因別死亡率(80年代)
a. 東京23区間の死因別死亡率には大きな地域差が存在する.
b. 最も高い区と最も低い区の比較では, 総死亡率が1.6倍, 悪性新生物で1.6倍, 虚血性心疾患で1.7倍, 自殺で2.0倍, 脳血管疾患で2.4倍, 慢性肝疾患および肝硬変では2.9倍, 自動車事故を除く不慮の事故および有害作用では3.5倍になっている.野口裕二 ”フーコーは、医学や医療がわれわれの身体や病気に関する知識を独占することによって、われわれを内部から統制する装置となっているという見方を提示しました。”
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進藤雄三, 黒田浩一郎 編 世界思想社
赤松昭 ”メディアを飾るのは見事立ち直った障害者の姿ばかりである。私たちはいくつもの好条件が揃った幸運なこれらのケースを、自らの生き方のモデルにできないことを日々の生活のなかで思い知らされている。”
あらためて、『医療社会学を学ぶ人のために』の市野川氏による「医療倫理」の章を読む。19世紀において、医療倫理とは専門職集団の形成による医療の質の向上が、まずもって「倫理」の中核として位置づけられていたことはとても興味深かった。
— ゆでたまご (@appopresident) 2012, 11月 5
「医療社会学を学ぶ人のために」の引用によると、資格が必要とされるのは、消費者による選択がうまく働かない場合。
専門性の脱構築
http://t.co/39jJ01vzeW
— 加賀谷昌樹 (@sarabandejp) 2014, 3月 15
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黒田浩一郎 編 世界思想社
「治療至上命令」により、近代医学は様々な非科学的概念と方法を用いる。例えば、異常・正常、原因概念、実体としての病気概念、多義的な「治る」概念などは、科学的概念ではないが医学にとって必須のものである。